コミュニティーに必要な「役わり」と「言いわけ」
オリジナルはこちら(2013/04/22)
どこで読んだのか誰のブログだったのか忘れてしまったのですが、ここ数日ずっと頭に残っている話があります。
娘のおままごとに付き合い、男の子を演じていたおとうさん。
もうそろそろ切り上げようとお母さん役の娘に「xx、もう十分遊んだだろ」と言ったところ、「xxくん、ダメじゃない! そんなこと口に出したら世界は崩壊しちゃうのよ」と言われ…。
と言うような話しです。
今、いくつかのキーワードなどで検索してみたのですが、見つけられませんでした(誰かご存知でしたら教えてください)。
「コミュニティー・ビルディング」とか「オンライン・コラボレーション」とかについてディスカッションするたびに、直接的に強い関係があるわけではないのですが、なぜかこの話しが鮮烈なイメージと共に頭に浮かんできます。
人って、役わりを与えられると、それをまっとうしようとしませんか?
ちっ ちゃな子どものときから、そして学生時代を通じて、「男の子なんだから男の子らしく」とか、「もう中学生なんだからスポーツばかりじゃダメ」とか、「学級 委員長なんだからお前がクラスをまとめなくちゃ」みたいな、そんな言葉と期待を毎日目に耳にして過ごしたせいかもしれません。
(個人的にはこういう「刷り込み」や「ステレオタイピング」に対して大いに不満を抱えているのですが、今回のエントリーでは、それを言いたいわけではありません。そちらはまた別の機会に。)
ということで、今回のメインメッセージは
私たちには、役わりを与えられるとそれに答えようとするという特性があるのだから、コミュニティー活動やコラボレーション実践の場でも、それを上手に活用しよう!
です。
例を挙げてみます。
- ミーティングのファシリテーターやコーディネーターなど、場のリードをお願いする
- 集会の計画作成や、ニュースレターの編集など、イベントやタスクの事務局をお願いする
こうして指名することで、活動や取り組みに対する相手のスタンスを大きく変えることができるケースが多いと思いませんか。
「ファシリテーターなんだから、周りの人たちの意見を引き出さなきゃ」とか、「編集役なんだから、原稿の提出を督促しなきゃ」とか、そんな風に積極的に自分から動いてもらう状況を作り出せると思うのです。
とりわけ、コミュニティーがまだフワッとしている段階では、特に有効だと思います。
ただし、こうした役わりを嫌う人もいます。
そういう方には、日々の活動内で、さりげなく役わりを与えるという、違うアプローチが良い気がします。
例えば「小さな子どもがいる」「海外暮らしの経験がある」「3時間半でフルマラソンを走る」「ネット通販マニア」などなど、その人の持つ特徴的な要素や他のメンバーと違いを挙げ、その視点を意識して発言してもらうようにお願いするのもいいでしょう。
ただし、最初の比較的分かりやすい役わりでも、次に書いたさりげない役わりでも、どちらにも共通するとても重要なポイントがあります。それは
その人が、役わりを与えられていることが他のメンバーにもきちんと分かるようにしておくこと
です。
「役わり」がコミュニティーやコラボレーションで効果を発揮するのには、先に書いた「役わりを与えられるとそれに答えようとするという特性」だけではなく、もう一つ、セットになっている理由があります。それが
役わりが言いわけをしやすくする
ということです。
例を挙げてみます。
- 「なにお前いい子ぶってんだよ!」という冷やかしへの「だって俺、学級委員なんだから仕方ないだろ」という返し
- 「ずいぶんと熱心じゃないか、君らしくもなく」という冷ややかなコメントへの「ええ、コミュニティー・マネージャーですから」という返し
上の2つ、聞かれる場所は違えど、本質的には同じです。
こういう言いわけが用意されていることで、人は動きやすくなりますよね。
こんな言い回しもできるかもしれません。
従来のピラミッド型組織構造で用いられた人の動かしかたの特徴: 役わりと責任
ソーシャルなコミュニティーで用いられる人の動かしかたの特徴: 役わりと言いわけ
ちょっと大げさですかね?
実際には、どちらかだけでうまくいくものではなく、両方を使っていくことになるでしょう。
今回書いたことは、オンラインでもオフラインでもあてはまることだと思っています。
もちろん、エンタープライズ・ソーシャル(社内SNS)上に作られたコミュニティーにも応用できますよね。
コラボレーション・エナジャイザーとして、今後もコラボレーションやコミュニティーにエネルギーを送り込む方法について考えていきたいと思っています。
皆さんも、コミュニティーの活性化や盛り上げに役立つTipsやアイデアをお持ちでしたら、ぜひFacebookやTwitter、ブログへのコメントなどで共有してくださいね。
Happy Collaboration!
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