Pachi's Blog Annex ~自薦&自選よりぬき~

『Pachi -the Collaboration Energizer-』の中から自分でも気に入っているエントリーを厳選してお届けします♪

ソーシャルに働いてしあわせになろう! — IBMのソーシャル研修

オリジナルはこちら(2018/4/10)

 

新入社員向けの「ソーシャルな働きかた」研修を、今年も約600人の同僚となった新しい仲間たちに受講してもらいました。

2年前のブログにも書いていますが、「ソーシャル・ツールの具体的な使い方」と説明や解説はその当時から比べてもぐっと減らしています。と言うか、ほとんどしていません。

通常の使いやすさや使い勝手を持つソーシャル・ツールであれば、自分で少し触ってみたり、少し検索して情報を見ればそのほとんどはすぐに分かるものばかりですから。

 

そんなわけで、今年は時間のほとんどを「なぜしあわせに働くことが大切なのか」「どうすればしあわせな働きかたができるのか」「ソーシャルなマインドで働くことで得られるもの・こと」について費やしました。私の個人的なストーリーを伝えさせてもらい、それぞれが自分の思うしあわせな働きかたを考えるための時間となるようデザインしたつもりです。

もしかしたら、自分たちの会社やチームの参考にできると思われる方もいるかもしれないので、セッションの資料をシェアします。

 

(埋め込み資料が表示されない方は、BoxSpeakerdeckに直接アクセスしてください)

 

今回「しあわせになる働きかた」に強くこだわって話をしたのには、いくつか理由があります。

 

まず、ここ1〜2年ほど〈働きかた改革〉という大きな(大雑把な?)言葉で表現される取り組みに社内外でいろいろ関わっているのですが、組織で語られるそれはどこまで行っても組織が中心だということです。

ある意味当たり前の話ですが、「組織側が考える働きかたは組織側からのアプローチ」だと言うことで、要するに個人の働きかたについては、個人がそれぞれ「自分はどう働きたいのか」を見つめ直し、それを組織の働きかたとすり合わせる必要があるなといつも感じていました。

どれほど立派な〈働きかた改革〉があっても、それを受け止めて実行するのは個人です。でも、なんだか個人の働きかたに関しては世の中であまり多くは語られていない気がしているのです。

 

次に、私は去年からソーシャル転職エージェントとして活動を始めましたが、多くの人からの転職相談や仕事に関する悩みを聞く中で、しょっちゅう「しあわせが重要視されていないなあ」と感じていたからです。

私の引き出し力不足がその原因でもあるのでしょうが、転職するにしても、今の仕事にとどまるにしても、その判断基準には自身の幸福感があまり考慮されていない気がしてなりませんでした。私たちのほとんど全員が「あなたが生きる一番の目的は?」という質問に「幸せになること」と答えるにも関わらず。

もっと「どうすればよりしあわせになれそうか」を意識した方がいいと思うし、そのためには仕事も(いろいろな意味で)積極的に活用した方がいいと思うんですよね。

 

 

2月のデンマーク視察旅行で、私は、自分自身の「幸せな働きかたと生きかた」に対するアプローチがくっきり明確になりました。

それは短い言葉で人に伝えるのが難しい類のものだし、あらゆる人に当てはまるものでもありません。

それでも「ほとんどの人にあてはまるエッセンス」はあると思っていて、今回はそんなものをシェアして終わりにします。

 

 

しあわせは、人とのつながりから生まれてくるものがそのほとんど。それは仕事でも同じ。
人とつながることに積極的になろう。コミュニケーションを取ることに積極的になろう。
積極的な姿勢そのものが、自分が手にする結果や周囲の未来を想像以上に大きく変えている。

 

自分が貢献できていると感じられることはすごく大切。コミュニティーを広げ、世界を拡げ、貢献できるチャンスに敏感でいよう。
相手に感謝を伝えよう。感謝を伝えることは、自分自身の幸福度をあげることでもある。だから伝える際には、相手にもっと伝わる方法がないかを考えてみよう。

 

世界は、拡げたいと思い拡げようとする人にしか拡がらない。
世界を拡げたければ、拡げたいという意思を発信し、遠い先からもその存在に気づいてもらえる機会を増やそう。
どうせ同じモノを作るなら、10人よりも100人、1000人に喜んでもらえる方法がないかを考えよう。

 

人生100年時代。サステイナブルな働きかたをしよう。
しあわせをお金やプライドや快楽と交換するような働きかたは長続きしないし、無理やり長続きさせれば何かが失われる。
疲れているのに眠れない、お腹が空いているのに食べられない、仲間と会っても笑えない。…そんな働きかたは辞めよう。

 

 

IBMの新入社員研修チームの皆さん、機会をいただきありがとうございました。

そして、適切なフィードバックをいただけたことで、私自身に意義深い機会ともなりました。大感謝です!

