『下り坂をそろそろと下る』を読みました - 嫌韓と新幹線と標準
オリジナルはこちら(2016/6/17)
この本、平田さんの「四国論」であり、「日本論」であり、「司馬遼太郎論」でもあるのです。
— 『琥珀色の戯言』 : [本]【読書感想】下り坂をそろそろと下る より
『下り坂をそろそろと下る』というすばらしい本を読み終え、紹介ブログを書こうと思って皆がどんなことを書いているのかとググッてみたところ、最初に目に付いたのが上の一節でした。
一冊全体の要所要所がバランスよく捉えられていて、本の骨子はこのブログを読めば分かります。そして実際に、この読書感想を読んで本を購入したりAmazonのサイトに遷移している人も多いようです。
ただ、私個人としての「ここが一番おもしろい!」と感じたところは、『琥珀色の戯言』以外の読書感想ブログをざっと見ても、あまり取り上げられていないようでした。
それが『第五章 寂しさと向き合う–東アジア・ソウル、北京』です。
この良書が少しでも多くの人に興味を持ってもらえるように、私にとってのハイライトである第五章から数箇所ピックアップし、思ったことなどをコメントします。
ヘル朝鮮
いまの日韓のぎくしゃくとした関係は、下り坂を危なっかしく下りている日本と、これから下りなければならない下り坂の急勾配に足がすくんでいる韓国の、そ のどちらもが抱える同根の問題を、どちらも無いことのように振る舞って強がりながら、国を賭けてのチキンレースをしているようにしか見えない。
そしてその傍らには、青息吐息になりながらも、猛スピードで急坂を登っていく中国という巨人がいる。問題は一筋縄では解けないだろう
日韓ワールドカップ実行委員会の理事でもあった著者が、ベスト4になったヒディング率いる韓国への嫉妬が席巻したネット論調などを交え、さらにはここ30年の日韓関係の流れや「韓流ブームの反動」などを踏まえて書いた言葉です。
そして「ぎくしゃくとした関係」の背後には、「人は誰でも自分に都合のいい情報を集めがち」というバーナム効果に下支えされた「確証バイアス」が横たわっていることと、ここ数年の嫌韓・嫌中ブームの不気味な広がりにインターネットが強く関与しているだろうと書かれています。
私はインターネットのポジティブサイドを信じている一人ですが、残念ながら、これは著者の言うとりで、今のネットが抱えているダークサイドの象徴的な現象だと感じています。
安全とは何か
新幹線は、絶対に事故が起きないことを前提にして制度設計がなされている(…)新幹線の運行実績は素晴らしいが、 しかし、事故はいつか起こるのだ。そして、もし事故が起こったとき、新幹線のそれは、相当に壮絶なものになるどうことは想像に難くない。欧米のライバル企 業は、高速鉄道の売り込みに当たって、当然、ここのところを突いてくるだろう。
「だって、原発は事故を引き起こしたじゃないですか」
世界最高峰の技術の結晶とも呼べる日本の新幹線が、なぜ「売れない」のか。なぜ海外への輸出が続々と決まらないのか。
一見分かりやすい論理的な回答だけではなく、文化的な要素からの分析がなされています。
一分の遅れに苦情が来る日本特有の「文化」の上に確立された、驚異的な(あるいはバカげた?)定時運行能力を、「時間通りのほうがいいに決まってい る」と疑わないのは一種の判断停止だとも書かれていて、その「文化」の下に押しつぶされている人々の忍耐や相互監視が私の頭には浮かびました。
そして最近、私は鉄道という公共交通機関が、ゆるやかに破綻に向かっているんじゃないかとぼんやり考えています。
文明の味気なさに耐える
1. 自国の文化を愛し、それを標準として他者にも強要してしまう人
2. 自国の文化を愛しつつも、それが他の文化にとっては標準とはならないことを知って、適切に振る舞える人
3. 自国の文化に違和感を感じ、それを強制されることに居心地の悪い思いをしている人。あるいは、自国の文化に自信を持てずに、他国の文化を無条件に崇拝してしまう人
4. 自国の文化に違和感を感じても、それを相対化し、どうにか折り合いをつけて生きていける人
2と4を増やすのが異文化理解であり、相互交流であると書かれています。
私たちはなぜ『自分たちの標準とするものが、世界の標準であるとは限らない』–この実に当たり前のことを頻繁に忘れてしまうのでしょうか。
それはおそらく、「自分たちの標準外」に触れる機会が圧倒的に不足しているからだと私は思います。
そしてその理由は、自らが標準外に触れる機会を避けているから。あるいはすぐ近くにあるにも関わらず、標準外を見ていないかのように、あるいはそこに存在していないかのように振る舞い続けているからではないでしょうか。
負けてからが強いフランス。オランダの狡猾さ。スイスの堅守。ベルギーの柔軟性。
これらは他国や他民族との戦争に勝ったり負けたりしながら身に付けていったものだろう、そして日本に戦争に負けた経験が少ないが故に…とも書かれています。
もちろん、今から戦争経験を積むなんて馬鹿げた話はするつもりはありませんが、日常生活のなかで「自分たちの標準外」と穏やかながらもきちんと「摩擦」を生じることが大切な気がします。
無視する、舌打ちする、眉を寄せる、それでお終いにするのではなく、なぜそう感じるのかを自問して、ときに相手にきちんと要求して、少なくとも自分自身の標準を拡げていくことが第一歩だという気がします。
もし、一冊丸々読む時間がなければ、第五章の40ページだけでも読んでみることをおススメします。
第五章 寂しさと向き合う――東アジア・ソウル、北京
『新・冒険王』/日韓ワールドカップと嫌韓の始まり/インターネットという空間/確証バイアス/韓国の病/ヘル朝鮮/北京へ/文明と文化の違い/新幹線はなぜ売れないのか/文明の味気なさに耐える/安全とは何か/零戦のこと/最大の中堅国家/安倍政権とは何か/二つの誤謬
Happy Collaboration!
