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Pachi's Blog Annex ~自薦&自選よりぬき~

『Pachi -the Collaboration Energizer-』の中から自分でも気に入っているエントリーを厳選してお届けします♪

グループインテリジェンスに関するレポートから

オリジナルはこちら(2012/12/3)

 

今回は、先日読んでなかなか面白かったExecutive Report『集合知による課題解決のアプローチ ―ソーシャル時代における新たな「知」の効果的な活用とは― 』の中から、興味深いと思った言葉と印象的だった言葉をコラージュして紹介しようと思います。

 
下記ページからダウンロードできますので、気になるところがあるようでしたらぜひ全体を読んでみてください。

イノベーションが次々と生み出され、顧客の期待が高まり、人材がますます分散化しているグローバル環境において、多くの企業は、地位や職業を問わず、個人の知識と経験を効果的に活用する必要性を感じている。また、企業が「ソーシャル・ビジネス」を志向するに従って、顧客の意見や価値観を取り入れることはこれまで以上に重要になっている。
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幸いなことに、さまざまな層の知識、洞察、専門技術が結集し集合知の効果的な活用は、現実のものとなりつつある。個人がアイディアや意見をWeb上で共有することに慣れていけばいくほど、企業はこれらの知見を活用してビジネスの重要な課題に対処することができるようになる。
 
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集合知の活用を成功させるには、以下の3つの対策が必要である。
  • 抵抗が生まれる原因(運用の課題、既存のしきたりとの対立、管理職のマネジメント能力の不足、役割と責任の変化など)に対処する
  • 集合知職場の文化に馴染み、職場のITもうまく活用できるように工夫する
  • 集合知発見に基づいてアクションを取り、その価値と成果を組織にも個人にも伝える
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従来のアプローチと新しいアプローチのいくつかを組み合わせることで、企業は従業員、顧客、ビジネス・パートナー、消費者、外部の専門家その他のネットワークを活用して、以下のようなことに取り組めるようになった
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  • 市場を揺るがすような革新的な新製品/サービスのアイディア発掘
  • 効果的なビジネス・プロセス改善と効率化手法の開発
  • エンド・ユーザー /顧客のフィードバックに基づく製品の改良
  • 顧客との共同商品開発によるエンゲージメント向上とブランド・ロイヤルティー強化
 


Citiは96カ国2万人以上の従業員を対象とするコラボレーション・イベント(Jam)を開催し、88カ国から6,000人を超える従業員が登録した。この55時間のイベントにおいて、参加者は平均すると4時間もの間、討議に参加していた。イベント終了後、運営側はログを分析して異なる議論の内容を関連付けたり、新たな洞察を見出すべくコメントを深掘りしたりした。

Global Franchise Initiativesのマネージング・ディレクターであるMei Li Tan氏によると、このJamはあらゆる階層の社員集合知を全社的に活用して将来の方向性と戦略を検証しただけでなく、従業員のエンゲージメントを高めることになった。これは、彼らのアイディアが尊重され、ビジネスのアクション・プランと施策に取り入れられたためである
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現場やローカル・オフィスで手に入る専門知識を活用するために、El Pasoはコラボレーション・ツールを導入し、従業員が事業部門を超えてベスト・プラクティスと知識を共有できるようにした。このプラットフォームには、従業員のプロフィール、スキルと専門知識のデータベース、ロケーション情報、ケース・スタディー、その他の関連情報が含まれている。
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このような実践コミュニティーの成果として、El Pasoは初年度に120万ドルのコスト削減に成功した。これは、直接経費の削減、サイクル・タイムの短縮、生産性の向上についての情報共有が実を結んだのである
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集合知活用とは、企業が幅広くアイディアや情報を収集することだけではない。集めたアイディアを実現する際も集合知のアプローチにより世界中に散らばった労働力や才能を活用することができる。仕事を必要なスキルやレベルに応じて分解し、それに合った社内外の人材に割り当てることで、品質の向上が見込まれる。さらに、仕事を分解して複数の人に割り当てることにより、いくつかの作業が並行して進められるため、完了までの時間が短縮される。イメージ
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群衆を動員したデジタル写真ライブラリーのタグ付け

写真タグ付けの新興企業であるTagasaurisと写真家集団のMagnum Photosは、説明や分類情報を持たないMagnumライブラリーの写真の内容とテーマを特定するという膨大な作業のアプリケーション・ベータ版を開始した。

現在、オンライン・ライブラリーに保管されている50万枚の写真の半数近くがこのカテゴリーに該当する。Magnumは、35万人近い同社のTwitterのフォロワーにこの作業への支援を依頼した。新しい写真がレビュー可能になると、参加者に通知が送られる。参加者はアプリケーションにアクセスし、写真にタグを付けてリファレンスを記載する。数名の参加者から同じ内容のタグが付くことで、その写真のタグが認識され、品質保証プロセスを経た後、検索可能なオンライン・ライブラリーに追加される。

