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訃報 八木橋(パチ)さん 118歳 著述家

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訃報 八木橋(パチ)さん 118歳 著述家

八木橋昌也(やぎはし まさや) 一九六九(昭和四十四)年九月二十七日、埼玉県生まれ。著述家。エナジャイザー。

 

先月29日、山梨県南巨摩郡の山林の中で発見された遺体が、パチの愛称で知られていた著述家で、元猫と幸せ研究所副所長の八木橋昌也氏であることが判明した。遺体解剖の結果、発見時はすでに死後3日程度経っていたと思われる。

 

遺体が発見された山林は、近年薬物性のきのこが取れることで話題となっており、故人の体内からは大量のアルカロイドが検出された。遺体近くに置かれていたスマホには「もうそろそろいいかな。あ、でも生き返るかもしれないよー」というメモ書きが残されていたことなどから、山梨県警では事故死と自殺の両面から調べているものの、事件性は低いと考えられている。

 

故人には近親者がいないことから葬儀の予定はない。なお、友人有志による会費制のお別れ会を、故人が十代の頃から通っていたサイゼリアにて開催予定(飲み放題)。

 

八木橋氏は海外視察ツアーの企画やアテンダントの他、講演やイベントの司会など多種多様な活動で知られていたが、「お役所でも海外でも、著述業って名乗っておくのが一番都合がいいんだよ」と後年は著述家を自称していた。

日本アイ・ビー・エムを退社後、北欧と日本を行き来する生活の中で感じたことを軽妙なタッチで綴った『デニッシュ・デイズ(かんき出版)』は十万部を超えるヒット作となったが、単著は六十年前に出版されたその一冊のみで、その他の書籍はインタビュアーやインタビュイーとしての対談集で、「言葉を形として残していくものはすべて著述。対談集っていうのは音楽でいえばセッションでしょ。だからおれの本はライブ・アルバムで、おれはライブ・ミュージシャン。」と嘯いていたと言う。

 

「猫に責任能力がないとして、猫を所長と認めないのは人間の怠慢であり傲慢である」という訴状で世を騒がせた「猫と幸せ研究所所長裁判」や、「千葉県クリスチャニア市運動」「マインドフル妄想会議」など、いくつかの社会性を伴う騒動を起こしたが、本人は「どれも実現性に難があることは分かっていた。でもプロの揉事家でいたかった」と、本紙のインタビューに答えている。

なお、上記いずれの事件においても有罪判決は受けておらず、また三十代前半までの暮らしなどに不明な点が多いものの、本紙調査によれば前科は確認できていない。

 

八十余年を共にした妻・清美さんを失った二千七十年以降はほとんど公の場に現れなくなったが、年に一度の「エナジャイザー祭り」にだけは欠かさず現れ、「エナジャイザーの元祖はおれだから」とだれかれ構わず小遣いをせびり、主催者を困らせていたという。受賞歴なし。

 

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マインドフルネスの手法の一つに、ジャーナリングというものがあります。

ノーテーマで、あるいはテーマを決めて書くのですが、重要なルールが「人に見せないことを前提に」「手を止めずに頭に浮かんだことをただただ書き続ける」ということ。

これで、心が整ったり、自分でも気づいていなかった欲求を見つけたりすることができると言われています。

 

…なのですが、今回「自分の死亡記事」をテーマに書いてみたら結構おもしろいものができましたので、半分くらい手を入れて、人に見せれるように書き換えてみました。

 

図らずも、明日は49歳の誕生日。ここで書いたストーリーが現実になるのは69年後の予定です。

Happy Collaboration!