Pachi's Blog Annex ~自薦&自選よりぬき~

『Pachi -the Collaboration Energizer-』の中から自分でも気に入っているエントリーを厳選してお届けします♪

あなたにとっての未来とは? - イベントレポート x 2

オリジナルはこちら

 

登壇したイベントのレポート記事2件を、記念がてらブログに書いておきます。

まずはこちら。

 

デンマーク発の「未来を自ら創造する」デザイン思考。ありたい未来に向けた課題解決を

デンマークのデザイン会社Bespokeのニックとアンドレアスを招いたミートアップイベントで、4月に大手町の3×3 Lab Futureで開催しました。

この日の私は自分がデンマークで感じたことを10分くらい話した後は、主に彼らの通訳をやっていました(参考: デンマーク流【望ましい未来をデザインする力】

 


IDEAS FOR GOODさんの写真をお借りしています。

 

以下に、当日ニックたちが話したことの一部と、私のコメントを。

 

「私たちは、未知(Unknown)をナビゲートすることを学んでいかねばなりません」

— 自分が知らないということをまず知ること。あるいは認めること。それが未来を生みだす冒険の準備のスタートです。
予測不能性に溢れた世界の中で、「まだ知らないこと」に対し、強い好奇心と想像力で向き合うこと。それが、暗闇の中にじっと潜んでいる社会的、環境的、経済的な要因を照らし出します。

 

「われわれにとって喫緊の社会的な危機とは、経済や金融などではない。イマジネーションの欠落だ。この現象をあらわす、新しい言葉が必要だろう。」

— イタリア人メディア・アクティヴィスト、フランコ・ベラルディの言葉らしいです。さしづめ、今の私はこれに「宇宙矮小化(ユニバース・ミニマイザー)」とでも名前を付けるかな?

世界を見るのも、複数の視点を知るのも、それまで正解だと思ってきたものが揺さぶられるので嫌だ。それならいっそ広い宇宙を見たくない、一つの世界観で過ごしていたいと志向の現象化なのかも。

イマジネーションを拡げ、さらに先へと進ませるのは「インサイト」です。

 

「新しいものに便乗する人ではなく、流れをつくる人になっていかなくてはならない。」

— Bespokeの『フューチャーデザイナー・ブック – 未来を創る方法論と実践方法 -』に、書かれている言葉を紹介します。

<変化を発見したいのなら、トレンドの兆候として現れたその先を見れなければなりません。何がそのトレンドの出現を可能としているのかを見出すのです。どんな新しい価値観や行動や文化の変化が現れ、それを人びとはどのように体験しているでしょうか? こうした新しい流れを正しく捉えられれば、真の問題を解決し、真のニーズを満たし、有意義な未来をデザインできる可能性が高まります。
可能性を広げるためにも、大胆であることや勇気を持つことを恐れることなく、自分たちの道を見つけ出しましょう。>

 

「あなたにとっての未来とは?」


IDEAS FOR GOODさんの写真をお借りしています。

 

次にこちらを。

イノベーションはデジタルプラットフォームで管理できるのか──可視化・言語化によるアイデア創出の可能性

3月に日本アイデアスケールさんが開催されたイベントで、アイデアスケールの福澤さんがモデレーターで、01Booster CEOの鈴木さんと私がトークをするというものでした。

記事だけでは伝わりづらい部分を、いくつか解説させてもらいます。

 


Biz/Zineさんの写真をお借りしています。

 

「大企業から見ればスタートアップはこだわりの強い偏執狂、スタートアップは大企業を担当者によって言うことがコロコロ変わる多重人格者と思っていてお互いが理解できない」ゆえ「本当の意味で手を組む意味合いが見えるまで、両者が手を組む必要性はない

— 「大企業とスタートアップは、パートナーシップを組むことが正解」という前提を、なんとなくその場に感じてしまったんですよね。なので、議論がスタートする前に、とりあえずその違和感と、それに対して思うところを伝えました。

…本当のところ、こんなことを言うほど私は現場体験があるわけじゃないんですけどね。
でも実際、これまで目にしたり相談されたりした「うまくいっていないケース」にはこの構造が当てはまると思っています。

 

「株主に寄りすぎた企業の形を無理に残すよりも、転生して違う形になる方が正しいと思う」

— 「正しい」という言葉は、今見るとあまり相応しい使い方ではなかった気がします。ここで語られるべきは、正しさよりも好ましさの話、あるいはその正しさは誰にとってのものか、だったかなと。

最近聞いた友人の言葉です。

「うまくいっているときは、自分たちの身の安全など気にせず、ステークホルダーにとっての良いことを追求できる。でもうまくいかなくなりだすと、身の安全を最初に考えるようになって、自分たちの利益や利便を優先しだす。これって、人間の脳の原始的な部分である「爬虫類脳」からきているから、そう簡単には変わらない。」

 

「大企業は常に自社が中心にいるエコシステムを描こうとする。それではただのピラミッド構造と同じ」

— これもちょっと単純化し過ぎで、「常に」じゃなくて「ほとんどの場合」が正確だと思います。そしてこれも、前述の「爬虫類脳」的な話かなって思っています。

で、こういうのって、個人も法人も同じで、周囲にはそのスタンスが漏れ伝わってきます。エコシステムが意味する生態系がやたらと小さい。誰もそういう相手と付き合いたい人なんていないよね。

 

「自分のやり方を確立している一方で、違う意見に価値を見出せるかどうか」

なお、会員向けとなっている2ページ目以降では、「マニフェストを作ってオープンにして共有する。言語化が持つ力のすごさ」という、デンマークで感じてきた話が書かれています。その話については、こちらでも紹介しているので、よかったら併せて読んでみてください: デンマークのオープンソースとマニフェスト

 

最後に、これから開催するイベントを2つ紹介します。

5/28 & 5/29: Futures Design Basic Course(1日コース)

1日完結型のFutures Design Basic Courseを、Bespokeを招いて開催します。私は通訳として参加します。

5/31: Bridge to the Better #1 デンマークに見る「越境力」

デンマーク大使館の在日参事官 マーティン ミケルセンさんと、デンマーク在住のニールセン北村朋子さんのお話を聞いたあと、働き方、学校教育、リカレント教育、ヒュッゲ、福祉、キャリア、恋愛、SDGs などについての学びを深めていきます。こちらも通訳として参加予定です。

 

もしどちらかでお会いできたら嬉しいです。

Happy Collaboration!