 

Happy Collaboration! 

 

フォルケホイスコーレとヒュッゲ – EPOCH MAKERSイベントレポート

オリジナルはこちら(2018/4/5)

 

デンマーク式対話型トークイベント「デンマークの教育機関、フォルケホイスコーレが本当の私らしさを教えてくれた」に参加してきました。

 

まず、ほとんどの人は上の1文に「は? デンマーク式対話型? フォルケホイスコーレ??」ってなりますよね。

私なりの言葉でフォルケホイスコーレを説明すると(デンマーク式対話型は後ほど)、デンマークを中心に北欧に広がる成人向けの寄宿制学校で、教科を学ぶだけではなく対話を通じて自分らしい生きかたを学ぶ学校です。

そして、デンマークのフォルケ(長いので、ここからフォルケと略します)は、デンマーク国籍やEU圏内以外の人でも入学でき、その費用の7割程度をデンマーク政府がサポートしてくれるのです(EU圏内の人は完全無償らしい)。

 

もっと詳しくフォルケのことを知りたい方は、下記のWikipediaへのリンクと、EPOCH MAKERSの記事がおすすめです:

 

初めてのデンマーク視察旅行から帰ってきて一月半経ちましたが、デンマークで暮らしたいという気持ちはまったく衰えません。むしろ情報収集やデンマークとつながりの深い人たちとの対話を通じて、決意は強くなるばかりです。

そんな私に、フォルケホイスコーレは、デンマーク暮らしを実現させる魅力的な選択肢の一つに見えるのです。

そんなわけで、フォルケ卒業者(って言い方がふさわしいのかな?)の小田さんと渡邊さん、そしてこれからフォルケに行く岡安さんのお話を聞いてきました。

 

そうそう。<デンマーク式対話型>というのは、その場を共にしている人たちみんなが自分の意見や感想を伝えあうことができる一方的なものではないということだというのが私の意見です。

ちょっとユニークなミニワークを挟むこと、小さなグループを作り全員が発言できる時間を持つこと、そうした工夫で〈インタラクション多め〉で〈ヒュッゲ感高め〉の時間をみんなで作ることができますよね。

ついでに<ヒュッゲ>の私の理解も。「誰かのよい時間を持つ権利を尊重すべきだし、当然私自身のよい時間を持つ権利も尊重されるべきだ」という感覚をベースに、「誰もが共有する場や時間に対する共同所有者である」という姿勢から浮かび上がってくる空気、というのが私にとっての今のヒュッゲです。

 

きっと近いうちに主催メディア/コミュニティーのEPOCH MAKERSがオフィシャルのイベントレポートを公開すると思うので、私は印象が強かったことや言葉をメモランダムとして残しておこうと思います。

 

 

■ アイスブレイク

オープニングで配られたカードの絵に自らタイトルをつけ、タイトルのあいうえお順に参加者同士だけで協力しあって並び直し、5人1組のグループになったらカードを絡めて自己紹介をするというアイスブレイクは、とても洗練されたものでした。

あのオープニングのおかげで、「傍観者モードやーめた」って気持ちになりました。

 

■ 小田 楓さん

「自立は個性か、教育か」はとてもパワフルな問いで、いろいろと考えさせられました。

日本とデンマークのハーフの女の子が「自由記述」の宿題に面したとき、デンマーク語ではスラスラと書けるのに、日本語では書けなくなってしまった。それは日本語の教科書には、いつも明確な答えが含まれているものだったから…。という小田さんが勉強を教えていた子のエピソードは、腹にドスンときました。

自立は…個性と教育の掛け算なんだろうな。いつも互いに影響を与え合って揺れ動いている掛け算。

 

■ 渡邊 小百合さん

自分の思う自身の普通の部分と普通じゃないと思う部分を書き出し、それぞれをシェアするミニワークショップがおもしろかったです。

「家族や配偶者を守りたい」とか「健康を大切にしている」とか、誰もが大事だと思う普通もある一方で、立場や属性から引き出された「常識っぽく聞こえる普通」が、実際には誰かにとって単に都合の良いってだけだったり、なんとなくそういうものだと思い込んでただけ…なんてこともありますよね。

