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Pachi's Blog Annex ~自薦&自選よりぬき~

『Pachi -the Collaboration Energizer-』の中から自分でも気に入っているエントリーを厳選してお届けします♪

『空気読本 コミュニティー・ナビゲーター』を読んで - ソーシャルグラフと所属欲求

オリジナルはこちら(2014/9/10)

 

コミュニティー・ナビゲータ(リンク先はPDFです)』という、デジタル雑誌空気読』の最新版がとても面白いです。

イメージ

『社会を良くしたいコネクターと、「多面的なコミュニティー」に参加したい若者たち』というサブタイトルで、コミュニティーをテーマに以下の4パートから成り立っています

 

  • AGENDA & SECONDARY DATA
  • A RESEARCH ABOUT ROLE MODELS
  • A RESEARCH ABOUT FOLLOWERS
  • BUSINESS HINT 人々に勇気を -Power to the People-

 

各パートそれぞれに違ったおもしろさがありました。

 

 

ここで特に取り上げたいのは、最初の「AGENDA & SECONDARY DATA」というパートです。

 

少ないボリュームながら日本における「コミュニティー」を歴史的に振り返る形で、高度経済成長後の日本社会の問題点を取り上げた1960年代の政府のレポート『コミュニティ - 生活の場における人間の回復』を紹介していたり、最近の風潮として「ソーシャルグラフとインタレストグラフが融合しつつある」という解説が書かれています

この「ソーシャルグラフとインタレストグラフが融合しつつある」という話は、コミュニティーだけに関わらず、生活のあらゆる面に関係してくる重要なポイントだと思います。

ただ、空気読本に書かれている解説だけでは、ちょっと伝わりづらいところがあるようにも私には感じられました。少し要約してみます。

 

「ソーシャルグラフとインタレストグラフの融合イメージ

当初、ソーシャルグラフはソーシャルメディア上で構築される人間関係を示し、リアルな場における相関関係とは区別して考えられていたが、日常生活へソーシャルメディアが定着した結果、『今や、「ソーシャルグラフ」とは、ネットやリアルを問わず、有機的な相関関係全体を示すようになった』(ネット上とリアルでの相関関係が概ね一致するようになった)

また、口コミサイトの隆盛が、素上の分からない者同士の情報を媒介とした相互信頼を確立し、『「ソーシャルグラフ」と「インタレストグラフ」が個人の生活の中で融合しつつあり、他者との相関関係を通じて自らの興味関心を高める傾向が強まっている。』とし、特に都市社会で生活する若年層でそれが顕著で、彼らが形成するコミュニティーにも変化が起こっている

 

人によってはピンとこないかも…。

蛇足かもしれませんが、私が「ソーシャルグラフとインタレストグラフの融合」を自分ごととして感じている例を書いてみます。

 

従来の「ソーシャルグラフ」とみなされていたFacebookでやりとりされる情報に、インタレストグラフ系とも呼べるような情報がどんどん増えていった

「インタレストグラフ系とも呼べるような情報」とは、特定の興味関心で作られたFacebook上のグループや、Facebookページと呼ばれる特定ブランドや著名人の情報だ

また、バーティカル・メデイアとも呼ばれる特定のテーマに沿った情報が集まっているウェブサイトの情報も含まれ

それが、自分のタイムライン上に「(従来の)ソーシャルグラフ」と混在して表示され、そしてそれがまたシェアされ、ソーシャルグラフの中を駆け巡っている

 

こうして、インタレストグラフの情報が、(従来の)ソーシャルグラフの上で区別なく渾然一体となって流れていく中で、「誰が」と「何が」の区別を強く意識することなく取り扱っていくようになってき

 

 

「AGENDA & SECONDARY DATA」パートの1番のポイントは、4象限プラスαのチャートなんだろうと思います

 

ただ、このチャート、なんだか「うん、そうだね。…うーん…」と変なひっかかりが残るのです。…うーんイメージ

その理由が自分でもはっきりしないので、今回ここは深掘りしません(できない)が、簡単にどんなものかだけ介しておきます。

 

縦軸に「リアル環境重視」と「Web環境重視」を、横軸に「デモグラフィック重視」と「サイコロジカル環境重視」を取り、さまざまな「コミュニティー群」をマッピングしていて、中央に「多面的コミュニティー群」とその予備群が置かれたものです。

見て貰えればもっと分かりやすいのですが、画像を貼ると問題がありそうなので、ぜひリンク先で確認してください


P4 『現代の若年層アクターによる主な相関関

 

この後、紙面は次の『A RESEARCH ABOUT ROLE MODELS』パートへと続き、『「多面的コミュニティー」をファシリテートする「コミュニティー・ナビゲーター」』の解説とその代表的存在として下記の3名の方々の紹介へとつながっていきます。

 

鈴木奈央さん greenz.jp発行人 / NPO法人グリーンズ代表理事

斉藤寛子さん NPO法人 NEWVERY キャリア担当フェロー / チェルシーハウス国分寺 キュレーター

篠原広高さん 就トモCafe 店長

 

 

3名の「コミュニティー・ナビゲーター」の話は空気読本でお読みいただくとして、最後に、全体を読み終わった後、自分の中に広がっている問いを書いて終わりにしたいと思います

 

イメージ本の冒頭部分に『いまどきの若年層は所属欲求が高い』という言葉が書かれています。

これが『「社会的属性に基づくコミュニティー」よりも、「共通のインタレストやイシュー本位で形成されるコミュニティー」を好む傾向』と結びつき…というのが今回のコンテンツの柱となっていると思うのだけど、果たしてこれは「いまどきの若年層」の話なんでしょうか?

 

『いまどきの若年層は所属欲求が高い』とは、「1970年代や80年代の若年層」たちよりも、所属欲求が高いということなんでしょうか?

むかしは、地域や学校に対する所属意識で、欲求は満たされていたのでしょうか

 

所属欲求の高さは、2014年のいま、若年層に顕著なのでしょうか?

「いまどきの中高年層」の方が、むしろ欲求は強いのかもしれないのではないでしょうか?

 

目に見える行動、数値に現れる意識だけで見ると、中高年層のそれは高くは見えないだけなのかもしれません。

欲求の強さと同じ強さで、諦めを感じているのかもしれません

欲求の強さを自覚できないほど、何かに追い立てられているのかもしれません。

 

若年層の理解・分析のためではなく、上の年代層の人たちが自分たちを振り返るのに読むと良いのではないかでしょうか。

空気読本さん、とっても面白い企画をありがとうございました!

 

Happy Collaboration!