タマネギとアボカド – 読書メモ『ハーバードの心理学講義』

オリジナルはこちら

 

自分の興味や方向性をあらわす言葉の一つとして #幸福中心設計 をここ1年ほど使っています。

先日書いた、質問票への答え(脳みそ解体再構築)集というブログエントリーでは、以下のように #幸福中心設計 を説明しました。

 

僕らは幸福を追求する生き物なはずなのに、幸福を追求するのがすごく下手くそなんじゃないかという気がしてます。例えば、快楽とか楽しさも幸福の構成要素だとは思うんだけど、瞬間的なそれを強く求め過ぎてるとむしろ幸福とは程遠い結果につながったりするでしょ?

そういう全体感というか、俯瞰的な見かたで、日常の小さなことから社会の大きなことまでを「どうすればもっと幸福になれるのか」って考え、意識して行動し暮らすことが幸福を中心に据えたデザインなのかなって。

改めてこれを読むと、社会の大きな幸福のことだけ考えて、まるで自分の幸せは追求していないみたい…。

もちろんそんなことはなくて、まずは自分自身の幸福を真っ先に追求しているのですが、私の場合(そしておそらくほとんどの人も同じじゃないかな?)は「他人の幸福をサポートできたときに幸福感を強く感じる」のを自覚しているので、そこを強く意識しています。

また、幸福をデザインするにあたり幸福とは一体なんなのかを常に見直したり考えたりし続ける必要があると思っているので、最近では結構その類の本を読んでいます。

 

と、前置きが長くなりました。

今回書こうと思っているのは最近読んだ『自分の価値を最大にする ハーバードの心理学講義』(ブライアン・R・リトル 著、児島 修 訳)という本を紹介したかったからです。

私は「ハーバードのxxx」だの「スタンフォードのxxx」だのというタイトルの本を見ると、心に一筋冷ややかな風が流れて手にする気が起きないタイプだったのですが、最近になって「日本語タイトルはたいてい日本の出版社や編集者都合でつけられたもので、本の中身や質にはさほど関係がない」ということにようやく頭が回るようになりました。

重要なのは原題ですね。この本は『ME, MYSELF, AND US』です。

 

読み終わって最初に思ったのは、この本は「幸福をデザインしたい」と思っている人には、必ずどこか響くところがあるだろうということでした。ただ、逆に扱っている範囲が幅広いので、「そこはいいや」ってところも人によってはありそう。

すでに出版されてから時間も経っていて多くの書評が出ています。

でも、なぜか「タマネギとアボカド」に関する研究や事例の話はあまり取り上げられていないみたいなので、このエントリーではその部分にフォーカスしてご紹介しますね。

でも、その前に、私なりの言葉でこの本の趣旨をまとめてみます。

 


  • 人は、あらゆるものやできごと、人や概念を、その人なりに評価基準に合わせて解釈している。
  • 評価基準がとても固定的な人もいれば複数のそれを常に変化させ続ける人もいる。
  • 評価基準の基になっているものの1つが、ビッグファイブと呼ばれる個人特性を表す5つの項目(誠実性 | 協調性 | 情緒安定性 | 開放性 | 外向性)のバランスである。
  • ビッグファイブの特性バランスがそのままその人の日々の行動として現れるわけではない。
  • 人々の行動を動機付ける大きな要素は、遺伝(生まれ持った性質)的動機、社会的(社会や文化の規範に合わせようとする)動機、個人的(生活の中で追求している計画や目標と深く関連するその人固有の)動機の3つがある。
  • 表出する行動が常に一貫している人と変化する人がいて、それはその人の状況に対するスタンスや行動の取り方による。
  • そのスタンスや行動の取り方を測るのがセルフモニタリング(SM)テストで、スコアが高い「タマネギ型」の人は、例え特性的には内向的であっても必要とあらばパーティーで積極的に振舞うことができる。
  • SMテストのスコアが低い「アボカド型」は、ステーキを一口食べる前から塩を一振りする。
  • タマネギ型は人からどう見られているかを気にし、状況に合わせて振る舞うことができる。アボカド型はどう見られているかを気にしないので自分の価値観に従う。
  • パーティーに友人を誘う際、タマネギ型は「集まりに相応しい場の雰囲気に合う友人」を誘い、アボカド型は「場の雰囲気に関係なく自分の気の合う人」を誘う。
  • 自分のSM度とその傾向を知り、それを自分の価値観とバランスさせることで自身の幸福感を高めることができる。
  • コントロール(自己効力感)、コミットメント(関係への積極性)、チャレンジ(変化受容)がパーソナリティの中心にあると、幸福度を高められる。
  • 人は環境に大きな影響を受けるので、自身の「環境気質」を理解した上で、住環境や生活環境を選んだ方が幸福度を高められる。
  • また、自身の環境気質の理解により、ソーシャルウェブとの関わり方やそこでの振る舞いをよりポジティブなものにできる。
  • 生活に意義をもたらす「重要性」「自分の価値観との一致」「自己表現できる」の高いコア・パーソナル・プロジェクト(CPP)を持つことで、幸福感を高められる。
  • 人はあらゆる人と似ていると同時に誰にも似ていない。多面的な自分を受け入れ手を取り合って歩んでいこう。