 

私はこの日、たまたま「まったく同じ6つのレゴブロックで200人がアヒルを作る」という別イベントのミニワークに居合わせたのですが、200のアヒルには一つとして同じものがありませんでした。

人がイメージするものって、本来はそれくらい違うものですよね。

 

■ 岡安 夏来さん

アパレルメーカーの会社員生活を3年続けながら、どうにか時間をやりくりして年に2回はデンマークに通っていたという岡安さん。会社でもデンマークラブをいつも熱く語り、仕事も楽しんでいたそうです。

そんな状況だったら、何も、今持っているものを急いですぐ手放す必要はないですよね。私も先日、日本と北欧をつなぐビジネスをしている方に、「暮らしたいっていうのも分かるけど、何度も繰り返して行く、その機会を増やして行くっていうアプローチも考えてみたら?」と言われ、深く納得しました。

 

そんな岡安さんの言葉でとても響いたのが、「ギャップイヤー(年)を手にするのは難しくても、ギャップマンス(月)なら、ウィーク(週)ならデイ(日)ならアワー(時)なら?」というもの。

一般的には、社会に出る前に自分自身をもっとよく知るための1年という捉え方をされるギャップイヤーですが、何も社会に出る前である必要なんてどこにもないですよね。ましてや、人生100年時代と言われる今、どんなタイミングでどんなギャップイヤーを、あるいはギャップマンスを設定するかはとても重要じゃないかと思います。

 

さらには、その目的が自分自身をもっとよく知ることや、もっと自分自身であろうとするものであるなら、日常の中のマインドフルな時間であったり、没頭できるアートなどの定期的な活動などで手にするのもとてもデンマーク的な気がします。

 

 

フォルケやデンマークというキーワードの持つ磁力を、3人のスピーカーの心の入った丁寧なトークファシリテーションがさらに強めていました。

そしてグループワークや懇親会でお話しさせていただいた方々も、みんながあの場と時間を一緒に所有していたなって思える、とてもステキな時間でした。

 

Happy Collaboration!

 

世界一幸せな国の世界一オルタナティブな男 – WORK MILLイベントレポート

オリジナルはこちら(2018/3/29)

 

昨夜、WORK MILL 第2号 『THE DANISH WAY – デンマーク 「働く」のユートピアを求めて』の発売記念イベントに参加してきました。

 

COVER STORYの<オルタナティブの希望>やCOLUMNの<クリスチャニア 「自由と寛容」の源流を訪ねて>、SPECIAL TALKの大本さんと遅野井さんの対談などしかまだ読み終えていないのですが、これだけでも間違いなくデンマークという国とその文化に興味を持つ人に、大きな価値をもたらす一冊だと確信しました。

 

この後で[WORK][LEARNING][LIFE]と言う3つの視点からまとめられた特集記事を読むのが、すごく楽しみです。

先月、自分も初のデンマーク訪問で見た景色や感じたことが、くっきりと蘇ってきそうです。

そして、まだ訪れていない場所に行き、いろいろな人たちと対話できるように、次のデンマーク訪問機会をなんとか生み出さなければという強い気持ちが湧いてきます。

 

そう。今私は、どうすればもっとデンマークと近い関係を築けるかを模索しています。もっと深くデンマークの魅力の秘密に迫りたいのです。

そのために、しばらくデンマークで暮らしてみたいなと考えています。急ぎ過ぎず急ぎ、のんびりし過ぎずのんびりと。

 

そんな想いを改めて強くさせられたのが、昨夜のイベントの〈ミスター・オルタナティブ〉(と今、私が勝手に名付けました)ウッフェ・エルベックさんの話でした。

 

 

ウッフェさんをものすごく短く紹介すると、以下のようになります(WORK MILL 第2号より引用)。

 

1954年生まれ。政党「The Alternative」代表、ユースムーブメント「The Frontrunners」、ビジネススクール「KAOSPILOT」、コンサル企業「Change the Game」を立ち上げたのち、2011年に正解に進出。13年11月より現職。

 

この文章から、皆さんはどんな人物を想像しますか? 正直に言うと、私は、エスタブリッシュ寄りの自分とは違う世界を見ている人をイメージしてしまいます。あるいは、ちょっとギラギラした「やり手のおっさん」というか。