無意識のバイアス研修に参加しました - ダメパチ撲滅協力のお願い
オリジナルはこちら: 2016/5/12 Pachi – the Collaboration Energizer
昨日、I
「無意識
このブロ
サラッと
まず、私
加えて、
そして、
一番の理
次に、世
まあ、そ
さて、そ
というよ
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「偏見」
結局、日
要するに
経験から
受講した
なんだか
研修の後
どうやら
- 「バイアスの盲点」 - 他人のバ
イアスは 認識でき るのに、 自分自身 の同じバ イアスを 認識でき ない
- 「確証バイアス」 - 自分のバ
イアスを 裏付ける ような都 合のよい 情報ばか りを集め 、それを ベースに 解釈する 傾 向
うん、そ
そして具
職場にお
実は、自
ただ、そ
そんなわ
皆さん、
自分の「
地位の高 い個人」 に対する バイアス をオープ ンにして 、それが 現れてい るときに は遠慮な く忠告し てもらう ようにソ ーシャル に依頼す る : 地位の高
い個人に 対して、 蔑んだり 疑いの眼 差しを向 けている パチを見 かけたら 、あるい は、地位 の高い人 を不当に 低く評価 したり厳 しい言葉 で表して いたら、 遠慮なく 「バイア スに囚わ れている ダメパチ になって いるよ」 と忠告し てもら う
最後に、
研修関連
- Micr
osof t - eLes son: Unc onsc ious Bia s
- Unco
nsci ous Bias @ W ork | Go ogle Ven ture s
- Sale
sfor ce - 無意識 の偏見の 影 響
過去エントリー
- 『異文化理解力』読書メモ: 日本と中国とアメリカとドイツ
- 進化心理
学と行動 する偽善 者(『だ まされ上 手が生き 残る 入門! 進化心理学』読書メモ)
- 脱! 負
のスパイ ラル - 『「期 待」の科 学 悪い 予感はな ぜ当たる のか』を 読みまし た
Happy Collaboraton!
新入社員向け社内ソーシャル研修から
オリジナルはこちら(2016/5/9)
社内ソー
ただ、イ
私は、6
参考: 2014
ただ、先
「これが
(なお、
(オリジ
集合研修は1時間です(短すぎる? 理由は後ほど)。
前半は「
上の図は
この図と
誤解され
「ツール
そして集
新卒社員
わざわざ
そんなわ
こうする
ただ、こ
ベーシッ
こちらは
以前に、
・ ソーシャ
ル・ビジ ネスの実 践とは、 評判を築 き影響力 を高めて いくこと である 。 多様な仲
間とのコ ラボレー ションや 彼らの参 加やフィ ードバッ クがより 大きな意 義を持つ よう、自 身や関与 するプロ ジェクト の評判や 影響力を 高め、そ こからポ ジティブ な結果を 導き出す ことであ る 。
・ ソーシャ
自身の仕ル・ビジ ネスの実 践とは、 自身の仕 事内容を オープン にするこ とである 。 事を周囲 から見え るように して、有 用な情報 へアクセ スできる ようにし 、率直な フィード バックを 求め、そ れを活か してより 良いアウ トプット を生みだ しそれを オープン に共有す ることで ある 。
新入社員
ナレッジ
そういう
もう一つ
見えるの
実績を積
とりわけ
どんなに
だからこ
すっかり長くなりました。
研修の後
もし、「
Happy Collaboration!
