Pachi's Blog Annex ~自薦&自選よりぬき~

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未来へ – ブック・オブ・フューチャーズ (Bespokeの『Book of Futures』日本語訳)

オリジナルはこちら(2018/6/8)

 

今回から、未来をデザインする手法が書かれたビスポーク(Bespoke)社の本『Book of Futures』の日本語訳を、何回かにわたってお送りします。

この本は、現在はビスポークのフューチャーデザイン・ワークショップへの参加者にプレゼントされています。

私も2月にコペンハーゲンのビスポーク社のオフィスでワークショップに参加したのち、何度か読み直していたのですが、もっと多くの方に内容を紹介したくなり、先日ファウンダーの一人であるニックさんに相談してみたところ、快く日本語訳の掲載を許可していただけました。

 

それでは、第1回は序文[Foreword]からスタートします。

 

 

Foreward

What does the future look like? Probably one of the most important and timeless question that civilisations and societies across the world have asked themselves throughout history.

序文 – 未来へ

未来はどんな世界になっているのか?
あらゆる時代の文明や社会を超え、世界中で繰り返し尋ねられてきた最も重要な問いではないでしょうか。

 

It seems like the curiosity about what the future might bring is inherent to our human condition. Today the oracle is not confined only to the gods on a mountain top, and our inquiries are asking for more than prophetic predictions or divinations of an inevitable destiny. In these times of uncertainty and high-speed changes in all domains of life, prediction as such is no longer enough for the restless creative soul.

未来に何が待ち受けているのだろう? と好奇心を抱くことは、私たち人間に生来備わっている性質のようです。古くは逃れようのないお告げとして神から賜った運命の予言も、今日の私たちには満足のいくものではありません。
人生のあらゆる面が不確実性と高速の変化に覆われるようになった現在、絶えることのない創造性に突き動かされる者たちにとって、神託はもはや意味をなさなくなっています。

 

Most people might think that the opposite of uncertainty is certainty, when it is rather possibility and openness towards the unknown. Cultivating this new sense of awareness is exactly what future design aims to inspire and ignite in individuals and organizations.

多くの人が不確実性の反対は確実性だと考えていますが、不確実性を未知に対するものと捉えれば、その反対にふさわしいのは可能性と開放性ではないでしょうか。
このような新しい捉え方や気づきの感覚を個人や組織の中に見つけ出し育てていくこと、それこそが<フューチャーデザイン>の目指しているところなのです。

 

For the past four years, we at Bespoke, have experienced the power of future design as a method and approach to navigate in uncertainty.

この4年間、私たちはビスポーク(Bespoke)社で、不確実性の中を進んでいく方法論そして実践方法として<フューチャーデザイン>の力を体験し続けてきました。

 

Through hundreds of different projects we have been lucky enough to work closely with courageous organizations from all kinds of industries and sectors, large and small, private and public, and from different corners of the world, helping them map, discover and unveil future landscapes of possibility in the intersection between business, design, strategy and art. These experiences, learnings and reflections are gathered in the publication that you are holding in your hands.

とても幸いなことに、私たちビスポークは、官民を問わず世界中のあらゆる業界や業種、大企業やベンチャーの勇気ある組織と数百のプロジェクトを行ってきました。彼らとの密なコラボレーションを通じて、ビジネス、デザイン、戦略、アートが交差する場に浮かび上がる未来の景色を、探り出して明らかにしてきました。
今、あなたが手にしているこの一冊は、それらの経験を通じて得た学びと知をまとめあげたものです。

 

A first versions of a futures method book called The Creative Research Cookbook was created in collaboration with our fellow practitioner Mathew Lincez during 2014, as a workbook for students at the Kaospilot school in Aarhus, Denmark. The book soon became a very useful manual for ourselves throughout our practice and in our projects and turned out to be a valued gift for many of our clients, friends and partners. We quickly ran out of copies in our studio and instead of just reprinting it we decided to use the opportunity to refresh and rethink our method and approach.

フューチャーメソッドについて最初に書いた本は、カオスパイロットというデンマークのオーフスにあるビジネス・スクールの同僚マシュー・リンセズと共に、カオスパイロットの生徒用のワークブックとして2014年に書き上げました。
『クリエイティブ・リサーチ・クックブック』というタイトルのその本は、多くのクライアントやビジネス・パートナー、友人たちに大いに喜んで貰えると同時に、私たち自身のプロジェクトや日常での実践にもとても役立つ重要なマニュアルとな理ました。
印刷した部数があっという間に底をついてしまったので、私たちは単に増刷するのではなく、この機会を活かしてメソッドやアプローチを見直し、新たに発行し直すこととしました。

 

In this new and updated version of our Book of Futures, we want to share the practices, beliefs, tools, stories, mindsets and methods that conform the foundations of our work with future design.

新バージョンとなったこの『ブック・オブ・フューチャーズ』では、私たちのフューチャー・デザイン・ワークの基盤となっている手法、考え方、ツール、物語、マインドセット、方法論をご紹介します。

 

This book is an invitation for you to play, explore and design the future, and to use it as a source of inspiration for the present.
We truly hope that it can inspire you to imagine and design new meaningful realities.

この本は、現在をインスピレーションの源として、未来をデザインし、実験し、そして冒険するための招待状です。
新たな意義に満ちた現実を思い描きデザインする。そのための大いなる手助けとなるはずです。

 

Nicolas Arroyo
Head of Foresight at Bespoke

ニコラス・アロヨ
ビスポーク社 ヘッド・オブ・フォアサイ

 

 

日本語にするとき、とりわけ文章で書くときには、単数形か複数形かは表現しずらい場合も多いのですが、原文では未来が名詞で出てくるときにはほとんどすべてが複数形になっています。

先日私が通訳を務めたワークショップで、ニックさんが<フューチャーズ >と複数形になっている意味を話していました。

それは、未来は無数の可能性に満ちていて、出現し得るあらゆる未来に私たちは包まれているからというものでした。

 

次回をお楽しみに。

Happy Collaboration!