いずれにしろ、私には「興味深いけど魅力はさほど感じない」経歴に読めるのです。

 

ところが! ウッフェさんの話は、どこを切り取っても想像の遥か斜め上を常に行っていました。

また、トークの進め方も、彼独自の世界観を感じさせる直球的なインタラクションが多く、とても刺激的でした。

 

WORK MILL紙面の5ページにわたるカバーストーリーは、ある意味昨夜のトークのダイジェスト版的なものなので、ぜひそちらを読んでもらいたいのですが、ここでは、本には収められていないものの(と言っても、まだ読み終えていないのでどこかに書かれているのかも?)私にとって大きな衝撃だった話をいくつか紹介します。

 

 

1968年、14歳。「まあ聞いてみろよ」と学校の友人がレコードに針を落とした。
その唄声が始まりだった。彼女の名はジャニス・ジョプリン

 

80年代後半。ソ連ゴルバチョフ体制になったもののまだあのソ連で、ベルリンには東西を隔てる壁があった。私たちは男3人でつるんでバーにいた。そこにとてもチャーミングな若い女性がやってきて「来年、ソ連赤の広場に侵攻してロックコンサートをやろうよ」と言ってきた。
聞けば、お金も計画もないという。私は乗った、即答だ。
そして翌年、赤の広場というわけにはいかなかったが、コンサートは大成功を収めた。

参考: モスクワ・ミュージック・ピース・フェスティバル

 

今、デンマークでも、エスタブリッシュメントたちは「もっと効率性とスピードを上げなければ」と言っている。でも、世界経済はずっと右肩あがりに来ているのかもしれないけど、僕らの生活は、幸福感は、80年代の頃からずっと横ばいのままだ。
もういい加減、文化や社会や環境を取り込んだ新しい「成長」の定義を作る頃合いだとは思わないかい?

 

24時間365日ずっと幸福を感じられるなんてことはないさ。それはナイーブ過ぎる。
でも、「自分の人生にインパクトを与えられるのは他でもない自分自身だ」と感じられて、自由への想いやそれを味わう喜びを分かち合える場を持てることが重要なんだ。すべての人たちが皆、意義を感じながら行きていける社会を私は作りたいんだ。

 

 

イベント終了後、たくさんの人に取り囲まれているウッフェさんに、「一つだけ短い質問をさせて」とお願いして聞いてみました。

「私も14歳でジャニスに出会い、それで人生が変わりました。今でもジャニスはスペシャルですか?」

ビッグ・スマイルで「Yeah!」と言って、私の胸をドンと叩いてくれました。

 

ありがとうウッフェさん。

Happy Collaboration!

 

SDGsとエナジャイザー – 欲しくて欲しくてたまらないもの

オリジナルはこちら(2018/3/28)

 

SDGs * に関して意見を求められたり、対話をしたりすることが最近また増えてきました。

 *  持続可能な開発目標 / SDGs (Wikipedeia)

 

一つの理由は、先日SDGsの17の目標が描かれたシールをいただき、その写真をFacebookにアップしたことかもしれません。

(ちなみに、2018年の1月1日付けで、SDGsアイコンの一部が改定されています。下の写真に写っているアイコンは改定前のものですね。)

 

 

 

対話のテーマとなるのは、主に以下の2つです:

  1. SDGsをもっとちゃんと理解してもらうためには、どうしたらいいか何が必要か?
  2. 最近のSDGsって、商魂逞しい人たちにうまいこと利用されている感じでなんだかちょっと…

 

ある意味、ものすごく両極端です。

でも、どちらも実態を踏まえている話だと思いますし、どちらも重要な話だと思います。

 

以下がそれぞれへの現段階での私の答えです:

  1. 17の目標の言葉だけを見るのではなく、1つ1つにおかれた下位目標(ターゲット)を見て、自分の興味範囲や関連とのつながりを見つけ、自分のメインエリアを決めてもらう。
  2. SDGsって書いておくと社内予算が取りやすい」とか「SDGsはメディアに取り上げられりゃすい」とか、そういう商魂の逞しさも、包括的に見て意味や価値を台無しにしてしまうものじゃなければ、活用して良いのではないか。

 