参加者にとっては、未公開の写真を閲覧できることが報酬となるが、Magnumは参加者が作業した写真家のサイン付き限定グリーティング・カードやカレンダーの贈与など、別の形での報酬についても検討している。
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市民科学者のゲーマーが数十年来の問題を3週間で解

ワシントン大学の科学者たちは、オンライン・ゲームの手法によって、生物医学研究の困難な課題を解決した。レトロ・ウイルスに関連する酵素の結晶構造を解明するさまざまな試みが失敗したのち、科学者たちはタンパク質の折り畳みゲーム「Foldit」を開発し、タンパク質の正確なモデルを作るために市民科学者の支援を募った。Folditでは、誰もが簡単な折り畳み手法を学んで仮想分子を操作できる。 

さまざまな学歴と居住地から57,000名を超える人々がこのゲームに参加した。ゲームの参加者は、長年にわたって科学者を悩ませてきた難問を3週間以内に解決し、レトロ・ウイルスの新薬開発に重要な知見をもたらした。
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参加者集団の規模

適切な参加者集団の規模は解決しようとしているビジネス課題によっても異なるが、これまでの調査の結果、いくつかの重要な原則が明らかになっている。まず集合知のそれぞれのアプローチで十分有益な洞察を得るには、一定数以上の積極的な参加者が必要である。例えば、実践コミュニティーの活動では、コミュニティーを活性化させ取り組みを維持するのに、最低でも20 ~ 30人が必要になる。これがバーチャル・ディスカッション型の場合は、数千人とは言わないまでも数百人規模は必要となる。結局のところ、適切な集団の規模は、図2に示す3つの要因に基づいて決まる

 
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破壊:ブレイク・スルーをもたらす創造的破壊の観点を備えた参加者は確保されているか。ディスラプターとは、常識に挑戦し、独自の考えで現状を打破することに意欲的な人物であり、その多くが前向きな思考の持ち主である。対象者集団に十分な多様性が確保されている場合でも、こういった人物がいて議論を活性化させることは必要だ。これにより、集団思考や群集心理が緩和され、さらに優れた解決策にたどり着く可能性が高まる。
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社内の集合知活用の場合も、参加者の動機付けが難しいことに変わりはない。ギフト券やTシャツ等のささやかな贈り物による外発的動機付けは、一部の人にとっては参加のインセンティブとなるかもしれないが、より注目したいのは内発的動機付けをうまく活用した例である。多くの参加者にとっては、自分の貢献が仲間に認知されること、新たな人脈作りやキャリア開発の可能性、または自分の意見が意思決定者の耳に届くという認識がモチベーションの源泉になっている。先進的な組織においては、知識が豊富な社員だけでなく、自分の知識や洞察を他者と共有できる社員が評価されるということを、人々は認識しつつあるようだ。イメージ
 
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取り組みの主催者と参加者との信頼関係が参加者を動機付けるもう1つの要因であることは、多くの研究者と組織のリーダー達によって明らかにされている。信頼は以下のような形で参加者に示される。
  1. 提案したアイディアは尊重され、努力が認められる
  2. 知的財産所有権の共有に関する合意が守られ
  3. 参加者のフィードバックは評価され、それに基づいたアクションが取られる
 
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集合知施策が1回限りのイベントであれ、継続的な変革の一環を成すものであれ、参加者を巻き込んで積極的な関与を引き出すには、丁寧に信頼関係を構築する期間が必要である。信頼関係構築のために行うこととしては、オープンで協調的な知識共有文化を示すコミュニケーション活動、貢献がきちんと評価され、それに基づいて何らかのアクションが取られることの明示、信頼を損なう恐れがある好ましくない行為を直ちに認識して抑止するシステムの整備などが考えられる。 
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皮肉なことに、業務責任者として集合知を最も活用できるはずの中間管理職層が抵抗勢力となっているのが実態だ。多くのケースでは集合知の施策によって業務の担当要員を減らし、納期を短縮することは可能なはずである。しかし、施策がこれを実現することができず、投資収益率(ROI)とその他の利益を速やかに達成できない場合、施策は勢いを失い、さらには経営幹部の支持も失うことになる。イメージ
 
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IBM Institute for Business Valueが実施した創造的なリーダーシップに関する最近の調査では、こういった局面におけるリーダーの考え方の重要性を明らかにした。ここで求められるリーダー像とは、目標達成のために斬新な方法を受け入れるリーダー、積極的にアイディアを共有し、メンバーにもそうするよう促してチームに創造的な活気を作り出すことができるリーダーである。そのために、マネージャーは支配力ではなく模範や創造的な動機付けによってメンバーを動かし、業務遂行の効率化と品質基準の達成を実現できるようになることが求められている。
 
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集合知施策をビジネスに取り入れようとする組織は、課題の条件に合わせて参加者の範囲(社内/社外、複数部門など)を調整し、参加者が法的責任と道義的責任(規制当局、現地の法律、行動規範の順守など)を認識するよう、うまくコミュニケーションを取る必要がある
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集合知技法、ソリューション、プラットフォームの発展は今後も注目されていくだろう。そこには、イノベーションと競争優位を促進する大きな可能性が秘められているからだ

Happy Collaboration!