Pachi's Blog Annex ~自薦&自選よりぬき~

『Pachi -the Collaboration Energizer-』の中から自分でも気に入っているエントリーを厳選してお届けします♪

2019年の15冊と振り返り

オリジナルはこちら

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2019年に読んだ本は12/19日時点で91冊でした。去年より9冊少ないけど、年末にまとめてそれくらい読みそうな気もします。今年の傾向は、例年より「最後まで読みきらずやめた」本が多かったことかも。

でもそれは、意識して手にしないと読みそうもない本に意識的にチャレンジしたってことなので、全然問題なしです。ただ残念なのは、そういうチャレンジから「これは!」みたいな意外な発見がほぼなかったこと。好みが強くなり過ぎちゃってるのかも? まあそういう時期もあるってことでしょう。

というわけで、勝手に恒例にしている「今年のおれの10冊(くらい)」を。今回も「あくまでも2019年におれが読んだ本」であり、出版年度は関係ありません。

 

でもその前に、こないだ大急ぎで作ったEGM Forum 2019忘年会用の「おれの2019年を振り返る」っていう8分間のライトニング・トークの資料もシェアさせてもらいます。


(正しく表示されない場合は、こちらのSlideShareのリンクをご覧ください。)

言いたいことは1つだけで、「今年は髪型いろいろ変えたよ」ってことです。

…ウソww。今年は、自分がずっと心中奥深くで恐れていたことに向き合う年になり、ガッツリそれと対峙した結果、怖いものがほぼ無くなって(一つだけ残ってる)無敵になれたよ。ますますこれからが楽しみだよってことです。

こうやって書くと、「痛い勘違いしてる人」って思われちゃいそうだな…。まあでも実際そうなのかもしれないね。とにかく、失ったらそれを大いに悲しんで、もう一度そこから手にしようとすればいいってことです。

 

というわけで、ここから10冊(くらい)を。

 

幸せがずっと続く12の行動習慣

ソニア・リュボミアスキー 著。放っておいても幸福になれる人もいるけど、幸福になろうとすることでなれる人もたくさんいるのです。詳しくはブログで。以下、好きな本の中の言葉やフレーズを。

■ 熱中できる活動を増やす
自分が関心を向けられるものは限られているので、どんなものに、どのように注意を払うかを選ぶことが大切です。

■ 人を許す
許しとは、あなたが自分のために行うものであって、あなたを傷つけた人のために行うものではない

■ 考えすぎない、他人と比較しない
くよくよ悩むことや社会的比較に負けそうになったら、こんなふうに自問自答してください。「1年後にも、これは重要なことだろうか?」と


 

幸せってなんだっけ? 世界一幸福な国での「ヒュッゲ」な1年

ソニア・リュボミアスキー 著。デンマーク関連の本はかなりいろいろ読んでいるのですが、個人的には「外国人が腰を据えて暮らしてみた」中で見えてきたものを書いているのが一番リアルな気がしてます。

ラース・フォン・トリアーは、1995年に映画運動「ドグマ95」を(…)始めた。この運動の目的は「予測できるプロット」「表面的なアクション」、そして「ひたすら技術を駆使する映画作り」に終止符を打つための10のルールを儲け、映画製作を「純化」させること

■ マイヤーはシェフたちに呼びかけ、北欧料理を発展させるための方針を掲げた。ちょうど「ドグマ95」が映画の原点に戻ることを業界に呼びかけたように原材料は現地の季節の食材を使うことが「北欧料理シンポジウム」で決められた。18時間もの長い時間をかけてワークショップが行われ、シェフたちは「純粋さ、新鮮さ、シンプルさ、そして倫理」を表現するために「北欧の気候風土に特に会う原材料や製品を優先させる」という、「新北欧料理マニフェスト」を作り上げた


 

HYGGE―バツ2アラフィフ こじらせキャリアウーマンの人生再生物語

シャーロット・エイブラハムズ 著。胡散臭さたっぷりのベタなタイトルでちょっと損をしているんじゃないかな? ヒュゲに関してすごくよく研究されている内容です。

デンマーク人が「自分の人生には目的がある」と信じられるのは、私たちが取るに足らないものとして見過ごしている活動が、彼らにとっては価値ある活動になっているからじゃないでしょうか。それも、ヒュッゲのおかげで。

■ ヒュッゲっていうのは、心が体に追いつく時間をつくること(…)自分にやさしくするというのは要するに、罪の意識を感じないで定期的に休みをとり、その休み時間を何か穏やかで楽しい活動に当てること。

■ どこかあたたかで心地よい場所、目を喜ばせてくれる場所、私たち自身を物語る場所で生活したいという望みは、ずっと昔から誰にでもありました。ヒュッゲはただ、その望みに原則と名前を与えるだけ。


 