細かく言えばもっといろいろありますが、だいたいこういう風に思っています。

(とは言え、2についてはこう書きながらも自分自身まだ揺れ動く気持ちを持っています。それでも、大局的に見て小さな部分やグレーな部分に引きづられない大きなデザインが必要なんだろうって感じています。)

 

そして自分でも、1の<17の目標の言葉だけを見るのではなく、1つ1つにおかれた下位目標(ターゲット)を見て、自分の興味範囲や関連とのつながりを見つけ、自分のメインエリアを決めてもらう>について、改めてやってみました。

実は、169の下位目標には、日々の生活とか日常の範囲からかなり遠いものや言葉も多くて、<見よう!>と強く意識しなければなかなか頭に入ってこないんですよね…。

とは言え、ここを見ないままキャッチコピー的に書かれている17の言葉だけしか見ないでいると、問題を正しく掴めないんじゃないかな?

 

ということで、以下、私のメインエリアと、その中心となる下位目標です。

 

目標16:平和と公正をすべての人に

* 16.b 持続可能な開発のための非差別的な法規及び政策を推進し、実施する。

 

目標10:人や国の不平等をなくそう

* 10.2 2030年までに、年齢、性別、障害、人種、民族、出自、宗教、あるいは経済的地位その他の状況に関わりなく、すべての人々の能力強化及び社会的、経済的及び政治的な包含を促進する。

 

目標12:つくる責任つかう責任

* 12.8 2030年までに、人々があらゆる場所において、持続可能な開発及び自然と調和したライフスタイルに関する情報と意識を持つようにする。

 

目標4:質の高い教育をみんなに

* 4.3 2030年までに、すべての人々が男女の区別なく、手の届く質の高い技術教育・職業教育及び大学を含む高等教育への平等なアクセスを得られるようにする。

 

 

自分がこれまでやってきたことやこれからやりたいと思っていること、きっとやれると思っていることをもう一度見つめた結果です。

私が昔からずっと欲しがり続けてきたものは、すべての人が自分らしくいることができる社会です。すごく欲しくて欲しくてたまらない。

 


 

皆さんも、自分は何を日常の中で大切にしたいか、あるいは何に気持ちをおきたいかしたいかを、考えてみませんか?

 

参考までに、昨年7月にSDGsの目標達成状況についてのレポートが発表されていて、157カ国の順位や目標別の達成度合いが発表されています。

ベスト3は上からスウェーデンデンマークフィンランドで、日本は11位だそうです。
そして日本の達成度合いが高いものは<目標4:質の高い教育をみんなに><目標8:働きがいも経済成長も><目標9:産業と技術革新をつくろう>だそうです。どうですかちょっと意外なところある気がしませんか?

そして逆に低いものは…。高いところと合わせて、下記のページで詳しめに解説されているので読んでみてください。

SDGsの日本の目標達成状況とこれから

 

 

最後にお知らせを。

先日、そのビジョンにとても共感している会社「エンゲージメント・ファースト」のChief Engagement Energizer(チーフ・エンゲージメント・エネジャイザー)に就任しました。

錚々たる顔ぶれに混ざって、私も自分のコミットするSDGsと共に掲載していただきました。

 

SDGsとソーシャルグッドなマーケティングについて、ぜひ対話し、一緒に考えていきましょう!

Happy Collaboration! 

 

文化のデザインとは未来のデザイン。未来のデザインとは文化のデザイン。

オリジナルはこちら(2018/3/10)

 

デンマークでの学びを言語化しようシリーズ第5弾です。この形式で書くのは今回が最後となります。

前回はこちら: 信用と付加価値と共創 — デンマークのデザイン

 

帰国前日の実質的な最終日に、世界中から注目を集めているコペンハーゲンのフューチャーデザイン・カンパニー<Bespoke(ビスポーク)社>のかっこいい新オフィスで、フューチャー・デザイン・ワークショップに参加しました。

私はワークショップやフューチャーセッションと呼ばれるものがけっこう好きで、日本でもときどき参加しているのですが、今回のセッションではこれまでの日本でのセッション参加経験と1週間のデンマークの体験が融合するような、そんな感覚を強く覚えました。

 

Bespoke社は、多数の未来デザイン・ワークショップのフォーマットを持っているそうなのですが、この日は下記のフューチャー・キャンバスを中心に実施していきました。

 

 

大まかな流れはこんな感じです。

 

  • チェックイン(ポップコーン方式)
  • インスピレーション・デッキの記入と選抜
  • チャレンジと強みと関係者の洗い出しと選抜
  • つくりたい未来を表すステートメントとタグラインの作成
  • レゴを使ったつくりたい未来のビジュアル化
  • つくりたい未来からバックキャスティングした中・長期、短期、今日のアクション設定
  • チェックアウト(ポップコーン方式)

 

言葉だけではどんな感じか掴みづらいと思いますが。それでもなんとなくはイメージできますよね?

