Pachi's Blog Annex ~自薦&自選よりぬき~

『Pachi -the Collaboration Energizer-』の中から自分でも気に入っているエントリーを厳選してお届けします♪

中竹さんにやる気とチームづくりとスタイルについて聞いてみた

オリジナルはこちら(2013/07/13)

 

 

イメージ7月11日(木)、ミッドタウン 7Fのd-laboコミュニケーションスペースで開催された『自分と他人のやる気をマネジメントする』というセミナーに参加してきました。

 

スピーカーは、数年前に『リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは』を読んでから、ずっとお話しを聞いてみたいと思っていた元早稲田大学ラグビー蹴球部監督、元ラグビーU20日本代表監督の中竹 竜二さんです。

ここ2年半ほどの間に中竹さんの著書を4冊読み、すっかりファンになっていたのですが、ついにセミナーに、それも60人ほどの少人数のインタラクティブなセッションに参加できて大満足でした!

今も頭と心の中に、いくつもの言葉やエピソードが鳴り響いているので、紹介したいと思います。
 

 

 

 

 

 

 

■やる気の不思議  やる気 = 普遍 × 個別 × 環境・状況

 

 

 

・「がんばってね」と「がんばってるね」はまるで違う。

 

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「がんばってね」は、時として無責任っぽさや他人事っぽさという印象を与える。

 

ところが「る」のある「がんばってるね」は、あなたの頑張りを見ています、知っていますという「認知していること」を伝える言葉。

 

この認知が相手に大きなやる気を与える。

 

 

 

 

 

・『子どもに使ってはいけない10の言葉(と代わりに使うべき言葉)』(lifehackerより)

 

上位3つを見てみます。

 

3. × 「絵が上手ね!」  「何を描いたか教えてくれる?」
2. × 「いい子ね!」      「お手伝いしてくれるから、とってもうれしいな」
1. × 「よくできたね!」  「頑張ったんだね!」

 

 

 

このトップ3は、それぞれ以下の意味あいを持っています。

 

3. 評価を与えるのではなく子ども自身に語らせることで創造性を育てる

 

2. 褒められたいから良いことをするのではなく、行動がどんな心理的影響を与えるかを伝える

 

1. 結果よりも努力したという行動そのものを評価する

 

 

 

子どもに対して、「成功」という結果だけを認知したよと伝えていると、それが確実に得られるものしかしなくなるという話は、一度や二度の失敗で大きなバッ テンが付けられる消去法の評価が企業内のチャレンジの芽を摘み取り、何事をも凡庸にしていくという話しに通ずるものですね。

 

 

 

 

 

・「対極法」--期待するな!

 

口下手な選手をキャプテンに選んだら、むしろ「人前でしゃべるな!」と指示してみる。

 

相手の特性に反すること、向いていないことを期待してしまうから、相手はそこを頑張ってしまう。

 

そしてそれがプラスの特性の部分までをもおかしくしてしまうことも多い。

 

 

 

 

 

 

 

 

■チーム作りとメンバーシップ

 

 

 

・チームの定義

 

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そこにいる全員が成長できるのがチーム。
(ここのところずっと気になっているテーマで、先日も『グループとチームとコミュニティーの違い』というエントリーを書いたところでした)

 

早稲田ラグビー部の120人のうち、本当にやる気のあるのはレギュラーの15人、そして準レギュラーの15人を足して30人程度。

 

 

 

 

 

・個人面談での立ち位置

 

上からではなく前からでもなく、隣・後ろから背中を支え「俺はお前よりお前のことを考えている伴奏者だ。100パーセント支援するためにここにいる」と伝える。

 

「俺の方がお前のことを考えてる」と本気で言えるまで相手のことを考える。

 

人は本音を言わないやつに本音を言わない。

 

個人面談の際には、「お前のことを良く知らないんだ」とか「お前のことホントはあんまり好きじゃないんだ」とか、そうした言いづらいこともはっきり言う。その上で「でも、面談やってる時は監督じゃなくて、お前の最大のパートナー」と伝えきる。

 

 

 

 

 

・相手の話を聞くときは、おうむ返しをするだけでも深い自省に導くことができる

 

 

 

 

 

 

 

 

■スタイル(自分らしさ)の追求

 

 

 

・ピンチとチャンス

 

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ピンチの時にこそ人の本性は出る。事態が悪化したときの言動にこそ人の真価は表出化するし、人々はそれを見ている。

 

選手には、年に一回はチャンスを与えることを宣言していた。ただし、それがいつ来るのかは分からない。ヤル気のある人間は、常に「その時」を意識して行動している。プレッシャーに打ち勝ち、チャンスに応えられるように準備している。

 

 

 

 

 

・スキルよりスタイル

 

「強い相手には通用しないから」と自分から得意技を封印したり、プレースタイルを変えるのであれば、それはスタイルではない。それは確立していないということであって、それをスタイルとは呼べない。

 

 

 

・スキル:   実用性/良し悪し/ナンバーワン/点

 

・スタイル: 一貫性/有り無し/オンリーワン/線

 

 

 

 

 

 

 

講演終了後、最後まで待って中竹さんにいくつかの質問をさせて頂きました。

 

年に一冊しか本を読まないのが読字障害だからという話や、それでももともと深い付き合いのある楠木さんの『ストーリーとしての競争戦略』の中身がどうしても知りたくて、本人に内容を聞いたという話など、なんだか人としての魅力にますますファンになってしまいました。

 

 

 

それにしても、本を通じて確信していましたが、改めて本当にブレない人です。

 

著作を読みながら「中竹さんはロックンロール・スピリット溢れる方に違いない」と思っていたのですが、昨日の講演、それから講演後の参加者との個別の会話を聞いて、その思いをいっそう強くしました。

 

 

 

自分らしさに対する信念と、あらゆることに対する「深堀り&徹底度」が半端ないです。「ブレない度」の強度が明らかに常人の域を超えています。

 

 

 

私は「日本一オーラのない監督」という中竹さん本人がご自身に付けられていたキャッチフレーズには、「日本一オーラに頼らずにナンバーワンに導く監督に なってやろうじゃないか」という強い意思と覚悟の込められた言葉だったんじゃないかという気がしています(きっと本人は否定する気がしますが)。

 

来月、新著が2冊出るそうなので楽しみに待とうと思います。

 

 

 

Happy Collaboration!