説教したがる男たち

レベッカ・ソルニット 著。自分も「説教したがる男」であることを、そして「特権を手放そうとしない人」だという事実を改めて突き付けられました…。

■ 合衆国でこの30年で起きた62件の銃乱射事件のうち、女性が犯人だったのはたった一件しかない(…)銃で射殺される女性のうち実に三分の二は、パートナーか元パートナーの手にかかってなくなっている(…)この国では9秒間に1度の頻度で、女性が殴られている。

■ 私たちはまだまだ解放されているとは言えない。競争と無慈悲さと短絡的な思考と社会的・経済的個人主義を賛美するシステムから。環境破壊と無制限の消費を確実に引き起こす、資本主義と呼ばれるシステムから(…)これがパンドラが開けた箱、精霊が抜け出したランプだ。いまではすっかり、監獄か棺桶みたいに見える。この戦いで人々が死んでも、思想は決して死なない。


 

ネガティブな感情が成功を呼ぶ

トッド・カシュダン & ロバート・ビスワス=ディーナー 著。オリジナルタイトルがいいよね『The upside of your darkness』。かっこいい。おれなりにまとめると「自分自身であれ」って本で、そのためには「自分を客観的に眺められるスキルが必要」だよ、と。

■ 恥をかかせればかかせるほど、その人の不安と攻撃性は増大し、周囲から孤立していく。罰として恥をかかせるというのは、悲惨な逆効果をうみ、やめさせようとする行動をかえって助長することになる。
相手に改心させたいのであれば、辱めるのではなく「罪悪感」を持たせるべきだ。

■ 安楽さを求めるという当たり前に見える行為は、実はみな「不快感」を避けるためのものである。しかしそのことを理解している人は少ない。他者から拒絶されることを怖れる人は、人に会うことを避ける。失敗を怖れる人はリスクを冒そうとしない。他者との親密な関係を怖れる人は、退社後の時間をテレビやメールに費やす。何かを避けるという行為は、現代の構造的問題である。


 

本当の勇気は「弱さ」を認めること

ブレネー・ブラウン 著。彼女の本には他にも素晴らしいものがあるけど、おれはこの作品が一番だと思う。TED動画も最高。傷つかずに生きようとするよりも、傷ついてもすぐに立ち直れるように。

■ 悲しい出来事や喪失にあらかじめ備えることはできない。せっかくの喜びのチャンスをことごとく絶望のリハーサルにしていたら、立ち直る力をくじくことになる。たしかに喜びに気を許すのは不安が残るかもしれない。怖いかもしれない。傷つく可能性もある。それでも喜びを受け入れ、喜びの瞬間に身をゆだねるたび、回復力と希望がはぐくまれているのである。

■ 「私はこれでよい」という確信がないと、「これ以上いらない」とは言えないのだ。
女性が境界線を引くことが苦手なのは、恥のグレムリンが割り込んできて、「ノーと言うことに気をつけろ。みんな、がっかりするぞ。いい子になってみんなをよろこばせなくちゃ」とささやくからだ。男性には「しっかりしろよ。男ならこのぐらいできるだろう。それとも坊やはもうヘトヘトかい?」とささやく。


 

自意識(アイデンティティ)と創り出す思考

ロバート・フリッツ & ウェイン・S・アンダーセン 著。「作品と作者を切り離せ。お前という作者はどうでもいいから、お前という作品を作れ!」というパンクな本。

■ 自分の成功や失敗は、自分ではない。善行も、達成したことも、他人を助けたことも、自分ではない。同様に、自分の怠惰さや無気力さも自分ではない。人は、自分の持ち物には決してなれないのだから。

■ 理想とは、自分がどうあるべきかを描いた絵だ。一方、価値観とは、実際に自分が大事にしているものだ。理想は外側から押しつけられるもので、価値観や志は自分の内側から生まれるものだ。別の言い方をすれば、理想は偽物で、価値観は本物である。


 

No One Is Too Small to Make a Difference

Greta Thunberg 著。グレタのポエトリー・リーディングを集めたものです。ブログにも書いています。おれにはグレタがパンクやってた頃のBjorkに見えるんだけど…2人共、おれにとっては大事なミューズです。

■ Almost Everything is Black and White – Oct. 2018
Everything needs to change. And it has to start today. So everyone out there: it is now time for civil disobedience. It is time for rebel.
あらゆるものを変えていかなくてはなりません。今日から。お集まりの皆さん、ときが来ました。不服従のときです。反抗のときが来たのです。

■ Our House is On Fire – Jan. 2019
Adults keep saying: ‘We owe it to the young people to give them hope.’ But I don’t want your hope. I don’t want you to be hopeful. I want you to panic. I want you to feel the fear I feel every day.
大人たちは「若者に希望を与えるのは私たちの責任です」と言い続けています。でも、私はあなたたちの希望なんて欲しくありません。あなたたちに希望を持って欲しくもありません。パニックになればいい。わたしが毎日感じている恐怖を、あなたたちも感じればいい。

