Pachi's Blog Annex ~自薦&自選よりぬき~

『Pachi -the Collaboration Energizer-』の中から自分でも気に入っているエントリーを厳選してお届けします♪

訃報 八木橋(パチ)さん 118歳 著述家

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訃報 八木橋(パチ)さん 118歳 著述家

八木橋昌也(やぎはし まさや) 一九六九(昭和四十四)年九月二十七日、埼玉県生まれ。著述家。エナジャイザー。

 

先月29日、山梨県南巨摩郡の山林の中で発見された遺体が、パチの愛称で知られていた著述家で、元猫と幸せ研究所副所長の八木橋昌也氏であることが判明した。遺体解剖の結果、発見時はすでに死後3日程度経っていたと思われる。

 

遺体が発見された山林は、近年薬物性のきのこが取れることで話題となっており、故人の体内からは大量のアルカロイドが検出された。遺体近くに置かれていたスマホには「もうそろそろいいかな。あ、でも生き返るかもしれないよー」というメモ書きが残されていたことなどから、山梨県警では事故死と自殺の両面から調べているものの、事件性は低いと考えられている。

 

故人には近親者がいないことから葬儀の予定はない。なお、友人有志による会費制のお別れ会を、故人が十代の頃から通っていたサイゼリアにて開催予定(飲み放題)。

 

八木橋氏は海外視察ツアーの企画やアテンダントの他、講演やイベントの司会など多種多様な活動で知られていたが、「お役所でも海外でも、著述業って名乗っておくのが一番都合がいいんだよ」と後年は著述家を自称していた。

日本アイ・ビー・エムを退社後、北欧と日本を行き来する生活の中で感じたことを軽妙なタッチで綴った『デニッシュ・デイズ(かんき出版)』は十万部を超えるヒット作となったが、単著は六十年前に出版されたその一冊のみで、その他の書籍はインタビュアーやインタビュイーとしての対談集で、「言葉を形として残していくものはすべて著述。対談集っていうのは音楽でいえばセッションでしょ。だからおれの本はライブ・アルバムで、おれはライブ・ミュージシャン。」と嘯いていたと言う。

 

「猫に責任能力がないとして、猫を所長と認めないのは人間の怠慢であり傲慢である」という訴状で世を騒がせた「猫と幸せ研究所所長裁判」や、「千葉県クリスチャニア市運動」「マインドフル妄想会議」など、いくつかの社会性を伴う騒動を起こしたが、本人は「どれも実現性に難があることは分かっていた。でもプロの揉事家でいたかった」と、本紙のインタビューに答えている。

なお、上記いずれの事件においても有罪判決は受けておらず、また三十代前半までの暮らしなどに不明な点が多いものの、本紙調査によれば前科は確認できていない。

 

八十余年を共にした妻・清美さんを失った二千七十年以降はほとんど公の場に現れなくなったが、年に一度の「エナジャイザー祭り」にだけは欠かさず現れ、「エナジャイザーの元祖はおれだから」とだれかれ構わず小遣いをせびり、主催者を困らせていたという。受賞歴なし。

 

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マインドフルネスの手法の一つに、ジャーナリングというものがあります。

ノーテーマで、あるいはテーマを決めて書くのですが、重要なルールが「人に見せないことを前提に」「手を止めずに頭に浮かんだことをただただ書き続ける」ということ。

これで、心が整ったり、自分でも気づいていなかった欲求を見つけたりすることができると言われています。

 

…なのですが、今回「自分の死亡記事」をテーマに書いてみたら結構おもしろいものができましたので、半分くらい手を入れて、人に見せれるように書き換えてみました。

 

図らずも、明日は49歳の誕生日。ここで書いたストーリーが現実になるのは69年後の予定です。

Happy Collaboration!

 

ワークショップデザイン・実施 – 20のヒント

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数カ月前にとあるファシリテーション1日体験コースに参加したのですが、その際、講師のディランさんに『20 Lessons Learned in Designing and Delivering Workshops』という素晴らしいプレゼントをいただきました。

自分がワークショップを開催する前にチェックシート的に見直したり、勉強会に参加した後に読みながら振り返りをしたりするうちに、なんだかもっとたくさんのファシリテーターやセッション講師の人にも知ってもらいたくなりました。

 

そして先日、ディランさんに「日本語に翻訳してブログで紹介したい」と伝えたところ、快く了解をいただけました。ディランさん、ありがとうございます!

 


ディラン・スカダーさん

2008年よりマイルストーン会長兼CEO。ジュネーブの国連研修部門において研修分野でのキャリアをスタート。コーチングと組織開発のコンサルティングが専門。

 

ワークショップ・デザイン & 実施における20のヒント

 

1. If I ask the group a question, I’m careful not to answer it myself as participants will then often become passive. Instead, I get comfortable with silence and wait until someone replies. This creates an even flow of communication right from the outset.