 

箇条書きで16個…もっと絞りこもうと思ってたんですが、絞り切れませんでした。

そして中盤の太字にしたところが「タマネギとアボカド」に関係する部分です。

皆さんはセルフモニタリング(SM)テストって聞いたことがありましたか? ビッグファイブ特性や環境気質は他の本などで読んだことがありましたが、私はこの本で初めてSMテストのことを知りました。

 

そして、このテストをやって結構ビックリしました。

18問にマルバツで答えて、最後に答え合わせをするタイプのテストです。全部で5分もあればできるものなので、ぜひ皆さんもやってみてください。

 

  1. 他の人の行動を真似ることは苦手だと思う。
  2. 人の集まる場で、他の人を喜ばせるようなことをしたり、言ったりしようと思わない。
  3. 確信を持っていることしか主張しない。
  4. あまり詳しく知らないことでも、とりあえず話をすることができる。
  5. 自分を印象づけたり、その場を盛り上げようとして演技しているところがあると思う。
  6. たぶん、いい役者になれるだろうと思う。
  7. グループの中では、めったに注目の的にならない。
  8. 場面や相手が異なれば、まったくの別人のように振る舞うことがよくある。
  9. 他の人から好意を持たれるようにすることが、それほどうまいとは思わない。
  10. 自分自身は「いつも見た目どおりの人間」ではないと思う。
  11. 他の人を喜ばせたり気に入ってもらうために、自分の意見ややり方を変えたりしない。
  12. 自分には、人を楽しませようとするところがあると思う。
  13. これまでに、ジェスチャーや即興の芝居のようなゲームで、うまくできたことがない。
  14. いろいろな人や場面に合わせて、自分の行動を変えていくのは苦手である。
  15. 集まりでは、冗談を言ったり話を進めたりするのを人にまかせておく方だ。
  16. 人前ではきまりが悪くて思うように自分を出すことができない。
  17. いざとなれば、相手の目を見ながらまじめな顔をして嘘をつける。
  18. 本当は嫌いな相手でも、表面的にはうまく付き合っていけると思う。

 

採点方法: 以下の◯×と、自分の答えが一致するものに◎をつけてください。
最後に◎の数を合計したものが、あなたのセルフモニタリング尺度のスコアになります。

1× 2× 3× 4◯ 5◯ 6◯ 7× 8◯ 9× 10◯ 11× 12◯ 13× 14× 15× 16× 17◯ 18◯

 

 

いかがでしたか?

すでに想像されていると思いますが、タマネギは『幾層にも皮が重なっているが、めくって行っても中心となる核のようなものはない』、アボカドは『中に硬い核のようなものがある』というところからきている比喩です。

私がビックリしたのは自分のタマネギっぷりでした。やる前からタマネギ型だろうなとは想像していましたが、なんとなんと17/18であてはまりました。

 

唯一あてはまらなかったものも、ちょっと悩んで違う方に答えたものだったので、いわば17.5/18って感じです。

…まあでも、核もあると思ってるんですけどね。だから「ものすごく小さな核を持ったアボカド」じゃないかな、おれ。

 

 

この本の一つの特徴は、このSMテストをはじめビッグファイブ特性テスト、ローカス・オブ・コントロールテスト、ストレス耐性やクリエイティビティチェックなど、多数の「科学的(統計的)パーソナリティ・チェック」を解説しながらも、その度に慎重に「故に私はこういう人間である、以上。と受け取るべきではない」と強調していることです。

最後に、それを表現した文を3つ引用します。

 

■ 実際には、人生ではいつも普段通りの自分でいられるわけではありません。そのときに力を発揮するのがさきほどご紹介した「自由特性」と呼ばれる「変化できる性格」です。もとの性格と違う自分を演じることは、自分を偽るというようなことではなく、私たちの可能性を広げてくれる、意義のあることなのです。

 

■ 私たちがキャラクターの外に出るのは、「大切にしているもの」があるからです。人間は、生まれ持った性格に従って行動するときに力を発揮することもありますが、愛情やプロ意識から普段とは違う行動をとることで、個人や職業人としての責任を果たそうとするのです。

 

■ 注目するテーマは、「コア・プロジェクトの持続的な追求が、幸福度を高める」というものです。持続的に取り組んできたプロジェクトを理解することは、これまでの人生の歩みを振り返り、自分自身を理解することと、将来の新たな可能性についての視座を得ることの両方に役立ちます。

 

Happy Collaboration!

 

読書メモ『デンマークの親は子どもを褒めない』…実際は褒めます

オリジナルはこちら

 

以前『俺のクレド』にも書きましたが、私は「みんなが自分と周囲の個性を大切に尊重しながら、幸福とつながりを感じながら生きる」世界が身の周りに拡がって欲しいと願っています。

でも実際には、「自分らしさや自分の感情を上手に隠して生きる」ことがますます拡がっていて、むしろそれが上手になることが、上手く生きるために必要と感じる人が増えているような…。

そんな社会や生活が良いものだとは、私には何をどうしても思えないのです。

 

一方で、理想的な生きかたを実現しているように私には見えるのが、デンマーク社会です。

視察旅行以来、デンマーク関連の本を読んだり、デンマークで暮らしている人や所縁の深い方たちとの交流を通じ、ずっと「どうしたら自分と周囲の個性を大切に尊重し、幸福を感じながら生きることが当たり前のことにできるのか?」と考え続けていました。