大きなプロジェクトでは、それぞれのフェーズや事前調査にもっと時間をかけるものらしいのですが、この日はぎゅっと凝縮して実施していただきました。

でも、ファシリテーターのモアさんの「デンマークでの気づきをインスピレーション・デッキに反映させましょう」という言葉で、むしろ少ない調査時間を逆手に取り、デンマーク視察旅行の集大成となる未来が描けた気がしました。

 

 

セッション最後のチェックアウト(ポップコーン方式)では、再びレゴを使用しました。

(ポップコーン方式とは順番を決めず、思いついた人がランダムにスタートするやり方です。あちこちからポンポンと手が上がる感じが「ポップコーン」っぽいですよね。)

「ブロックは一人5つだけ」という縛りのある中で、全員が今日一日を振り返る何かを作り、それをみんなに発表していくというものです。

 

私がチェックアウトで話したのは、こんなことでした。

 

旅の最後にこのワークショップができて本当に良かったです。

それは今日だけではなくて、私たちみんなの1週間のデンマークでの体験がここにギュッと凝縮されていて、それをみんなで分かち合えたから。いろんな印象や体験が未来にどうつながっていくのか、どんな意味を持つのか、その可能性をワークショップを通じて強く感じることができたから。

私がレゴで作ったのは、原っぱとかに行く知らないうちに洋服にくっついている<ひっつき草>みたいな、そんなものです。

今回の旅で感じたことを、忘れたくないから。体のあちこちにくっつけて帰りたいから。チェックアウト。

 

 

デンマークでの学びシリーズを、Bespoke社のメンバーがワークショップの中で語った言葉やストーリーの中から、私にとって印象的だったものでおしまいにしようと思います。

 

19世紀のニューヨークに、さまざまな分野のスペシャリストが集められ、ニューヨークの100年後についてを議論する未来会議が開かれた。

そこで出された結論は、<100年後のニューヨークは都市としては終わっているだろう>というものだった。人口とそれに伴う馬車の急増を計算すると、馬糞の処理がまったく追いつかないからだ。

— 今起きている事象や存在しているデータだけに頼って未来を予測してはならない。

未来をみんなで描きだすときに、どちらがあってるも間違っているも、正解も不正解もありません。だからこそ対話がより重要となるのです。

個人の意識や理解を共通の意識や理解に、個人の直感を共通の直感としていくことが重要なんです。そこで共同オーナーシップの感覚が生まれ育っていくのです。

私たちは依頼者と受託者という関係性で仕事を捉えないようにしています。私たちは、共に未来を作り出す共同クリエイターであり共同デザイナーです。

未来をデザインするとき大切なのは、意思を持って、ポジティブな方向へと舵を切ることです。

悲劇的なデータや現象に引きづられ、ともすると悲観的になったり明るい姿を描き出すのが難し過ぎると感じるかもしれません。それでも、トレーニングをして、ポジティブに未来を見られるようにならなくてはいけない。

なぜなら、未来は過去の延長線上にあるわけではないから。意志を持って選ぶ現在の先にあるもの、それが未来です。

 

 

そのうち「書け書け!」って、連れて帰ってきた<ひっつき草>が大声で言いだすかも?

その時はまた。

 

ハイハイ。

Happy Collaboration!

 

信用と付加価値と共創 — デンマークのデザイン

オリジナルはこちら(2018/3/8)

 

デンマークでの学びを言語化しようシリーズ第4弾です。

前回はこちら: 一人じゃ学びも限定的だし、ヒュッゲも味わえやしない

 

コペンハーゲンでは、コントラプンクト(Kontrapunkt Design House)という国際的なデザイン / ブランディング・エージェンシーを訪ね、その哲学や最近のワークなどについて数時間にわたり話を聞かせていただき、ディスカッションなどもさせてもらいました。

 

 

上のビデオは、石油やガスといった旧来のエネルギーから100パーセントグリーン・エネルギー企業へと大きく舵を切り、ビジネス・モデルから社名に至るまでを変革したエルステッド社の事例です。