グループに質問を投げかけたら、自分で答えは言わないこと。参加者が受け身になるきっかけとなります。なかなか手が上がらなくても、リラックスして黙って待ちましょう。これがセッション全体を通じたスムーズなコミュニケーションのきっかけとなることもあります。

 

2. I avoid calling on individuals. Instead, I show that I’m eager to hear from anyone in the group who has something to say. I may ask, “Who’s first?” and “Who’s next?”

特定の誰かを指名することはしません。代わりに「それでは最初は誰が?」「どなたか次は?」と聞くなどして、意見を求めていることを伝えます。

 

3. Gradually ‘disappearing’ myself is something I will do to confirm that the group is standing on its own legs, supporting each other, less dependent on the facilitator. I sometimes do this by slowly moving to the side or back of the room. I see this as a form of ‘scaffolding’.


じょじょに「自分を消して行く」ことでグループを自立させ、参加者がファシリテーターを頼るのではなく、互いにサポートしあう場を作ります。実際にゆっくりと部屋の隅や後ろに移動するようにしていて、私はこれを「足場作り」と呼んでいます。

 

4. I look for opportunities to build in peer-to-peer learning. When participants are able to teach the subject matter to each other, then they’ve really learned it well.

参加者が互いに教え合う場面を積極的に組み込みます。専門知識をシェアしあうようになっていれば、良い学びの場になっているということです。

 

5. I try to “get out of the way” of participants’ learning by using most of the time for them to speak – especially with each other.

参加者の学びの邪魔にならないよう、私ではなくできるだけ参加者が、それも参加者同士が話し合う時間を持てるようにします。

 

6. I keep in mind the danger of running a session that is ‘powerpointless’ – participants tend to focus either on the speaker OR the slides. It’s difficult to do both at the same time. Slides really are there only as support material for the discussion in the room.

パワーポイントの使いすぎでポイント不明にならないようご用心。意識を2つのものに同時に向けるのは困難で、参加者の意識は話し手とスライドのどちらかに偏るものです。スライドとは、参加者の対話を促すためにだけ存在しているのです。

 

7. I try to minimize anything that isn’t directly related to the learning objective. If we overload participants with information they only need to get through the session, we’re just facilitating for the sake of facilitating.

学習目的に直接関係しないことは最小限にするよう心がけています。情報量が多くなり過ぎると、参加者はただ情報を受け取るためだけの場としてしまいますし、ファシリテーターファシリテーションすること自体を目的化してしまいます。

 

8. I believe an important strength of team-based learning is that it mirrors how most workplaces actually function. It’s rare, for example, that individuals make executive decisions without facing the pressure of persuading their colleagues (or recognizing the error in their thinking).

私がチームベース・ラーニングに信を置くのは、それが職場の現実の写し鏡であることがほとんどだからです。実際のところ、個々人が同僚を説得することへのプレッシャーを感ずることなく(あるいは同僚の思考の誤りを意識せずに)重要な決断を下すということは滅多にないことです。

 

9. I’ve observed that participants often begin to doubt themselves if given enough time to worry. To prevent this, I get participants into an activity right at the start of the session. That way, they’re already doing what they came to learn how to do before wondering if they can do it!

考える時間があり過ぎると、参加者は自分たちを疑い始め心配してしまいがちです。対策として、私はセッションの始めからすぐにワークをしてもらうようにしています。こうすれば、自分たちができるかどうかなんて気にする間もなく、学ぶことを実践する他ありません。

 

10. I’ve learned not to be a ‘cheerleader’ for the content of my sessions, not to feel that I need to defend it. It can be more helpful to take the side of the participant and discuss honestly why a certain theory – for example – cannot be applied in the real world.

チアリーダーとなって自身のコンテンツやセッションを応援したり、守ろうとしたりはしないほうがよいと私はこれまでに学びました。参加者側に立って、「実社会ではこの理論は通用しない。なぜなら…」と言った具合に、正直にディスカッションをした方がよいでしょう。

 

11. Motivation is so central to the learning process that I sometimes ask participants to write down their goal at the beginning of a session, and then remind them regularly to use each stage of the session to consciously work toward their goal. At the end of the session, more often than not, they discover that they have naturally gravitated toward their goal.

学びのプロセスにおいてモチベーションの重要性は言うまでもありません。ですから、私は参加者に最初に各自の目標を書いてもらい、合間合間にそこへと向かっているかを確認してもらううことがあります。セッション終了後に尋ねてみると、ほとんどがそれが到達に役立ったと答えます。

 

12. Giving participants a chance to work with different people over the course of a session helps not only with creativity but also with building relationships. I think the latter adds to the overall success of learning events.

