Pachi's Blog Annex ~自薦&自選よりぬき~

『Pachi -the Collaboration Energizer-』の中から自分でも気に入っているエントリーを厳選してお届けします♪

TEDxOtemachiLive 2019 極私的レポート

オリジナルはこちら

 

昨日は人生初のTEDイベントTEDxOtemachiLive 2019 「Bigger than us」に参加してきました。

5時間の長丁場で、強く心に響くものものあれば、そこそこもなものも、さらには「なんだか集中して聞けません…」というものもありました。

その中で、話を聞いた直後に「これは自分の言葉にして、感想を残しておきたい」と思ったものが2つありました。どちらも、今の自分が感じている問題意識や、伝えたいと思っていることに直接訴えかけてくるものだったから。

今から書くのは、あくまでも「一晩経った今、私の脳内ではこう変換されて記憶されている」というものです。

いずれ、TEDオフィシャルで正式な動画やレポートが公開されると思うので、スピーカーが本当に意図していたものはそちらで確認してください。

 

■ 梅澤 伸也 – バイオフィリック・アーキテクト

空間デザインブランドparkERs(パーカーズ)Brand Manager / co-founder

今日が8回目の結婚記念日であること、ケニアのサバンナに降り立った瞬間に体中のDNAが騒ぎ出したこと、その体験をみんなが共有できれば戦争がなくなると思ったこと…。

そんなオープニングトークの後に、とても強烈なメッセージを貰いました。

なぜ人は自然を欲するのか? なぜわざわざストレスの強い世界に自ら身を置き稼いだお金を、自然を感じるために人は使うのか?

それは自然物と人工物の間を、野生とアートの間を、テーゼとアンチテーゼの間を行きつ戻りつするのが人間の本質だから。

テクノロジーの優位性が強くなりすぎた現代社会で、山の空気や川の流れ、花の香りを人が欲するのは、人が人であろうという切望の表れ。

 

バイオフィリアとは、自然とのつながりを求める人間の本能的欲求で、parkERsが行なっているのは、その本能的欲求を満たしていくこと。一つの例として、parkERsで鉢植えなどに使っている土は、人間が出したゴミを素にしている。

植物は、人間のストレスを減らして適正値に近づけているだけではない。リラックスし過ぎている人にも刺激を与えて適正値に近づけている。

視覚や聴覚、味覚や嗅覚に代表される「特殊感覚」も、皮膚感覚も内臓感覚も、そして位置や動き、抵抗や重さを感じ取る「深部感覚」も、人間は全神経を使って感じている。

 

デンマークオーフス大学の調査: 自然に囲まれて育った子のほうが精神疾患にかかりにくいことが明らかに

今、人間が直面しようとしているのは、やろうと思えばできるテクノロジーが揃った社会。それに対して、「でも本当にそれでいいのか?」と問い直している時代。

これから必要とされるのは、性善説に基づいて、人びとをリードしていける人ではないか。

 

梅澤さんとは普段から仲良くさせてもらって、話を聞く機会はこれまでにも何度かあったんだけど、今回は圧倒的にグッときました。それはおそらくTEDという舞台効果のせいではないと思います。

梅澤さんの話の後に、参加者にお花がプレゼントされました。ありがとう!

家に飾っていたお花と一緒に。

そして、休憩時間には、2つの問いが投げかけられました: あなたにとって希望とは? 恐れとは?
前者への回答だけ、シェアしておきます。

希望を持ち続けて、「変えられる」と信じて行動する人びとがいること。(The are people who keep hope and try changing with their beliefs.)

 

もう1つは、生ではなく、ジョセフ・ゴードン=レヴィット(Joseph Gordon-Levitt)の映像のTEDトークです。

 

ジョセフ・ゴードン=レヴィット- 俳優、映画製作、起業家

注目を浴びる — つまり、人びとのアテンションを自分に集めるということは、とても気持ちがいいもので特別な感覚を得ることができる。

だから、ソーシャルメディアでそれを得ようとすることも理解できるし、僕自身、ついつい躍起になってフォロワー数やいいね! の数を集めようとしてしまう。

でも、ソーシャルメディアの多くは渦巻く「集めようとした注意」と「払われた人びとのアテンション」を金銭価値に変換するプラットフォームだ。アテンション・エコノミー(関心経済)なんて言葉もあるが、要するに、アテンションを売っている。

しかし、そこで集めた注意が自身を満たして、達成感を味わうことができるかと言えば難しい。瞬間的な喜びはあっても刹那的なものであり、「さあ次、さあ次」と追われるばかりで充実感はない。アテンションを取ることを目的としてしまうと幸せになれない。

 

達成感や充実感を得て幸せになりたいのであれば、アテンションに対して逆のアプローチを取る必要がある。注意を集めるのではなく注意を払う — 何かに集中するのだ。

何かの創作活動や、人びととの共同作業に集中する。作業に没頭する。ゾーンやフローという言葉を聞いたことがある人も多いだろう。神経が研ぎ澄まされ時間の流れが変わる。あれこそアテンションの素晴らしい使い方ではないだろうか。

 

ソーシャルメディアが悪いと言っているのではない。あれは素晴らしい場所だ。仲間や知り合い、ときにまったく知らない人たちと場所や時間を超えてコラボレーション(共同作業)できる。

ただし、そのときには重要な心構えがある。そこにいる人たちに競争心ではなく共創心を抱くこと。相手に勝つのではなく、相手の出してくれるものと本当の自分自身から出てくるものを混ぜ合わせていく。そうすればきっと、そこに魔法が生まれる。

 

TEDのオフィシャルブログですでに内容が紹介されていました:
The key to creativity? Start paying attention: Joseph Gordon-Levitt speaks at TED2019
より公式に、より全体を捉えたい方はそちらをご覧になることをオススメします。

 

私はここ数年ずっと「幸福ってなんだろう?」と考えていて、自分なりの現在の仮説/結論は「快楽とやりがいのバランスによって得られるもの」だと思っています。そしてそのバランスは、人によっても違うし、人生のステージによっても変化していく。

もし、100パーセントの刹那的快楽主義者という人が存在すれば別だけど、そうじゃなければ誰しもなんらかのやりがい(苦労や忍耐を超えて手に入れられるもの)を感じられなければ、深い幸福感は得られないんじゃないでしょうか。

 

この後の生TEDトークで、株式会社ジンズの井上さんが話された「集中の科学」を聞いて、そんな想いがさらに深まりました:

人生100年時代と言うけれど、人間がその中で費やせる集中した時間はせいぜい50,000時間しかない。

 

Happy Collaboration!