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Pachi's Blog Annex ~自薦&自選よりぬき~

『Pachi -the Collaboration Energizer-』の中から自分でも気に入っているエントリーを厳選してお届けします♪

私論: システム・オブ・エンゲージメント(SoE)

オリジナルはこちら(2014/2/12)

 

自分自身にもまだ十分浸透しきっていないところもあるけれど、これが今後の自分のスタイルにも通ずる重要なコンセプトであることは間違いないと思うので、一度アウトプットしておきます。

 

 

■システム・オブ・レコード(SoR)からシステム・オブ・エンゲージメント(SoE)

 

「システム・オブ・レコード(SoR: System of Record)からシステム・オブ・エンゲージメント(SoE: System of Engagement)へ」は、情報技術やシステムアーキテクト視点だけの話ではない

SoRかSoEへの変化は、思考のスタイルや、判断の基準を変えるもの

個人や企業は「自分たちは誰なのか「自分にとって一番重要なものは何なのか」を忘れることなく、「どこを目指すのか」「何を拠り所とするのか」を常に自身に問い続けながら、自分(たち)の価値観や姿勢に基づいた判断や決定をくだしていくことが求められる

 

かなり先走って書きましたが、そもそも「システム・オブ・レコード(SoR)」と「システム・オブ・エンゲージメント(SoE)」とは何なのかを、整理してみます

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Systems of Engagementは、『キャズム』の著者、ジェフリー・ムーアが2011年に出版したホワイト・ペーパーSystems of Engagement and The Furute of Enterprise IT』により広まったビジョン。

このペーパーを基にしたと思われる約30分の講演Geoffrey Moore Keynote: The Future of Enterprise IT』がYoutubeに公開されている。

詳しくは上記のホワイト・ペーパー、および講演に詳しいが、大雑把にまとめると、下記が骨子となる。


●ソーシャルウェブが人間や文化に強い影響を及ぼし、今や関係性はデジタル化

●関係性がデジタル化した世界で、企業だけがそれと無関係でい続けることなど不可能。社内にサイロ化して閉じたシステムと、そこに記録されたデータだけでやっていけるわけがな

●記録からつながりへ。成功か失敗かが決まる「モーメント・オブ・エンゲージメント」の現場にいるのは誰なのかにフォーカスすべ

 

 

■SoRはいわゆる基幹系システムSoEは最近のSNS


もう少し、別の説明をWebから引用してみます。

 

わかりやすく言えば、SoRはメインフレームが得意としてきたいわゆる基幹系システムで、SoEはメールとかグループウェアとか最近のSNSのようなシステム

(日本アイ・ビー・エム株式会社 システムズ & テクノロジー・エバンジェリスト 北沢 強)

https://www.facebook.com/IBM.Kitazawa/posts/379444145506025

 

Systems of recordは、従来からの考え方でITによる管理のことでERP、ファイナンシャル、HRトランザクションシステム、いわゆる旧来のビジネスシステムの類です。これらは、頻繁に従業員が2倍必要になったり、一晩でアカウンティングの根本を変更しない限り、ある程度固定化されています。しかし、systems of engagementはパートナーやお客様、システムに関わるサプライヤーのものです。従業員の数より、より多くのお客様やパートナー、サプライヤーが居るはずです。これらのシステムには変化に対応する動的なものが必要ですし、季節要因や市場の変化への迅速な対応が求められます

(Dell テックセンターブログ【第八回】 OpenStackボードオブディレクターTalk - Cisco Systems VP/CTO Lew Tucker氏)

http://ja.community.dell.com/techcenter/b/weblog/archive/2013/05/02/openstack-talk-cisco-systems-vp-cto-lew-tucker.aspx

 

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図1. System of RecordからSystem of Engagementへ

(2014年2月 PROVISION 80号『API Economy ― 有機的な繋がりを持ち、新たな市場を作り出APIの未来 ― 榊原 彰)

https://www.ibm.com/ibm/jp/provision/no80/pdf/80_column3.pdf

 

 

■システム・オブ・エンゲージメント(SoE)論が置き忘れてきたも

 

ジェフリー・ムーアが最初に「Systems of Engagement」を語ったとき、そこにはインフラ面としてのビジネスシステムの話と、それを使用するユーザーの話が組み合わされていました

ところが、多くの企業がSoEを断片的に受け止め、ビジネスシステムやITの部分だけを見ている気がします。

 

「BYODをすすめねば…」「エンタープライズ・ソーシャルツールを導入しなければ…」――もちろん、システム的な対応も重要です。

ただ、システム使用者の意識の変革に注意は払われているでしょうか? 思考の順応が必要だということを、十分伝えているでしょうか?

 

…ちょっと、奥歯になんか挟まってる感じですね。取ります。

 

 

■まとめ: SoRとSoE - 複雑性と不確実性に溢れた現実社会に

 

●System of Record(SoR)

「System of Record」の時代、社員はいつも決まった場所を見にいけば、そこに「○か×か」が書かれていて、それに従っていれば済んだ。

そして、Recordされた情報は頻繁に書き換えられることもなく、暗記すれば長いことその情報でやっていけた

 

それは「唯一の正解がある」ことを前提としたシステムだった

(あるいは「唯一の正解などない」ことに気付かない振りをしたシステムだった。)

なぜなら、入り口から出口まで直線的なSystem of Recordの世界では、「0か1か」「正か誤か」を権威が決めてくれていたから。

そして多くの社員は、「自分はそこに書いてあるマニュアルどおりにやっただけだ。自分が判断したんじゃないんだから責任も自分にはない」と、楽な場所に逃げ込むことができた。

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●System of Engagement(SoE)

「System of Engagement」は、別システムから常に影響を受けながら、変化し続けている。

一つの場所だけを見ていても「○か×か」は分からないし、そもそも○と×のシンプルな二者択一であること自体がまれだ。

なぜなら、状況は常に変化し続けているし、情報は目にも留まらぬ速さでも増え続けているのだから。

 

それは、複雑性と不確実性に溢れた現実社会を反映したシステムだ。

「唯一の正解なんてない」――それを認め、それでもできるだけ正解に近づこうというのがSystem of Engagementだ。

 

動的に変化し続ける情報の中から、自分たちに適切なものを選び出していく。

ベースとなるのは、情報と声に耳を傾け吸収し続けていくことと、自身のぶれない軸を磨き上げていく能力。自分自身と全体との調和を作り上げていく能力だ。

権威に寄りかかることはできない。決して楽な場所ではないが、刺激に溢れた場所だ。

 

 

いろんな人とディスカッションしたいテーマです。

Happy Collaboration!