セッション中にグループやワーク相手を変えてもらうことで、想像力に刺激を与えるだけではなく、参加者のリレーションシップ構築にも貢献することができます。そしてこの関係性が学びのイベントの成功の一因ともなるのです。

 

13. I have found that escalating the level of challenge over the course of a session helps to keep participants excited about reaching ‘the next level’ and gives them a sense of achievement.

セッションの間に挑戦レベルを上げていくと、参加者のレベルアップへの熱意を掻き立て、達成感を与えることができます。

 

14. I have learned that what most participants want more than anything is attention. To do this without interrupting them, I walk around the room, lean into conversations a bit, and sometimes sit at the table to show participants that I’m interested in how they’re progressing.

ほとんどの参加者が何よりも求めているものは「注目」です。邪魔になることなくそれに応えるため、私は部屋を歩き回って彼らの会話に耳を傾け、ときにグループの一員となることで彼らの進捗に関心を持っていることを示します。

 

15. I find it to be a much deeper learning experience when I create an environment in which participants discover how to do something than for me to just tell them how others do it.

他の人たちがどうやっているのかを私が伝えるのではなく、参加者が自分たちで見つけ出せる環境を提供できたとき、彼らはより深い学びの経験を得ることができます。

 

16. I think it helps to give participants a sense of mission; an ambitious goal, limited resources, and some teammates – off you go! To me, this is symbolic of the challenge of life itself.

参加者にミッションを与えましょう。野心的なゴール、限りあるリソース、そしてチームメイトを! — これで準備万端です。私にとって、これらは人生という挑戦のシンボルに他なりません。

 

17. My default assumption is that the most important technology needed for the session will fail. I prepare therefore to run my sessions as completely ‘tech-free’ events just in case.

もっとも重要な機器にこそトラブルは起きる — セッションにこう考えて臨むようにしています。「機器なし」でも問題ないように準備し備えておく、これで「危機なし」ですね。

 

18. Humor is a wonderful gift that transcends all walls and brings people closer together. I tend to be more serious by nature, but I welcome humor wherever it appears.

ユーモアにはあらゆる壁を取り払い、人びとを近づける素晴らしい力があります。私はつい真面目になり過ぎてしまうたちなので、ユーモアのチャンスは逃さないよう心がけています。

 

19. For me, the most natural and effortless relationship is the one I have with participants. I do what I do for them. The organizers, sponsors and administrators are all important, but the facilitator- participant relationship is the one that counts most.

私にとっては、最も自然でいられるのは参加者と私の関係性です。私がセッションをやっているのは彼らのためなのですから。主催者もスポンサーも管理者もすべて重要ですが、ファシリテーターにとって最も重要なのは参加者です。

 

20. The most important guideline I use is keeping the learning exercise as realistic or “true to life” as possible. Simulating in this way helps to overcome the ‘transferability’ problem of whether what has been learned in a workshop can be applied to the workplace. When the practiced behavior is identical to the target behavior, the transferability question disappears.

私が使用している最も重要なガイドラインは、学習の機会を可能な限り現実に、つまり「実際の姿」に近づけるということです。こうしてシミュレートすることで「移転性」の問題は克服され、ワークショップからの学びがどのようなものであれ職場に適用しやすくなるのです。練習が実際と一致していれば、移転性の問題は消えさります。

 

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いかがですか?

私にとっては、とりわけ1の<沈黙を恐れるな>や7の<ファシリテーションを目的化するな>、10の<コンテンツを守ろうとするな>や20の<可能な限り実際の姿に近づけろ>などが、今後セッションをやる際に忘れずにいようと強く思わされたものでした。

きっと、みなさんにとっても有用なものがあったのではないでしょうか。それではまた。

Happy Collaboration! 

 

パチ編-充実とは価値観が満たされた状態である

オリジナルはこちら(2018/8/16)

 

充実とは価値観が満たされた状態である』というゆのんさんのnoteが目に飛び込んできて、Delivering Happiness Bootcampにも興味を持っていたし、価値観ベースの生きかたや働きかたにもずっと興味を持ち続けている者としては、「自分の価値観を調べるワーク」をやらずにはいられませんでした。

まずはあまり深く考え過ぎず、33+1の価値観の中から、トップ10に絞りこんでみました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
6. 貢献 7. 創造性 12. 自由 13. 幸福 15. 内なる調和
17. 独立 24. 快適さ 26. 責任感 30. 自己への尊敬 31. 社会的認知
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