 

 

デンマークの親は子どもを褒めない』という本は、そんな疑問に1つの答えを与えてくれるものでした。

 

価値観が作られ積み上げられていく幼少期に、家でも学校でも一貫して「個性の尊重と幸せに生きる術こそが重要だ」と教わること。

教える大人たちが、自らがそれを実践し続けること。

それにより、世代を超えて価値観がつながり、社会のスタンダードとなっていくこと。

 


 

ところで、この本のタイトルの「子どもを褒めない」は、真意を伝えることに失敗しています。

 

「え、どういうこと?」と興味を持たせるには役立っているのでしょうが、どちらかと言えばこのタイトルゆえに手に取らせなくしてしまっていそうです。

本の本当の中身を説明しているのは、サブタイトルの『世界一幸せな国が実践する「折れない」子どもの育て方』であり、『The Danish Way Of Parenting – What the Happiest People in the World Know About Raising Confident, Capable Kids』という英語の原題です(「デンマーク流親業 – 世界一幸せな人たちが知っている自信と能力に満ちた子どもの育て方」が1番ストレートな訳ですかね)。

 

褒めます。褒めるんですよ!

ただその褒め方が、成長マインドセットgrowth mindset)を育む褒め方にあらゆる面で徹底しているんです。

具体例はこの本に譲りますが、「努力するプロセス」や「スキルを習得しようという意欲」に焦点を当てて褒め、硬直マインドセット(fixed mindset)と呼ばれる「人からの評価や生まれつきの能力に捉われる」ことがないような褒め方をしているんです(成長/硬直マインドセット自体をもう少し知りたい方には、こちらのページをオススメします)。

褒め方の他にも特徴的なものがいくつかあるのですが、この本ではそれをPARENTという5つの頭文字で紹介しています。

 

P: Play(遊ぶ) – 自由遊びが、適応力とレジリエンス(折れない心)を持つ「未来の幸せな大人」を育む。

A: Authenticity(ありのままを見る) – 正直な人は自尊心が強い。子どもの褒め方を工夫すれば、「硬直マインドセット」ではなく「成長マインドセット」が育まれ、キレない子どもに育つ。

R: Reframing(視点を変える) – 物の見方を変えると、親子共に人生がいい方向に変わる。

E: Empathy(共感力) – 「共感力」を理解し、実践し、教えることが、幸せな親子になるための必須条件。

N: No Ultimatums(叩かない) – 自分の正しさを主張する「権力争い」をやめて「民主型の子育てスタイル」にすると、信頼関係とレジリエンスが育まれ、子どもがもっと幸せになる。

T: Togetherness (仲間とつながる) – 幸せに生きるためには、仲間との強いつながりを持つことが、何よりも大切な鍵。「ヒュゲ(居心地のいい)」な環境づくりが、親から子へ贈る最強のプレゼント。

 

先に書いたのは、「A: Authenticity(ありのままを見る)」の部分ですね。

各章それぞれに印象的なポイントがあるのですが、ここでは「P: Play(遊ぶ)」「E: Empathy(共感力)」「No Ultimatums(叩かない)」から一部を引用してご紹介します。

 

「P: Play(遊ぶ)」

子どもは鉄棒にぶら下がったり、木登りをしたり、高い所から飛び降りることで、危険な状況を試しているのだ。自分にとってのほどよい度合いや対処の方法は、本人にしかわからない。自分が扱える量のストレスを自分でコントロールできていると感じることが重要であり、この経験が、自分が人生の舵を握っているという感覚につながるのだ(…)他人と一緒に遊ぶと、衝突もあれば協力する場面も出てくる。遊びを続けるためには、恐れや怒りなどさまざまな感情に対処する術を学ばなければならない。

 

「E: Empathy(共感力)」

本心を打ち明けたり、弱みを見せたりすることを恐れるのは、批判や拒絶をされたくないから。この恐怖感が、多くの人間関係をうわべだけのものに制限してしまう(…)一方、バルネラビリティの対極に位置するのが「他人を見下す」ということ(…)批判ではなくサポートが感じられる社会的つながりを持ったほうが、はるかに清々しい気分になれるのをご存知だろうか。
他人を見下し、常に人より上を目指すことの問題点は、「弱い自分」が浮上してきたときに、強い不快感や不安感を覚えることだ。

 

「No Ultimatums(叩かない)」

デンマークの学校では子どもに民主性を教える一環として、毎年生徒たちが教師と一緒にルール作りをする。年度の始めに教師と生徒が、良いクラスとは何か、クラスを良くするために何を重んじ、どう行動すべきかについて、長時間意見を交換するのだ(…)デンマークの教師は、「ディフランシェーア(differentiere「区別する」の意味)」という指導要領を学んでいる(…)教師は各々の生徒と一緒に目標プランを立て、年に二度、個々の成長をフォローアップする。フォローの対象は、成績、性格、人間関係など、生徒によって様々だ。

 

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私には子どもがいませんし、どちらかと言えば苦手です。そして、これまで幼児教育や学校教育について学んだこともありません。

でも、理想の社会を本当に求めるなら、そこは避けてはいられないなと強く感じました。

具体的なアイデアやアクションはまだ何もないけれど、好奇心や興味を教育にも持ち続けていこうと思っています。

 

この本からもう1つ私が得たものがあります。

レジリエンス(折れない心)のある幸福な子ども」を育てるためのさまざまなアドバイスは、私自身を「レジリエンスのある幸福な大人」に育てるためのものでもあるということです。

 

タイトルで誤解され、子育て中の親や教育関係者に手に取られないのはもったいなさ過ぎる一冊です。

さらには、個性を尊重する生きかたについて考えている大人も手にすべき一冊だと思います。

 

Happy Collaboration! 