ダイバーシティーが育たない本質はそういうことなんじゃないかな
オリジナルはこちら(2016/5/2)
ダイバー シティの 本質はそ ういうこ とじゃな いんじゃ ないか な
ネット上
縁あって
でもその
■ 「日本人の美徳」 - 材料はな んでもO K。圧力 鍋で簡単 クッキン グ !
「これぐ
らいはや って当然 だろう」 という暗 黙の話な どもあり ません。 おもんば かるに近 いのです が日本人 の「相手 を優先し 思いや る」とい う感覚は ある意味 美しいの ですが、 仕事にお いては鏡 の法則が 発動され 、「これ ぐらいや ってくれ て当然」 という空 気を作っ てしまう こともよ くありま す。そう いう変な 「深読み 」は必要 ありませ んのでシ ンプルで す 。
(
勤勉性だ
でも、こ
- 大きく異
なる文化 や相容れ ない習慣 に直面す る機会が 少ないた め、人々 の考え方 や行動様 式がどん どんと似 通ってい く。
- たまに異
質な行動 や意見が 出てきて も「周囲 と同調し て、目上 の人に言 われた通 りに従え るのが美 徳」と子 どもの頃 から周囲 の大人や 教師に教 え込まれ る。
- 個性より
も均一性 が重視さ れる中で 、「お約 束」の思 考・行動 パターン が良しと され、さ らに均一 性と同調 圧力が高 まってい く…… 。
なんだか
本当に、
多くの人
勤勉性の
■ あかあおきいろ、まるしかくさんかく - 自分の「無意識」を疑う
「すべて
の事が多 様で違い がある事 が当然」 と考える ことが重 要だと思 います。 すべての 人が、世 界のコミ ュニティ の「一部 」にすぎ ず、マジ ョリティ などいま せん。
それは国籍の違 い、人種 、性別の 違いだけ ではあり ません。 人間は、 すべての 要素が違 っていて 当然とい う前提で 考える事 がダイバ ーシティ のポイン トじゃな いでしょ うか ?
(
先月、こんなブログ記事を書きました。
多様性あ れこれ( イノベー ションと 礼拝とフ ォルトラ イン理論 )
この記事
中途半端
でも、や
単 一の集団
と思い込 んでいる 人々も、 本来は、 伝わった と思って も、本当 は伝わっ ていない のではな いでしょ うか?そ れは難し いことな のではな いでしょ うか? だから、 ダイバー シティの 環境でそ れが崩れ ることで 、本来の 「効率的 なコミュ ニケーシ ョン」に ついて必 死で考え て実践す るから、 生産性が 向上する のではな いでしょうか?
(
あかあおきいろ、まるさんかくしかく。
パッと見
先入観に
まず、「
自分の意
そしてな
Happy Collaboration!
優秀な営業マンは門前払いを受ける - 嫌われる勇気と弱者の好物
オリジナルはこちら(2016/4/23)
EGMフ
反射的に
先日のE
前置きが長くなりました。
いまだに
■ 門前払い を受ける のが優秀 な営業マ ンであ る
「大企業
答えはバツ。理由はROIの高低にある。
営業マン
それでは、売る上で1番のムダは何か。
それは「
結果とし
結果を見
「そんな単純な話じゃない! 営業をな
でも、真
みなさん
は、「こ んなアホ みたいな 詐欺話に 引っかか るやつな んて世の 中にいる わけない だろ!」 って笑っ てしまう ような、 そんな詐 欺メール を見たこ とがあり ますよね ? 多少たり
とも分別 なり経験 がある人 なら、瞬 間にゴミ 箱に捨て るeメー ルです 。 さて、詐
欺師はな ぜあれほ ど、あり えないア ホみたい な詐欺話 を送るか 考えたこ とがあり ますか ?