そしてそこから、45この個別対戦へ。
ところがこれが結構難しい。価値観を示す言葉がすごく近いもの同士だったり、遠いものだったりすると、比較の土俵にうまく乗ってくれない…。

例えば、<12. 自由>と<15. 内なる調和>とか、<24. 快適さ>と<31. 社会的認知>とか。
なので、こんな風に考えていました。

自由がなくて内なる調和を保てるか? いや、できない。
内なる調和が保てないまま自由でいられるか? うん。いられる。 — よって自由の方が重要。
楽しめなくても尊敬されれば満足できるか? いや、できない。
社会的認知を得られなくても遊びのある人生を過ごしたいか? うん。間違いなく。 — よって快適さの方が重要。

じゃん。

おれにとって大切な価値観は「自由(独立、自由な選択肢、自主性) 」「快適さ(楽しめる、遊びのある人生) 」「幸福(満足した状態)」。
まあ想像通り。

じゃあ、この価値観を大切に出来る行動とはなんだろう?
自主性と自己判断がベースで、楽しさを追求できて遊びがあって、well-beingを感じられる行動…。

自分の思ったことを、誤解を恐れながらでも書くこと、伝えること。
いろんな人と話して、違いを見つけ出しながらつながること。
自分の感覚を大切にして、好き嫌いをないがしろにしないこと。
価値を提供できそうな場所を探して、積極的に関わること。

日常的に今やっていること、それからとやろうとしていること、どうやらそのまんまみたい。
100パーセントではないけど、これが充実ということなのか、な?

 

おまけ。

価値観を調べるワークやアセスメントが好きで、これまでもいろいろやっています。
そして個人的には、人は自分にとって重要な部分をどんどん伸ばしていく方が天井知らずに成長できると思うし、間違いなく幸福感も高いと思っていますが、一方で弱みというか、ピンとこない部分を認識しておくことも大切だと思っています(さらに言えば、その弱みを受け入れて周囲に開示できれば、最高だと思っています)。

その観点から、「Kenexa職業的パーソナリティ調査」の低いスコア項目へのアドバイスは、やっぱりとても貴重だなと思うのです。

IBM Kenexa職業的パーソナリティ調査による23の性格特性 : 
大衝撃 – 職業的パーソナリティ調査の結果を開示します

■ ドナルド・E・スーパーさんの14の労働価値をベースにしたもの : 
働きかた改革準備 – 「働く」の意味と14の労働価値

■ ワーク・ファクターをベースにしたセルフ・アセスメント : 
Fit for You – 働きやすさと働きがい

 

これからもたまにはnoteも書こうっと。

Happy Collaboration!

 
 

パワー・オブ・ソフトスキル – Power of Soft Skills #2

オリジナルはこちら(2017/11/29) 

 

ソフトスキルについて、頭の中にあることを書き出した<パワー・オブ・ソフトスキル – Power of Soft Skills #1>の続きです。

IBMの社内セッションで話す<スキル・リーダーとしてみんなに伝えたいこと>を念頭に置いているので、ちょっと偉そうな感じになっちゃっているかも…ですが、けっこう良いこと書いている気がします(自分を信じるられるのもソフトスキルかな? ww)

 

 

■ 実体験から思う、ソフトスキルの重要性とそれを手にする方法

Please share with the audience the importance of Soft Skills based on your experience, suggestions and recommendations on how to acquire these skills.

 

・ つけるというよりついてくるのがソフトスキル

<つけるぞ!>と頑張ってつけられるものもあるのでしょうが、それよりは経験と実践により<ついてくるもの>と捉えた方がよいのかなと思っています。なので、あなたが欲しいと思っているソフトスキルが必要とされる場に自分をどんどん連れて行くことが重要ではないでしょうか。

 

例えば、適応力やコミュニケーション力を高めたいのであれば、自分が<アウェーだな>と感じるような場所に一人で出向いて周りの人たちに自分から話しかけてみるとか、ワークショップや対話イベントに参加して、その場で足りていないものが何かを考え、自分がそれを提供してみる、あるいは提案してみるのがいいんじゃないでしょうか。

どんなスキルも発揮する機会が多ければ多いほど、よりしっかりと身につくと思います。

 

・ 違和感にきちんと向き合うことでイノベーティブになれる

創造的思考とかイノベーティブ思考と呼ばれているものを身につけるには、自分が日常で感じる違和感を「まあそういうものか」と流し、忘れ去ってしまうのではなく、「何に対して自分が違和感を感じているのか」を考える癖をつけるのがよいんじゃないかと思っています。

別に、キレイにまとめる必要はないし、なんなら<考えたけど分からなかった>という結論でも構わなくて。重要なのは違和感のコアに近づこうとする姿勢じゃないかな、と。

 