 

訃報 八木橋(パチ)さん 118歳 著述家

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訃報 八木橋(パチ)さん 118歳 著述家

八木橋昌也(やぎはし まさや) 一九六九(昭和四十四)年九月二十七日、埼玉県生まれ。著述家。エナジャイザー。

 

先月29日、山梨県南巨摩郡の山林の中で発見された遺体が、パチの愛称で知られていた著述家で、元猫と幸せ研究所副所長の八木橋昌也氏であることが判明した。遺体解剖の結果、発見時はすでに死後3日程度経っていたと思われる。

 

遺体が発見された山林は、近年薬物性のきのこが取れることで話題となっており、故人の体内からは大量のアルカロイドが検出された。遺体近くに置かれていたスマホには「もうそろそろいいかな。あ、でも生き返るかもしれないよー」というメモ書きが残されていたことなどから、山梨県警では事故死と自殺の両面から調べているものの、事件性は低いと考えられている。

 

故人には近親者がいないことから葬儀の予定はない。なお、友人有志による会費制のお別れ会を、故人が十代の頃から通っていたサイゼリアにて開催予定(飲み放題)。

 

八木橋氏は海外視察ツアーの企画やアテンダントの他、講演やイベントの司会など多種多様な活動で知られていたが、「お役所でも海外でも、著述業って名乗っておくのが一番都合がいいんだよ」と後年は著述家を自称していた。

日本アイ・ビー・エムを退社後、北欧と日本を行き来する生活の中で感じたことを軽妙なタッチで綴った『デニッシュ・デイズ(かんき出版)』は十万部を超えるヒット作となったが、単著は六十年前に出版されたその一冊のみで、その他の書籍はインタビュアーやインタビュイーとしての対談集で、「言葉を形として残していくものはすべて著述。対談集っていうのは音楽でいえばセッションでしょ。だからおれの本はライブ・アルバムで、おれはライブ・ミュージシャン。」と嘯いていたと言う。

 

「猫に責任能力がないとして、猫を所長と認めないのは人間の怠慢であり傲慢である」という訴状で世を騒がせた「猫と幸せ研究所所長裁判」や、「千葉県クリスチャニア市運動」「マインドフル妄想会議」など、いくつかの社会性を伴う騒動を起こしたが、本人は「どれも実現性に難があることは分かっていた。でもプロの揉事家でいたかった」と、本紙のインタビューに答えている。

なお、上記いずれの事件においても有罪判決は受けておらず、また三十代前半までの暮らしなどに不明な点が多いものの、本紙調査によれば前科は確認できていない。

 

八十余年を共にした妻・清美さんを失った二千七十年以降はほとんど公の場に現れなくなったが、年に一度の「エナジャイザー祭り」にだけは欠かさず現れ、「エナジャイザーの元祖はおれだから」とだれかれ構わず小遣いをせびり、主催者を困らせていたという。受賞歴なし。

 

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マインドフルネスの手法の一つに、ジャーナリングというものがあります。

ノーテーマで、あるいはテーマを決めて書くのですが、重要なルールが「人に見せないことを前提に」「手を止めずに頭に浮かんだことをただただ書き続ける」ということ。

これで、心が整ったり、自分でも気づいていなかった欲求を見つけたりすることができると言われています。

 

…なのですが、今回「自分の死亡記事」をテーマに書いてみたら結構おもしろいものができましたので、半分くらい手を入れて、人に見せれるように書き換えてみました。

 

図らずも、明日は49歳の誕生日。ここで書いたストーリーが現実になるのは69年後の予定です。

Happy Collaboration!

 

ワークショップデザイン・実施 – 20のヒント

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数カ月前にとあるファシリテーション1日体験コースに参加したのですが、その際、講師のディランさんに『20 Lessons Learned in Designing and Delivering Workshops』という素晴らしいプレゼントをいただきました。

自分がワークショップを開催する前にチェックシート的に見直したり、勉強会に参加した後に読みながら振り返りをしたりするうちに、なんだかもっとたくさんのファシリテーターやセッション講師の人にも知ってもらいたくなりました。

 

そして先日、ディランさんに「日本語に翻訳してブログで紹介したい」と伝えたところ、快く了解をいただけました。ディランさん、ありがとうございます!

 


ディラン・スカダーさん

2008年よりマイルストーン会長兼CEO。ジュネーブの国連研修部門において研修分野でのキャリアをスタート。コーチングと組織開発のコンサルティングが専門。

 

ワークショップ・デザイン & 実施における20のヒント

 

1. If I ask the group a question, I’m careful not to answer it myself as participants will then often become passive. Instead, I get comfortable with silence and wait until someone replies. This creates an even flow of communication right from the outset.

グループに質問を投げかけたら、自分で答えは言わないこと。参加者が受け身になるきっかけとなります。なかなか手が上がらなくても、リラックスして黙って待ちましょう。これがセッション全体を通じたスムーズなコミュニケーションのきっかけとなることもあります。

 

2. I avoid calling on individuals. Instead, I show that I’m eager to hear from anyone in the group who has something to say. I may ask, “Who’s first?” and “Who’s next?”

特定の誰かを指名することはしません。代わりに「それでは最初は誰が?」「どなたか次は?」と聞くなどして、意見を求めていることを伝えます。

 

3. Gradually ‘disappearing’ myself is something I will do to confirm that the group is standing on its own legs, supporting each other, less dependent on the facilitator. I sometimes do this by slowly moving to the side or back of the room. I see this as a form of ‘scaffolding’.