その変革にまつわるコミュニケーションやブランディングを、コントラプンクト社が一手に引き受けています。

 

参考: 【デンマーク】国営DONG Energy、エルステッドに社名変更。石油ガス事業の全売却完了

 

お昼を挟んでのコントラプンクト社訪問だったのですが、お昼には出来立ての温かいビュッフェ・ランチをオフィスでご馳走になりました。

コペンハーゲンでは、ある程度の規模の企業は、専任のコックさんを雇って社内でみんなでランチを食べるようにすることが多いそうです。狙いは、異なるチームや部門の社員の対話を誘発するためだとか。ステキですよね!

 

 

ランチを食べながら話している時、コントラプンクト創業者のBoさんが話された言葉がとても印象的でした。

「デザインやビジョンという付加価値を高めなければ競争力を持てない。そしてモノやサービスがあふれる世界においては、デザインとそれを通じた体験こそがブランド価値を左右するものだ」

 

この言葉は、私にロラン島初日の義務教育学校で聞いた先生の言葉を思い出させました。

「希少価値の高い自然資源を持たないデンマークのような国では、人間そのものが資本です。みんなのクリエイティブな力を存分に発揮してもらえるよう、子どもの頃からの教育こそが重要なのです」

 

そしてまた、ロラン島2日目に訪れたヴィジュアル気候センターの「ミスター・エネルギー」ことレオさんが語った言葉も。

「人々がエネルギーや資源に限りがあることを体感するようになった今、重要視されるのは値段よりも信用であり信頼です。安定した質を担保し提供し続けられる相手かどうかが、取引を左右するものとなるのです」

 

旅の最初のテーマである教育とエネルギーが、デザインと働きかたの話と強くリンクしていることを感じずには入られませんでした。

 

 

ここからいくつか、私が通訳をしていて印象的だった、コントラプンクトが大切にしている哲学に関するキーワードとエッセンスを書いておきます。

 

本物のブランド(Genuine Brand)の条件

秘密志向から透明志向へ

都合のよい情報だけではなく、あらゆる情報を出す。

情報を公開していないということは、何かを隠そうとしているのではないかと疑われるきっかけを作っているということ。そして積極的に情報を開示するだけではなく、質問を歓迎しなければいけない。

 

主張から評判へ

ミレニアル世代の3/4以上が、自分たちの考え方やスタイルを理解し、同じ方向に歩もうとしてくれる企業や団体と長期的な信頼関係を築きたいと思っている。3カ月おきにメッセージとクリエイティブを変え大量に広告をうつという戦略で、企業は信頼を築けるのか?

そして、企業が口先だけの行動を取れば、それはあっという間に評判となる。

 

機械的から人間的へ

どんな価値観を持っているのか。その価値観に見合うどんな活動をしているのか。その活動にどのくらい熱心か。言ったことを守っているのか。

それらを主張して知ってもらうだけではなく、そこに人間性を感じてもらい共感を得て語られるストーリーとなっていなければならない。

 

本物のブランドは会社を表す

会社を表す、とは、会社のレガシー(過去)と、価値観と約束(未来)と、そして今そこで働く社員(現在)を描き出すこと。
だから、私たちはそこで働くあらゆるタイプの社員たちにインタビューをする。

 

次回は最終日の様子を。

ここまでにいろんな体験や言葉を胸に、未来デザインワークショップに参加します。

Happy Collaboration! 

 

一人じゃ学びも限定的だし、ヒュッゲも味わえやしない

オリジナルは こちら(2018/3/6)

 

デンマークでの学びを言語化しようシリーズ第3弾です。

前回はこちら: Noを突きつけろ – クリエイティビティーもポジティブさも後天性

 

時は戻ってロラン島1日目。

森の幼稚園で子どもたちの様子に強い衝撃を受けた後、私たちはデンマークで最大のオーガニックファーム<クヌセンルン>を訪問して最高に美味しい肉とチーズのランチをいただき、それからこの農場を全面有機栽培へと大変身させたオーナーのスザンヌさんの案内で広大な農場を視察させていただきました。

 

 

4代目オーナーのスザンヌさんの話はとても本質的かつホリスティックで、その<農場経営>に対するアプローチが、<都市と地方の関係>、<持続可能性と商取引>、<効率性と競争>などさまざまな社会課題に包含的に答えるものとなっていることに驚きました。