私の場合は、特に価値観の違いやズレに敏感なところがあると自己分析しています。

その<自分と周囲のズレが生じる構造>みたいなものをなんとなくでも掴んでいると、それを逆手にとってありきたりなものから離したり、独創的なものにつなげていったりしやすくなるんような気がしています。

 

・ 自らに肩書きをつけて名乗る。活動をソーシャルにレポートする

私は<コラボレーション・エナジャイザー>を肩書きとし、名刺にもそのタイトルを印刷しています。これには<自分をブランディングして覚えてもらう>という狙いもありますが、<自分をやらざるを得ない状況に追い込む>という効果もあります。

だって、コラボレーション・エナジャイザーがコラボレーションに熱心に力を注いでいなきゃおかしいですよね? (あ、<エナジャイザー>って、パワーとか勇気とかを人や場に注ぎ込む人のことです。)

 

この肩書きにより、コラボレーションについて深く考えることを自らに課せます。そして考えたことを実践したり発表したりすることで、多くの人からさまざまなコラボレーションを求められるようになります。そして今度はそこで得た経験や知識を発表したり、別の機会にあてはめて…また今度は…。

と、こんな具合に、肩書き名乗ることでその肩書きにふさわしい活動が増えていき、自分の専門性が上がっていきます。なりたい自分に近づけます。

もちろん、肩書きも活動も、知ってもらえなければ何も引き出さないので、それを積極的に伝えていくことも必要です。ブログやソーシャルウェブなど、そのために有効活用できるものは社内外にたくさんありますよね。

 

・ <好き><得意><必要>とされている仕事を追い求めること

身に付けたいスキルがなんであれ、習得するには時間がかかります。逆の見方をすれば、時間がかかっても苦にならないものほど身につきやすいということです。

 

  • <好き>なものは、取り組んでいることそれ自体に楽しさや喜びを
  • <得意>なものは、苦労が少なく自己能力を実感できるので満足感を
  • <必要>とされているものは、自分がそれをすることで感謝されて嬉しさを

 

そんなわけで、<好き><得意><必要>なことや分野は長く続けられて、スキルの習得や熟成に向いています。

最近友人が貸してくれた本<外国人が見つけた長寿ニッポン幸せの秘密>では、この<好き><得意><必要>にもう一つ<稼げる>を足して、4つすべてが重なったものが<ikigai>と呼ばれていると言う話が書かれていました。

(そこから興味を持ち、先日「いきがいダイアグラムで自分の仕事を棚卸ししよう」というワークショップにも参加してきました。)

 

 

■ 最後に – 最重要ソフトスキルは<自分自身を好きでい続けられること>

ソフトスキルもハードスキルも、どちらも<もっと幸福になるため>の道具だと思います。

そして何を幸福と感じるかは千差万別で人それぞれですが、不幸になる方法はわりと共通している気がします。それは自己嫌悪、<自分を嫌いになること>です。

自分が嫌いだと、何をしても幸せにはなれないですよね?

 

最近よく<近い将来AIやロボットに取って代わられる職業>みたいな話を目や耳にします。そして<人生100年時代に重要なのは学び直しとチャレンジ精神>みたいなこともあちこちで言われています。その通りだと私も思います。

でも、どんなに心配しても、それに備えても、安心や保証は手に入らないと思うんですよ。結局は、あらゆる状況に対して<自分は大丈夫。なんとかできる>と信じられることが最強のスキルじゃないでしょうか。

 

では、どうすればその<大丈夫。なんとかできる>が身につけられるのか?

— 答えは分かりませんが、今のところ私が取り組んでいるのはマインドフルネスの呼吸法と慈悲の瞑想です。

やり始めてからそろそろ10カ月目に入るところですが、私には効果があるようで、心配し過ぎてしまったり漠然とした不安に襲われて嫌な気分になることは、ほぼ無くなりました。

 

マインドフルネスに興味がある方は、これまでに何度かブログに書いていますので、そちらも読んでみてください。

ベースサプリとエナジードリンク – マインドフルネス半年経過レポート

 

Happy Collaboration!