じょじょに「自分を消して行く」ことでグループを自立させ、参加者がファシリテーターを頼るのではなく、互いにサポートしあう場を作ります。実際にゆっくりと部屋の隅や後ろに移動するようにしていて、私はこれを「足場作り」と呼んでいます。

 

4. I look for opportunities to build in peer-to-peer learning. When participants are able to teach the subject matter to each other, then they’ve really learned it well.

参加者が互いに教え合う場面を積極的に組み込みます。専門知識をシェアしあうようになっていれば、良い学びの場になっているということです。

 

5. I try to “get out of the way” of participants’ learning by using most of the time for them to speak – especially with each other.

参加者の学びの邪魔にならないよう、私ではなくできるだけ参加者が、それも参加者同士が話し合う時間を持てるようにします。

 

6. I keep in mind the danger of running a session that is ‘powerpointless’ – participants tend to focus either on the speaker OR the slides. It’s difficult to do both at the same time. Slides really are there only as support material for the discussion in the room.

パワーポイントの使いすぎでポイント不明にならないようご用心。意識を2つのものに同時に向けるのは困難で、参加者の意識は話し手とスライドのどちらかに偏るものです。スライドとは、参加者の対話を促すためにだけ存在しているのです。

 

7. I try to minimize anything that isn’t directly related to the learning objective. If we overload participants with information they only need to get through the session, we’re just facilitating for the sake of facilitating.

学習目的に直接関係しないことは最小限にするよう心がけています。情報量が多くなり過ぎると、参加者はただ情報を受け取るためだけの場としてしまいますし、ファシリテーターファシリテーションすること自体を目的化してしまいます。

 

8. I believe an important strength of team-based learning is that it mirrors how most workplaces actually function. It’s rare, for example, that individuals make executive decisions without facing the pressure of persuading their colleagues (or recognizing the error in their thinking).

私がチームベース・ラーニングに信を置くのは、それが職場の現実の写し鏡であることがほとんどだからです。実際のところ、個々人が同僚を説得することへのプレッシャーを感ずることなく(あるいは同僚の思考の誤りを意識せずに)重要な決断を下すということは滅多にないことです。

 

9. I’ve observed that participants often begin to doubt themselves if given enough time to worry. To prevent this, I get participants into an activity right at the start of the session. That way, they’re already doing what they came to learn how to do before wondering if they can do it!

考える時間があり過ぎると、参加者は自分たちを疑い始め心配してしまいがちです。対策として、私はセッションの始めからすぐにワークをしてもらうようにしています。こうすれば、自分たちができるかどうかなんて気にする間もなく、学ぶことを実践する他ありません。

 

10. I’ve learned not to be a ‘cheerleader’ for the content of my sessions, not to feel that I need to defend it. It can be more helpful to take the side of the participant and discuss honestly why a certain theory – for example – cannot be applied in the real world.

チアリーダーとなって自身のコンテンツやセッションを応援したり、守ろうとしたりはしないほうがよいと私はこれまでに学びました。参加者側に立って、「実社会ではこの理論は通用しない。なぜなら…」と言った具合に、正直にディスカッションをした方がよいでしょう。

 

11. Motivation is so central to the learning process that I sometimes ask participants to write down their goal at the beginning of a session, and then remind them regularly to use each stage of the session to consciously work toward their goal. At the end of the session, more often than not, they discover that they have naturally gravitated toward their goal.

学びのプロセスにおいてモチベーションの重要性は言うまでもありません。ですから、私は参加者に最初に各自の目標を書いてもらい、合間合間にそこへと向かっているかを確認してもらううことがあります。セッション終了後に尋ねてみると、ほとんどがそれが到達に役立ったと答えます。

 

12. Giving participants a chance to work with different people over the course of a session helps not only with creativity but also with building relationships. I think the latter adds to the overall success of learning events.

セッション中にグループやワーク相手を変えてもらうことで、想像力に刺激を与えるだけではなく、参加者のリレーションシップ構築にも貢献することができます。そしてこの関係性が学びのイベントの成功の一因ともなるのです。

 

13. I have found that escalating the level of challenge over the course of a session helps to keep participants excited about reaching ‘the next level’ and gives them a sense of achievement.

セッションの間に挑戦レベルを上げていくと、参加者のレベルアップへの熱意を掻き立て、達成感を与えることができます。

 

14. I have learned that what most participants want more than anything is attention. To do this without interrupting them, I walk around the room, lean into conversations a bit, and sometimes sit at the table to show participants that I’m interested in how they’re progressing.

ほとんどの参加者が何よりも求めているものは「注目」です。邪魔になることなくそれに応えるため、私は部屋を歩き回って彼らの会話に耳を傾け、ときにグループの一員となることで彼らの進捗に関心を持っていることを示します。

 

15. I find it to be a much deeper learning experience when I create an environment in which participants discover how to do something than for me to just tell them how others do it.

他の人たちがどうやっているのかを私が伝えるのではなく、参加者が自分たちで見つけ出せる環境を提供できたとき、彼らはより深い学びの経験を得ることができます。

 

16. I think it helps to give participants a sense of mission; an ambitious goal, limited resources, and some teammates – off you go! To me, this is symbolic of the challenge of life itself.

参加者にミッションを与えましょう。野心的なゴール、限りあるリソース、そしてチームメイトを! — これで準備万端です。私にとって、これらは人生という挑戦のシンボルに他なりません。

 

17. My default assumption is that the most important technology needed for the session will fail. I prepare therefore to run my sessions as completely ‘tech-free’ events just in case.

