パワー・オブ・ソフトスキル – Power of Soft Skills #1
オリジナルはこちら(2017/11/28)
<ソフトスキル>についての社内パネル・ディスカッションに、パネリストとして参加することになりました。
当初の依頼は「12分くらいのショート・プレゼンを」だったので二つ返事(※1)でお受けしたのですが、いつの間にか60分のパネル・ディスカッションへと変更されていました。
普段ならどちらでも気にならないのですが、今回の公開ディスカッションはすべて英語…。
そしてパネリストも参加者も、全員が世界のあちこちから参加するリモート方式なので、正直私の英語力では苦労することになりそうです…。
<準備せずに手ぶらで>挑むのはちょっと無謀なようです(※2)。
というわけで、準備と予習を兼ねて、ソフトスキルについて思っていることと事前質問としてもらっていることについて、頭の中にあることを書き出してみたいと思います。
英語であろうと日本語であろうと、自分のキーメッセージが何なのか分かっていないと、伝わらないですからね。
※1 為念でお伝えしておくと、<二つ返事>は快諾という意味です。最近の調査によると<渋々の承諾>というまったく逆の意味として理解している人の方が多いそうです。
※2 プレゼンに対するQAだと、自分の話したことに対する質問や意見なので、文脈が大きく違うものは少なくそんなに困ることはないんですよね。また、リモート配信でも何人かが会場にいれば、参加者同士がボソボソ話し出したりして「あれ…?」と微調整しやすいのですが、みんなの顔がPC越しに見えるツールを使っていても、完全リモートセッションはその辺の<空気感>が薄いんですよね…。
■ ソフトスキルについて思っていること
Please share with the audience what you think of Soft Skills.
・ ソフトスキルは人間のベースとなる部分のことで<人間性>に近い
ちょっと前に「あなたにとって「ソフトスキル」ってなんですか?」というばくとした質問をFacebookでしてみたところ、想像通りとっても多様なコメントをいただきました。
こういうのに応えてくれる仲間がいっぱいいるのもソフトスキルの一つ…という話はここではおいておいて、本当にカラフルな感じで、今見直してもニコニコしちゃいます。
みなさんが考える<ソフトスキル>と同じものはありますか?
・ ソフトスキルは計測可能?
例えばTOEICとか日本語検定だとか、ファシリテーター検定だとか傾聴力検定だとか、ソフトスキルを視覚化、あるいは資格化しようという試み(商売?)は増えているようですが、実際に測れるものなのかは疑問だと思っています。
<一定のレベルは満たしている>とか<知識は持っています>という証明に過ぎないものが多いのかな、と。
とはいえ、きっと今後もそういう測定機関みたいなのは増えるんでしょうね。おそらくは<流動化>と<マーケットバリュー>という視点に後押しされて。
・ 自分の強みだと思っている、あるいは伸ばしたいと思っているソフトスキル
- Cultural intelligence: Adaptability and flexibility 異文化適応力(適応性と柔軟性)
- Interaction and communication 意思疎通能力(コミュニケーション力)
- Emotional intelligence and altruism 感情的知性と愛他性
- Leadership and Collaboration リーダーシップとコラボレーション
- Storytelling: incorporating individuality into a large context 個性を大きな文脈に組み込んでストーリーを作る能力
■ 自身のキャリアにおいて、ソフトスキルがもたらしたものは?
Please share with the audience stories on the role Soft Skills played in your career journeys.
・ そもそもIBMに入社できたこともソフトスキルのおかげ
36歳まで派遣社員生活を続けて就職したことがなかった私が、IBMのウェブ統括部門に社員として加わることができたのも、いわばソフトスキルのおかげでした。
私をIBMに引っ張ってくれたのは、私が派遣社員としてIBMで働いていたときに、激しくやりあっていた部門のマネージャーでした。<自分が面倒に巻き込まれるって分かっていても、それでも正しいことを追い求め続けられる人ってそんなにいないのよ><どんなピンチでもなんとか乗り切るんだろうなって思わせるのがあんたの強みなのよ>。
一緒に働き始めてからしばらくして、ボスが言ってくれました。<ね、あってたでしょ。あたし人を見る目には自信があるのよ>。
・コラボレーション・ツールの推進という今の仕事
日本においては、<コラボレーション・ツールの推進>という役割が絶対に必要なものだと明確にされているわけではありません。でも現場に近い人たちには、役割の必要性や重要さは明確です。
また、<ツールの推進>がカバーする範囲も、はっきりと線引きされているわけではありません。
でも私にとっては明確です。それを求めているIBM社員がいて、それを私が実行すればハッピーになる人が多いのであれば、それは範囲内です。
やりたいことをやりたいと言い、理解を求めて、やる。やり終えたら価値が伝わるように、理解されるように、伝える。
こんな風に自分の仕事を自分で定義して形作っていくのも、重要なソフトスキルなんだと思っています。
・満足感とソーシャルウェブ
<ビジネスが順調なら、自分のことはどうでもいい>とか、<組織が上手くいっていれば、自分は不幸でも構わない>なんて人はいないですよね。人は、幸福になるために仕事をしているのですから(<お金のために>という人も、幸福になるためにお金を求めているわけで)。
では、どうすれば幸福感が得られるのか。私の場合は、IBM社員から質・量ともにたくさんの感謝を得ることです。
そのためには、できるだけたくさんの人に価値あるものを届けた方がいい。届けるものは何も<自分の>知識や経験である必要はないですよね。
私は、ソーシャルウェブやコラボレーション・ツールを使いこなすことというのは、価値を広く早く遠くまで届けられるようになるということだと思っています
すっかり長くなりました。続きはまた明日。
Happy Collaboration!