 

パワー・オブ・ソフトスキル – Power of Soft Skills #1

オリジナルはこちら(2017/11/28) 

 

<ソフトスキル>についての社内パネル・ディスカッションに、パネリストとして参加することになりました。

当初の依頼は「12分くらいのショート・プレゼンを」だったので二つ返事(※1)でお受けしたのですが、いつの間にか60分のパネル・ディスカッションへと変更されていました。

 

普段ならどちらでも気にならないのですが、今回の公開ディスカッションはすべて英語…。

そしてパネリストも参加者も、全員が世界のあちこちから参加するリモート方式なので、正直私の英語力では苦労することになりそうです…。

<準備せずに手ぶらで>挑むのはちょっと無謀なようです(※2)。

 

というわけで、準備と予習を兼ねて、ソフトスキルについて思っていることと事前質問としてもらっていることについて、頭の中にあることを書き出してみたいと思います。

英語であろうと日本語であろうと、自分のキーメッセージが何なのか分かっていないと、伝わらないですからね。

 

※1 為念でお伝えしておくと、<二つ返事>は快諾という意味です。最近の調査によると<渋々の承諾>というまったく逆の意味として理解している人の方が多いそうです。

※2 プレゼンに対するQAだと、自分の話したことに対する質問や意見なので、文脈が大きく違うものは少なくそんなに困ることはないんですよね。また、リモート配信でも何人かが会場にいれば、参加者同士がボソボソ話し出したりして「あれ…?」と微調整しやすいのですが、みんなの顔がPC越しに見えるツールを使っていても、完全リモートセッションはその辺の<空気感>が薄いんですよね…。

 

■ ソフトスキルについて思っていること

Please share with the audience what you think of Soft Skills.

 

・ ソフトスキルは人間のベースとなる部分のことで<人間性>に近い

 

ちょっと前に「あなたにとって「ソフトスキル」ってなんですか?」というばくとした質問をFacebookでしてみたところ、想像通りとっても多様なコメントをいただきました。

 

こういうのに応えてくれる仲間がいっぱいいるのもソフトスキルの一つ…という話はここではおいておいて、本当にカラフルな感じで、今見直してもニコニコしちゃいます。

みなさんが考える<ソフトスキル>と同じものはありますか?

 

 

 

・ ソフトスキルは計測可能?

例えばTOEICとか日本語検定だとか、ファシリテーター検定だとか傾聴力検定だとか、ソフトスキルを視覚化、あるいは資格化しようという試み(商売?)は増えているようですが、実際に測れるものなのかは疑問だと思っています。

<一定のレベルは満たしている>とか<知識は持っています>という証明に過ぎないものが多いのかな、と。

 

とはいえ、きっと今後もそういう測定機関みたいなのは増えるんでしょうね。おそらくは<流動化>と<マーケットバリュー>という視点に後押しされて。

 

・ 自分の強みだと思っている、あるいは伸ばしたいと思っているソフトスキル

  • Cultural intelligence: Adaptability and flexibility  異文化適応力(適応性と柔軟性)
  • Interaction and communication  意思疎通能力(コミュニケーション力)
  • Emotional intelligence and altruism 感情的知性と愛他性
  • Leadership and Collaboration  リーダーシップとコラボレーション
  • Storytelling: incorporating individuality into a large context  個性を大きな文脈に組み込んでストーリーを作る能力

 

 

■ 自身のキャリアにおいて、ソフトスキルがもたらしたものは?

Please share with the audience stories on the role Soft Skills played in your career journeys.

 

・ そもそもIBMに入社できたこともソフトスキルのおかげ

36歳まで派遣社員生活を続けて就職したことがなかった私が、IBMのウェブ統括部門に社員として加わることができたのも、いわばソフトスキルのおかげでした。

私をIBMに引っ張ってくれたのは、私が派遣社員としてIBMで働いていたときに、激しくやりあっていた部門のマネージャーでした。<自分が面倒に巻き込まれるって分かっていても、それでも正しいことを追い求め続けられる人ってそんなにいないのよ><どんなピンチでもなんとか乗り切るんだろうなって思わせるのがあんたの強みなのよ>。

 

一緒に働き始めてからしばらくして、ボスが言ってくれました。<ね、あってたでしょ。あたし人を見る目には自信があるのよ>。

 

・コラボレーション・ツールの推進という今の仕事

日本においては、<コラボレーション・ツールの推進>という役割が絶対に必要なものだと明確にされているわけではありません。でも現場に近い人たちには、役割の必要性や重要さは明確です。

また、<ツールの推進>がカバーする範囲も、はっきりと線引きされているわけではありません。

でも私にとっては明確です。それを求めているIBM社員がいて、それを私が実行すればハッピーになる人が多いのであれば、それは範囲内です。

 

やりたいことをやりたいと言い、理解を求めて、やる。やり終えたら価値が伝わるように、理解されるように、伝える。
こんな風に自分の仕事を自分で定義して形作っていくのも、重要なソフトスキルなんだと思っています。

 

・満足感とソーシャルウェブ

<ビジネスが順調なら、自分のことはどうでもいい>とか、<組織が上手くいっていれば、自分は不幸でも構わない>なんて人はいないですよね。人は、幸福になるために仕事をしているのですから(<お金のために>という人も、幸福になるためにお金を求めているわけで)。

では、どうすれば幸福感が得られるのか。私の場合は、IBM社員から質・量ともにたくさんの感謝を得ることです。

 

そのためには、できるだけたくさんの人に価値あるものを届けた方がいい。届けるものは何も<自分の>知識や経験である必要はないですよね。

私は、ソーシャルウェブやコラボレーション・ツールを使いこなすことというのは、価値を広く早く遠くまで届けられるようになるということだと思っています

 

 

すっかり長くなりました。続きはまた明日。

Happy Collaboration!