もっとも重要な機器にこそトラブルは起きる — セッションにこう考えて臨むようにしています。「機器なし」でも問題ないように準備し備えておく、これで「危機なし」ですね。

 

18. Humor is a wonderful gift that transcends all walls and brings people closer together. I tend to be more serious by nature, but I welcome humor wherever it appears.

ユーモアにはあらゆる壁を取り払い、人びとを近づける素晴らしい力があります。私はつい真面目になり過ぎてしまうたちなので、ユーモアのチャンスは逃さないよう心がけています。

 

19. For me, the most natural and effortless relationship is the one I have with participants. I do what I do for them. The organizers, sponsors and administrators are all important, but the facilitator- participant relationship is the one that counts most.

私にとっては、最も自然でいられるのは参加者と私の関係性です。私がセッションをやっているのは彼らのためなのですから。主催者もスポンサーも管理者もすべて重要ですが、ファシリテーターにとって最も重要なのは参加者です。

 

20. The most important guideline I use is keeping the learning exercise as realistic or “true to life” as possible. Simulating in this way helps to overcome the ‘transferability’ problem of whether what has been learned in a workshop can be applied to the workplace. When the practiced behavior is identical to the target behavior, the transferability question disappears.

私が使用している最も重要なガイドラインは、学習の機会を可能な限り現実に、つまり「実際の姿」に近づけるということです。こうしてシミュレートすることで「移転性」の問題は克服され、ワークショップからの学びがどのようなものであれ職場に適用しやすくなるのです。練習が実際と一致していれば、移転性の問題は消えさります。

 

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いかがですか?

私にとっては、とりわけ1の<沈黙を恐れるな>や7の<ファシリテーションを目的化するな>、10の<コンテンツを守ろうとするな>や20の<可能な限り実際の姿に近づけろ>などが、今後セッションをやる際に忘れずにいようと強く思わされたものでした。

きっと、みなさんにとっても有用なものがあったのではないでしょうか。それではまた。

Happy Collaboration! 

 

パチ編-充実とは価値観が満たされた状態である

オリジナルはこちら(2018/8/16)

 

充実とは価値観が満たされた状態である』というゆのんさんのnoteが目に飛び込んできて、Delivering Happiness Bootcampにも興味を持っていたし、価値観ベースの生きかたや働きかたにもずっと興味を持ち続けている者としては、「自分の価値観を調べるワーク」をやらずにはいられませんでした。

まずはあまり深く考え過ぎず、33+1の価値観の中から、トップ10に絞りこんでみました。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
6. 貢献 7. 創造性 12. 自由 13. 幸福 15. 内なる調和
17. 独立 24. 快適さ 26. 責任感 30. 自己への尊敬 31. 社会的認知
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

そしてそこから、45この個別対戦へ。
ところがこれが結構難しい。価値観を示す言葉がすごく近いもの同士だったり、遠いものだったりすると、比較の土俵にうまく乗ってくれない…。

例えば、<12. 自由>と<15. 内なる調和>とか、<24. 快適さ>と<31. 社会的認知>とか。
なので、こんな風に考えていました。

自由がなくて内なる調和を保てるか? いや、できない。
内なる調和が保てないまま自由でいられるか? うん。いられる。 — よって自由の方が重要。
楽しめなくても尊敬されれば満足できるか? いや、できない。
社会的認知を得られなくても遊びのある人生を過ごしたいか? うん。間違いなく。 — よって快適さの方が重要。

じゃん。

おれにとって大切な価値観は「自由(独立、自由な選択肢、自主性) 」「快適さ(楽しめる、遊びのある人生) 」「幸福(満足した状態)」。
まあ想像通り。

じゃあ、この価値観を大切に出来る行動とはなんだろう?
自主性と自己判断がベースで、楽しさを追求できて遊びがあって、well-beingを感じられる行動…。

自分の思ったことを、誤解を恐れながらでも書くこと、伝えること。
いろんな人と話して、違いを見つけ出しながらつながること。
自分の感覚を大切にして、好き嫌いをないがしろにしないこと。
価値を提供できそうな場所を探して、積極的に関わること。

日常的に今やっていること、それからとやろうとしていること、どうやらそのまんまみたい。
100パーセントではないけど、これが充実ということなのか、な?

 

おまけ。

価値観を調べるワークやアセスメントが好きで、これまでもいろいろやっています。
そして個人的には、人は自分にとって重要な部分をどんどん伸ばしていく方が天井知らずに成長できると思うし、間違いなく幸福感も高いと思っていますが、一方で弱みというか、ピンとこない部分を認識しておくことも大切だと思っています(さらに言えば、その弱みを受け入れて周囲に開示できれば、最高だと思っています)。

その観点から、「Kenexa職業的パーソナリティ調査」の低いスコア項目へのアドバイスは、やっぱりとても貴重だなと思うのです。

IBM Kenexa職業的パーソナリティ調査による23の性格特性 : 
大衝撃 – 職業的パーソナリティ調査の結果を開示します

■ ドナルド・E・スーパーさんの14の労働価値をベースにしたもの : 
働きかた改革準備 – 「働く」の意味と14の労働価値

■ ワーク・ファクターをベースにしたセルフ・アセスメント : 
Fit for You – 働きやすさと働きがい

 

これからもたまにはnoteも書こうっと。

Happy Collaboration!

 
 

パワー・オブ・ソフトスキル – Power of Soft Skills #2

オリジナルはこちら(2017/11/29) 

 

ソフトスキルについて、頭の中にあることを書き出した<パワー・オブ・ソフトスキル – Power of Soft Skills #1>の続きです。

IBMの社内セッションで話す<スキル・リーダーとしてみんなに伝えたいこと>を念頭に置いているので、ちょっと偉そうな感じになっちゃっているかも…ですが、けっこう良いこと書いている気がします(自分を信じるられるのもソフトスキルかな? ww)

 

 

■ 実体験から思う、ソフトスキルの重要性とそれを手にする方法

Please share with the audience the importance of Soft Skills based on your experience, suggestions and recommendations on how to acquire these skills.

