Pachi's Blog Annex ~自薦&自選よりぬき~

『Pachi -the Collaboration Energizer-』の中から自分でも気に入っているエントリーを厳選してお届けします♪

『ウェブとはすなわち現実世界の未来図である』を読みました - さあ、どんな図を描こうか?

オリジナルはこちら(2014/10/14)

 

ぬかった…。ぬかり過ぎた…。
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読書メモブロを書い『ITビジネスの原』に続き、こんなステキな本を半年以上読まずにいたとは…

 

インターネットは、ネット社会とリアル社会の間で、テクノロジーと人間の間で、文字通り「インター」としてつなげていく役割を果たしていく。

そこで鍵となるのは「オープンとシェア」という、ウェブ的な思考法や視座。そこを理解して活用すれば、迅速・柔軟・創造的に前に向かっていける

 

140文字くらいに無理やりまとめるとウェブとはすなわち現実世界の未来図で』(小林 弘人 著)は、こんなメッセージが詰まった本です

ただ、その消化しやすさ、分かりやすさが半端ないです。


「インターネットの原点」から「現在のさまざまな事象」までを俯瞰して繋げ、その先に広がる…いや、「もうそこにある未来」に光をあててくれます。そしてさらに、どう行動すべきかを指南してくれます。

ある意味『ITビジネスの原理』と兄弟のような、お互いを補完し合うような関係になっている気もします

どちらも、現在の出来事を、表層ではなく本質から解説してくれます。そして多くの共通項がありつつも、光と影の見いだし方には異なる点もあり、それが今と未来をより立体的に浮かび上げてくれています。

 

いろいろな視点でたくさんのヒントがもらえる本なので、すでにいろいろな書評やコメントが出回っていますが、ここでは、とりわけ『ウェブ的な思考法や視座』を企業内に広めている人たちに役立つ言葉を集めてみます。

私と同じようにぬかってた方、ぜひ読んでみてください。
 

 

■Bの先にはCがいることがほとんどだ

 

私のところへある有名なB2B企業から、社内の勉強会でデジタル・コミュニケーションとマーケティングについて学びたいというオファーがあった。彼らは 「自分たちはB2Bで企業を相手にしているが、相手企業はエンドユーザーに向き合っている。だからわれわれもエンドユーザー向けのデジタル・コミュニケー ションを理解しなければならない」といった

 

 

■コミュニケーションが活性化される組織構造をどう生み出す

 

イデアを口にしても『夢みたいなことはいいから、来月のノルマを稼いでくれ』という返事が返ってくることは多い。しかしほんとうはアイデアを出しつづけていくことだけが、生き残る術なのだ。

 

■「コバヤシくん、最初の事業計画とまったく違うじゃないか

移り変わりの速い世界では、これが当たり前なのだ。周囲を見渡しても、ピボットできずに最初の計画にしがみついて沈んでしまった例はいくらもある

(…)AコースからBコースにルートを変えるとき、稟議を通して重役の決済を待っていたら、そのあいだに会社がつぶれてしまう

 

 

■事業の枠組みをもう一度再定義、あるいはアップデートしてイノベーションを起こす絶好の時

 

組織が一番クリエイティブから遠い場所になっているとしたら、それは社員一人ひとりではなく、マネジメントの問題だ。そこにはオープンネスが欠如している 場合が少なくない。価値主導による共創をどうやって行うのか。ここにもデザインが必要とされる。それは組織のデザインである
(…) ビジネスの再定義、すなわち、「核心のデザイン」以外にも、人間中心主義の時代に企業が行うべき"大きな"デザインはいくつか存在する。核心を探すとは、 「目的」を見つけ出すことだ。「私たちの本来の魅力や価値とは何だったのか」を話し合うことで、自分たちのアイデンティティを探す旅に出なければならな い。

 

 

■共創は社外と行うものばかりではない。まず社内の共創があって、社外ともつながることができ

当然ながら社内がオープンではない企業は、世の中のオープンにも対応できない。企業のオープン化を促進させるときには、やはりウェブを最大限活用するべき だ。しかし、そこでもヒューマン・ファーストで物事を進めたほうがいい。つまり、優れたツールなどがあっても、それを推進するのは人間であり、その運用方法こそが各社の財産となる

 

 

ね。納得感たかくないですか?
「社内の勉強会に来てお話していただきたい」と小林さんにお願いに行ったときのことが頭に蘇ってきます

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最後に、「企業ビュー」から離れた視点の言葉をいくつか紹介します。

 

■実名とは固定アドレスそのもの

人間と人間が接続されたヒューマン・ファーストの時代には、まるで人間は固定アドレスを振られたウェブサイトのように、ほかの人間と接続するようになる。その人間同士の関係性をシステムの側が理解し、それぞれの関係性によって取得できる情報も変化していく。フェイスブックが日本で流行しはじめたとき、実名登録に関する議論があったが、実名とはいわば固定アドレスそのものだ

 

■有益かどうかは、ソーシャルグラフのデザイン次

フェイスブックのタイムライン(友だちの最新投稿を表示する画面)を「ハイライト表示」にしていると、情報の取捨選択が偏ってしまうといわれるかもしれない。 ハイライト表示はあなたにとっての「強い情報」を流す。逆に「最新情報」ではツイッターのように自分の友だちからの最新情報を流すので、ノイズも多くなる。そこではまず、友人たちのネットワークをどうデザインするのかを考えるべきだ。
(…)ソーシャルグラフをどうやって構築するかはあなた次第だ。顔見知り未満の人からの友だち申請をすべて認めれば、勝手に大量に送りつけられてくる自己宣伝や、自分の関心とは無縁な投稿がタイムラインに横行するだろう。フェイスブックがつまらないと感じている場合、友だちを整理することをお薦めしたい。受け取る情報が有益になるかどうかは、自分自身がソーシャルグラフをどうデザインするかにかかっている

 

■シェアリング・エコノミー(共有型経済)とも呼ばれるウェブならではの概

人間同士が接続されたネットワーク内では、その人の持つリソース(資源)へのアクセスが可能になる。それは時にお金であったり、所有物、労力、経験、あるいは知恵などになる。
自らの資源を「シェア可能(シェアラブル)」にすることで、それまで眠っていた資源の流動化が促される。そこで起こっているのは「資源の再分配」

 

それは自分たちがどうWebを使おうとしていくか、なにをそこに求めるのか、どんな価値を重要とみなしていくのか、ということですよね。

さて、未来図をんな風に変化させていきましょうか?

 

Happy Collaboration!