 

どこへ行くかじゃなくて誰と行くか – 燃え殻さんへの感想メッセージ

オリジナルはこちら(2017/11/22)

 

「ほぼ日に載ってる感想文の”Pachi”って、ぱちさんだよね。読んですぐ分かった。」

先日会った友人にそう言われて見てみると、たしかに俺の燃え殻さんへのメッセージが掲載されていました。

ページの一番下に。

 

ちょうど本を読み終えたその日。糸井さんのツイートで、だったのかな。ほぼ日で、燃え殻さんへのメッセージを募集していることを知りました。

「きっと俺、この人と東京のどこかですれ違っていたな」なんて読みながら思う本はこれまでになかったし、「ちょっと大丈夫? いくらなんでも泣きすぎでしょねえ?」なんて妻に心配される本もなかったから。

俺の感想を燃え殻さんに読んでもらいたいなって思いました。

今回、掲載されている俺の感想を読んで、『ボクたちはみんな大人になれなかった』を読み返してみた。

ただ、今回は本ではなくて書籍化される前の連載をCakesで

 

そうしたら、関口と真田と中目黒のワゴンのアシスタントの関係がくっきりと描かれていた。

本では、どこかぼんやりとしていて、なんだかしっくりこない感じがした場面。でも「きっとこれはわざとぼかしているに違いない」と感じた場面。

 

ちょっと、衝撃的だった。

それから、どうして、Cakesの連載では最後の重要なピースとなっているこの場面が本にはないんだろうって考えた。

全体の中で、バイオレンス要素が多すぎないようにしたのかな? とか。

通り過ぎていく人間を描くには、真田と七瀬の二人は要らなかったのかな? とか。

 

答えは分からないけど、でも、本しか読んでいない人に「Cakes版も読んだ方がいいよ」って言わせるには十分な仕掛けだなって思いました。

関口、そこまでカッコいいやつだったのか。

 

そして逆に、Cakes版しか読んでいない人には、加藤(小沢)かおりとの逃避行が書かれた『東京発の銀河鉄道』とか、書籍版にしかないエピソードがすごくいいから、そっちも読んだ方がいいよって伝えたい。

きっと男の子が全員、オトコになれるわけじゃないんだよ。

 

『数えたりない夜の足音』はあのとき野音で聞いたのが最高だったな。

徹夜のバイト明けに行ったスキー場でがんがんヘビロテされてて、帰りの車の中で『Automatic』を一緒に歌ったっけ。

『やつらの足音のバラード』はギャートルズの終わりの唄だったよね。仲間のバンドがいい感じにカバーしてた。

 

美味しいもの、美しいもの、面白いものに出会った時、これを知ったら絶対喜ぶなという人が近くにいることを、2017年まで生き延びた48歳のオッサンであるところの俺は幸せと呼びたい。

燃え殻さんありがとうございました。

Happy Collaboration!

 

1968年 – 市民運動と学生運動の展示会

オリジナルはこちら(2017/11/14) 

 

千葉県佐倉市国立歴史民俗博物館に、市民運動学生運動の展示<「1968年」-無数の問いの噴出の時代->を見に行ってきました。

 

きっかけは、治部れんげさんの一連のツイートです。

 

“印象的だったのは、当時起きた様々な市民運動で使われたビラや冊子、手紙、旗などの現物。”
https://twitter.com/rengejibu/status/921285036057403392


“脱走した米兵が海外から日本の支援者に送ったハガキもあれば、サルトルからの電報も。すべて現物”

https://twitter.com/rengejibu/status/921285167171301376


“企画意図には明確に「個人」に光を当てると書いてあり、権力に対峙する反政府組織を称揚するものでないところに好感を持ちました。都内から遠いですが一見の価値あり。”

https://twitter.com/rengejibu/status/921285987480649728

 

行ってよかったです! すごく!!