 

・ つけるというよりついてくるのがソフトスキル

<つけるぞ!>と頑張ってつけられるものもあるのでしょうが、それよりは経験と実践により<ついてくるもの>と捉えた方がよいのかなと思っています。なので、あなたが欲しいと思っているソフトスキルが必要とされる場に自分をどんどん連れて行くことが重要ではないでしょうか。

 

例えば、適応力やコミュニケーション力を高めたいのであれば、自分が<アウェーだな>と感じるような場所に一人で出向いて周りの人たちに自分から話しかけてみるとか、ワークショップや対話イベントに参加して、その場で足りていないものが何かを考え、自分がそれを提供してみる、あるいは提案してみるのがいいんじゃないでしょうか。

どんなスキルも発揮する機会が多ければ多いほど、よりしっかりと身につくと思います。

 

・ 違和感にきちんと向き合うことでイノベーティブになれる

創造的思考とかイノベーティブ思考と呼ばれているものを身につけるには、自分が日常で感じる違和感を「まあそういうものか」と流し、忘れ去ってしまうのではなく、「何に対して自分が違和感を感じているのか」を考える癖をつけるのがよいんじゃないかと思っています。

別に、キレイにまとめる必要はないし、なんなら<考えたけど分からなかった>という結論でも構わなくて。重要なのは違和感のコアに近づこうとする姿勢じゃないかな、と。

 

私の場合は、特に価値観の違いやズレに敏感なところがあると自己分析しています。

その<自分と周囲のズレが生じる構造>みたいなものをなんとなくでも掴んでいると、それを逆手にとってありきたりなものから離したり、独創的なものにつなげていったりしやすくなるんような気がしています。

 

・ 自らに肩書きをつけて名乗る。活動をソーシャルにレポートする

私は<コラボレーション・エナジャイザー>を肩書きとし、名刺にもそのタイトルを印刷しています。これには<自分をブランディングして覚えてもらう>という狙いもありますが、<自分をやらざるを得ない状況に追い込む>という効果もあります。

だって、コラボレーション・エナジャイザーがコラボレーションに熱心に力を注いでいなきゃおかしいですよね? (あ、<エナジャイザー>って、パワーとか勇気とかを人や場に注ぎ込む人のことです。)

 

この肩書きにより、コラボレーションについて深く考えることを自らに課せます。そして考えたことを実践したり発表したりすることで、多くの人からさまざまなコラボレーションを求められるようになります。そして今度はそこで得た経験や知識を発表したり、別の機会にあてはめて…また今度は…。

と、こんな具合に、肩書き名乗ることでその肩書きにふさわしい活動が増えていき、自分の専門性が上がっていきます。なりたい自分に近づけます。

もちろん、肩書きも活動も、知ってもらえなければ何も引き出さないので、それを積極的に伝えていくことも必要です。ブログやソーシャルウェブなど、そのために有効活用できるものは社内外にたくさんありますよね。

 

・ <好き><得意><必要>とされている仕事を追い求めること

身に付けたいスキルがなんであれ、習得するには時間がかかります。逆の見方をすれば、時間がかかっても苦にならないものほど身につきやすいということです。

 

  • <好き>なものは、取り組んでいることそれ自体に楽しさや喜びを
  • <得意>なものは、苦労が少なく自己能力を実感できるので満足感を
  • <必要>とされているものは、自分がそれをすることで感謝されて嬉しさを

 

そんなわけで、<好き><得意><必要>なことや分野は長く続けられて、スキルの習得や熟成に向いています。

最近友人が貸してくれた本<外国人が見つけた長寿ニッポン幸せの秘密>では、この<好き><得意><必要>にもう一つ<稼げる>を足して、4つすべてが重なったものが<ikigai>と呼ばれていると言う話が書かれていました。

(そこから興味を持ち、先日「いきがいダイアグラムで自分の仕事を棚卸ししよう」というワークショップにも参加してきました。)

 

 

■ 最後に – 最重要ソフトスキルは<自分自身を好きでい続けられること>

ソフトスキルもハードスキルも、どちらも<もっと幸福になるため>の道具だと思います。

そして何を幸福と感じるかは千差万別で人それぞれですが、不幸になる方法はわりと共通している気がします。それは自己嫌悪、<自分を嫌いになること>です。

自分が嫌いだと、何をしても幸せにはなれないですよね?

 

最近よく<近い将来AIやロボットに取って代わられる職業>みたいな話を目や耳にします。そして<人生100年時代に重要なのは学び直しとチャレンジ精神>みたいなこともあちこちで言われています。その通りだと私も思います。

でも、どんなに心配しても、それに備えても、安心や保証は手に入らないと思うんですよ。結局は、あらゆる状況に対して<自分は大丈夫。なんとかできる>と信じられることが最強のスキルじゃないでしょうか。

 

では、どうすればその<大丈夫。なんとかできる>が身につけられるのか?

— 答えは分かりませんが、今のところ私が取り組んでいるのはマインドフルネスの呼吸法と慈悲の瞑想です。

やり始めてからそろそろ10カ月目に入るところですが、私には効果があるようで、心配し過ぎてしまったり漠然とした不安に襲われて嫌な気分になることは、ほぼ無くなりました。

 

マインドフルネスに興味がある方は、これまでに何度かブログに書いていますので、そちらも読んでみてください。

ベースサプリとエナジードリンク – マインドフルネス半年経過レポート

 

Happy Collaboration!