彼らにと
■ メリット の法則― ―ムチよ りも「ア メを与え ない」こ と
杉浦さんが『メリットの法則―― 行動分析
ブログ記
以下、引用です。
「不安だ
から、外 に出られ ない」の ではあり ません。 順番は逆 で「外に 出たくな いから、 不安とい う感情を つくり出 している 」(…) 「外に出 ない」と いう目的 が先にあ って、そ の目的を 達成する 手段とし て、不安 や恐怖と いった感 情をこし らえてい るのです 。アドラ ー心理学 では、こ れを「目 的論」と 呼びます 。 □
「このま
まのわた し」であ り続けて いれば、 目の前の 出来事に どう対処 すればい いか、そ してその 結果どん なことが 起こるの か、経験 から推測 できます (…)一 方、新し いライフ スタイル を選んで しまった ら、新し い自分に なにが起 きるかも わからな いし、目 の前の出 来事にど う対処す ればいい かもわか りません 。未来が 見通しづ らくなる し、不安 だらけの 生を送る ことにな る 。 □
自分が非
行に走っ たり、不 登校にな ったり、 リストカ ットをし たりすれ ば、親は 困る。あ わてふた めき、胃 に穴があ くほど深 刻に悩む 。子ども はそれを 知った上 で、問題 行動に出 ています 。過去の 原因(家 庭環境) に突き動 かされて いるので はなく、 いまの目 的(親へ の復讐) をかなえ るために 。
■ 強者は共 創より競 争を好む 。コラボ レーショ ンは弱者 の好物に 過ぎな い
強者は共
創より競 争を好む 。なぜな ら、自分 一人の力 で勝てば 独占でき るから 。 コラボレ
ーション するとい うことは 、自分の 分け前を 減らして しまうと いうこと 。 自分ひと
りでイノ ベーショ ンを起こ すことも 勝利を手 にするこ ともでき る人間に 「コラボ レーショ ンせよ」 と求めて も無駄だ 。
そんな話
ものすご
この話は
「強者は
Happy Collaboration!
コミュニティー運営グルグル
オリジナルはこちら(2016/4/17)
一昨日は
なんだか
■ 1日の流れ
・ IBM社
コミュニ
・ 3×3L
施設案内
これから
・ 一橋IC
はたして
(ところ
・ Clip
そしてこ
■ イノベー ション/ カイゼン 、人/コ ト、オン ライン/ オフライ ン …
多少乱暴
-
イノベー
ション志 向の企業 内オンラ インベー ス・コミ ュニティ ー -
場所志向
のサード プレース 型オフラ インベー ス・コミ ュニティ ー -
カイゼン
志向の企 業内オン ラインベ ース・コ ミュニテ ィ ー -
起業志向
のサード プレース 型オフラ インベー ス・コミ ュニティ ー
こうして
うん。濃くて贅沢な1日だった。
そして改
毎日コミ
■ 何を考えていたのか
・ コミュニ ティーと は、リソ ースが共 有される 場/リソ ースを共 有する 場
コミュニ
リソース
(「リソ
・ コミュニ ティー・ マネージ ャーとは 、リソー スの最大 化と循環 とを図る 人
メンバー
既にある
リソース
・ サードプレイス型コミュニティーの多様化
都心では
場所や料金などの「ハード的制約事項」 × 集ってい
自分が欲
・ 内部の人 だけでは なく、コ ミュニテ ィーを紹 介できる コミュニ ティー・ マネージ ャ ー
優秀なコ
「今のあ
・ 名物コミュマネの必要性と危険性
・ オンライ
・ ワークラ
・ サードプ
・ サードプ
・ 未だ見ぬ楽園とサードプレイス無間地獄
…このあ
Happy Collaboration!
自分らしい働きかた - リモートワークジャーニー@東京レポ
オリジナルはこちら(2016/4/11)
『リモー
「リモートワーク?」 という方
私は東京
イベント
開催中に
なお、イ
Remo tewo rk j ourn ey @ 札幌の開 催
■ あなた自 身の『自 分らしい 働きかた 』を実現 するのに 大事なこ とはなに ?
ジャーニ
2人一組
自分が3
正社員に
そんなこ
ともあれ
■ ゲストや参加者の言葉
私自身は
また、そ
(なお、
そんなわ
-
リモート
ワークは 、「幸せ になる」 という人 生の目的 を達成す るための 手 段 -
リモート
ワークが 良い働き かたとも 限らない し、自分 らしい働 き方につ ながると も限らな い -
リモート
ワークは 、個々に さまざま な事情を 抱えてい る「一緒 に働き続 けたい仲 間」と働 き続ける ための手 段 -
リモート
ワークが 進まない 理由の根 っこは「 恐怖」。 自分の価 値を失う 管理者の 恐怖。評 価されな いという ワーカー の恐怖 。 -
リモート
ワークは 実は「場 所」の問 題ではな く、従来 の「出社 = オン/退勤 = オフ」という概念を変化させるモノ -
「イヤな
ことはイ ヤ!」っ て、強者 の理論に なってい ませんか ?
「イヤな
きちんと
それから
2年ほど
『強いチ ームはオ フィスを 捨てる』 を読みま した - テレワークとメキシコの漁師
■ 「自分ら しい働き かた」が 当たり前 の社会と なった2 020年 からの未 来レポー ト
セッショ
その社会
私たちが
「ところで今日どこ?」な働きかた: どこにい
そのきっかけは: まず社運
彼がいな
それから2ケ月後: なんと、
ところが
やってみ なければ わからな いことは 、やって みるまで わからな いですよ ね 。
こんな感
再来週の
Happy Collaboration!