私は日本の歴史や社会史に疎いのですが、そんな私でも、自分の両親が生まれた頃から自分が生まれた頃、つまりは昭和初期から1970年代という時代にはとても興味を惹かれています。

歴史というよりも、今の自分に直結した「自分ゴト」として、ですね。

また、60年代や70年代のフーテンやフラワームーブメント、そして学生運動市民運動にも昔から興味は持っていました。

 

とは言え、その興味は派手でセンセーショナルな部分に対してで、はっきり言えば<ファッションとして>、あるいは<カッコイイものとして>の視点だけで60年代や70年代を見ていました。

10代の頃から、学生運動のゲリラ的な行動やアングラ感、フォーク集会やロックともつながる反逆スピリットなどのイメージに「あこがれ」を抱き続けていたのです。

 

そんなわけで、行く前は「きっと俺は学生運動のコーナーに一番ハマるんだろうな」と思っていたのですが、今回の展示会を観てさまざまな市民・学生運動間の関係性や時間的つながり、そして当時の世の中の空気感など、ずいぶんと全体感を得られた気がしています。

そして、学生運動の展示よりも、むしろ強く興味を惹かれたのが市民運動、中でもとりわけ「ベ平連ベトナムに平和を!市民連合)」でした。

 

日本の市民・学生運動を進化させたのは、ベ平連だったんじゃないか?

組織ありきではなく、一人ひとりが自分自身の考えをベースにして、自分自身の運動を起こしていく。そこに重なるものがあれば、ゆるやかに連携する。

— そんな、べ平連のスタンスやスピリットが、私たちに今必要とされているものなのかもしれない。展示会を観てから数日経った今も、そんな気がしています。

(とは言え、まだまだよく分からないことばかりなんですけどね)

 

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以下、ランダムですがメモしてきた言葉と、そこからちょっと調べてみたことを書いてみます。

当時のことに詳しい方で「いや、そうじゃなくてね…」というのがありましたら、ぜひ教えてください。

あ、先にお伝えしておきますが、ハードな<思想的勧誘>はご遠慮願います。

 

■ 新宿はベイタンの通り道

フーテンの溜まり場だったという話や、西口地下広場がバリケードで封鎖されていたとか、そんな話は聞いたことがありしたが、この〈新宿はベイタンの通り道〉という言葉は初めて見聞きしました。

ベイタンは〈米軍燃料輸送列車〉のことで、これを妨害しようとしたデモが〈新宿騒乱〉へとつながっていったのかな、という理解です。

 

九州大学ファントム墜落

この事件のことは、つい最近までまったく知りませんでした。大学の校舎に米軍機が墜落するという、とてもショッキングな出来事です。Wikipediaには〈九州大学電算センターファントム墜落事故〉というタイトルで紹介されていました。

この事件の顛末が、大学という場に警察権力が介入するきっかけとなったようです。

…やっぱり、ことの大きさの割にあまり語られていないような。

 

■  「殺すな!」バッジ

岡本太郎の書いた〈殺すな〉という文字を和田誠がデザインし、バッジにして配っていたそうです。この話も、まったく聞いたことがありませんでした。

ググってみると、今でもちょっと表現を変えて販売しているところがあるようです。

DO NOT KILL ANYWHERE, ANYTIME
— 至極当たり前のメッセージだからこそ、受け取る側の〈余白〉に染み込んでくるの気がします。

 

ティーチ・イン、脱走兵サポート団体ジャテック、橋の下大学、ハンパク、解放空間サンチカ、〈バリケード表現〉、一人ベ平連

どれもはじめて見聞きすることで、これから少しずつ調べてみようと思っている言葉たちです。

日本が米軍のベトナム攻撃の前線基地だったこととか、米軍基地から脱走する兵たちを追った<イントレピッドの4人>と言う映画があったとか、反戦万国博覧会なるカウンターカルチャーのイベントがあったとか、<>を多用して書くバリケード表現とか…。

なんだか、知れば知るほどもっと知りたくなるキーワードが、展示会ではたくさん紹介されていました。

 

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私はあまりテレビを観る方ではないのですが、ドキュメンタリー番組は大好きで、BS-TBSの<サタデードキュメント>やBS日テレの<NNNドキュメント>、そしてフジテレビの<ザ・ノンフィクション>を録画して観ています。

なんとなくですが、ここ最近はこれらの番組で、下筌ダム反対運動や水俣病との闘争を続ける患者さんや弁護士さんなど、60年代や70年代の市民活動が取り上げられることが増えている気がします。

やっぱり、一人ひとりの行動の起こし方を、もう一度考える時期なのかも?

 

…もう一回行こうかなぁ。

 

<「1968年」-無数の問いの噴出の時代->

第1部 「平和と民主主義」・経済成長への問い

 

第2部 大学という場からの問い―全共闘運動の展開

  • 【第1章】1960年代の大学
  • 【第2章】全共闘運動の形成と展開
  • 【第3章】大学闘争の全国展開
  • 【第4章】闘争の沈静化と遺産

 

Happy Collaboration!