ただ、この後、旅のあちこちで「ホリスティックな視点」を感じる機会があり、おそらくそれがデンマーク社会の特徴なのかもしれません。

 

すべてを循環させて廃棄物を極小化し、丁寧なプロセスで高価さに納得がいく体験を与え、人々が憧れる場づくりをして雇用も生みだす。

— このクヌセンルンのやり方は、国際的なビジネスの一線を歩き続けてきたスザンヌさんが、実際に農場を継ぐと決心するまでの10数年の間考え続けてきた結果だそうです。

 

古くからある農業にイノベーションを取り入れ、大きな付加価値を生みだす流れを作りあげたスザンヌさんには、まだまだたくさんのアイデアがあるようです。

すでに一部の商品は日本にも輸入されているようですが、これからきっと、クヌセンルンの商品だけではなくアプローチ自体も日本に広まっていきそうな気がします。

 

 

牧場の動物たちやどこか芸術的な製粉工場を後にし、0年生から9年生までの生徒たちが勉強する、日本の小学校と中学校を足したような公立の義務教育学校を訪問しました。

義務教育学校では、見学の受け入れをしてくれた先生との90分ほどの対話と、それから7年生の授業を見学させてもらいました。

 

幼稚園で十分ショックを受けていたとはいえ、義務教育学校でもたくさんの衝撃を受けました。

ここでは、私の心に一番強く残った先生との会話と、7年生の生徒の言葉をそれぞれ1つずつ紹介します。

 

「先生に質問です。デンマークの学校では民主主義をもっとも大切なものとして教えているとのことですが、民主主義とは具体的にどんなことなのでしょうか。何を意味しているのでしょうか?」

「民主主義とは、全員が平等であるということです。先生と生徒は対等だし、先生の意見も子どもたちの意見も同じように尊重されなくてはなりません。それが、デンマーク人が小さな頃から教えられ、大切に実践してきている民主主義です」

 

「学校での勉強は大好きだよ。教科書を読んで一人で勉強するのもありだけど、それじゃ一つの学び方しかできないからね。同じものを読んでも、教室で友だちやグループでそれをどう受け取るかについて対話をすることで、違う見方を学べるだろ」

「グループワークだと、それぞれみんな得意なところが違うから、組み合わせたりしてもっといいものにすることができる。苦手なところも助けてもらえる。これが学校のいいところさ」

 

 

その晩、コペンハーゲンからの移動を含めロラン島での移動をすべてサポートしてもらっているドライバーのアネーテさん(5人の子どもとすでにお孫さんもいるという40代のお母さんで、とっても良い人でした!)と、ツアーアレンジをしていただいたニールセンさんと、私たちは9人でレストランに行き、見たものや体験したものをみんなでシェアしました。

とてもリラックスしつつも、でも少し日中の興奮を引きずって我も我もと夢中に話す私たちの間に、笑顔のアネーテさんが何度も「スコール」というデンマーク語の乾杯の言葉で割り込んできました。

その度に、なんだかとても微笑ましくて優しい、なんとも言えない気分に…。

 

積極的に感じの良い時間を生みだし、一緒にそれを味わおうとする心の持ち方が、その場のみんなにシンクロするのを感じる暖かい気持ち。

たかだか一週間デンマークにいただけの私が書くことでは、正直ないのでしょう。でも、なんだか、あれがヒュッゲなのかなって…。

あっているのかどうかは知らないけど、私にとってのヒュッゲはもう決まりです。

 

 

アネーテさんに、今日7年生に聞いた言葉を伝えると「いいこと言うじゃないその子。でもまったくその通りよね」と答えていました。

その後一つ、質問をしてみました。

 

「アネーテさん、デンマークの職場では、社員同士とか同僚の間での競争ってあんまりないのかな?」

「競争? ないわよ。同じ仲間同士だからね」

「でも、同期の中で、自分の方が優れていることを証明しようとする人だっているでしょ?」

「そうね。100人いれば2,3人はそんな人もいるわね。でも、そういう人はできるだけ早く排除されるのよ。だって、その人たちのせいでものすごく非効率的になるから。助け合う方がよっぽど効率的だわ」

 

たくさんの人に聞いて回ったわけではないけれど、<競争よりも助け合い>と言うキーワードも旅の間に何度か耳にしました。

その最初がこの日のアネーテさんでした。

 

Happy Collaboration!