■ A Strange Would – Mar. 2019
We live in a strange world. But it’s the world that my generation has been handed. It’s the only world we’ve got. We are now standing at a crossroads in history. We are failing but we have not yet failed. We can still fix this. It’s up to us.
ここは、奇妙な世界です。でも、それが私たち世代に手渡された世界で、唯一残された世界なのです。私たちは今、歴史の岐路に立っています。私たちは失敗の最中にいます、でもまだ終わってはいません。


 

わたしの良い子

寺地 はるな 著。わたしの一番大好きな作家の傑作です。誰のでもなく、わたしの。

■ 他人の失敗を眺めて「わたしはあんなんじゃないから」と優越感にひたろうとするのは、あさましい行為だ。

■ 誰かにプレゼントをあげたい気持ちや、あげる行為を総称して『サンタクロース』なんだよ。だからプレゼントをあげて誰かを喜ばせたい、って思う人は、みんなサンタクロースなんだよ。だからわたしもサンタクロースなの。


 

僕たちはなぜ取材するのか

藤井誠二 編著。常識の幅を拡張してくれるこだわりの強いジャーナリストたちへのインタビュー集。

■ 僕は相手の話していることを音楽のように聴いているところがあって、だから文章にするときにはテキストを「楽譜」のように扱っているところがありますね。(尹雄大

■ 基本的には、自分が対象に強烈な興味があって、その先にもしかしたら「社会」が見えてくるかもしれないという予感で、いつも取材がスタートします。個人的な興味が先で、極端なことを言えば社会が受け入れてくれるかどうかは二の次です。そんなふうにドキュメンタリーをやっている僕は、業界でも会社でもマイノリティかもしれませんが、僕みたいな人間もいていいだろうという気持ちを持ちながら、仕事をしています。(土方宏史)


 

ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために

幡野 広志 著。末期癌のカメラマンである著者(リアリストでおそらくはロッカーだ)が、現在進行形で選んでいる生き方について書いた本。

■ 家族とは「親子」の単位ではじまるものではなく、「夫婦」の単位からはじまるものなのだ 。同性婚を含め、自分で選んだパートナーこそが、ファミリーの最小単位なのだ。親を選んで生まれることは、誰にもできない。でも、パートナーを選ぶことだったら、誰にでもできる。

■ 進路でも、仕事でも、就職先でも、住むところでも、パートナーでも、なにかを選びはじめたとき、その人は自分の人生を歩きはじめる。誰かに奪われかけた自分の人生を取り戻す。
ぼくはこれからも自分を選び、自分の人生を選んでいきたい。そして自分の生き方を選ぶことができなくなる前に、自分が望む最期を選びたい。


 

マイパブリックとグランドレベル 今日からはじめるまちづくり

田中 元子 著。場所が持っている本当の力を教えてくれる一冊。それにしても著者がカッコよすぎ!

■ 別に仕事が嫌いなわけではないけれど、仕事しかないのは、つらくなる。今となっては、仕事だけをする場所では仕事ができない気がしている。そこに仕事以外の何か、他の誰かの存在がなくては、社会的な行いであるはずの仕事というものが、まるで社会と遮断されてしまっているかのように感じるからだ。カフェで仕事が捗るのって、もしかしたらそんな理由なのかもしれない。

■ 自分が存在すると同時に、何者かがそこに存在しているとき、そしてそれが、邪魔や攻撃でもしてこない限り、ひとは、自分がそこに存在することが許されているという、一種の安心感を得るのではないだろうか。


 

組織にいながら、自由に働く。

仲山 進也 著。この人は「言葉の達人」なんだと思う。そして僭越ながら、自分ととても似たところが多い人なんじゃないかという気がしている。スケール感は違うけど、動き方が同じ気がして。

■ パラレルとは「平行」のこと。平行線だと、いつまで経っても交差しません。私は複業をひとつに統合することが大事だと思っている派なので「パラレルワーク」という表現は使いません。

■ 流れが生まれるのは、高低差があるとき(…)コミュニケーションの流れも高低差が大事(…)強みや経験値に多様性があることでギャップが生まれ、その余白を埋めるべくコミュニケーションが交わされる、というのが「滝の法則」


 

「首尾一貫感覚」で心を強くする

舟木 彩乃 著。著者の議員秘書とカウンセラーという一見交わらない仕事の経験が、個人の考えと学術的な記載のバランスをとても魅力的にしている気がします。

■ 首尾一貫感覚は、「Sense of Coherence」が直訳された言葉で、文字通りの意味では、自分の生きている世界が「首尾一貫している」(Coherence)という感覚(Sense)を持っていること、となります。言い換えると、首尾一貫感覚が高い人は、自分が生きている人生について「腑に落ちる」という感覚を持っている

■ 思考は文章の形式にできるもので、感情はひと言で言い表すことができるものです。

たとえば、「私は何をやってもダメな人間だ」とか「相手のことが許せなくて頭がおかしくなりそうだ」というのは思考で、「悲しい」や「ムカつく」は感情です(…)自動思考のもとには、往往にしてこのような”自分に染み付いた価値観”が存在しています(これを認知行動療法では「スキーマ」と呼んでいます)。この”自分に染み付いた価値観”の多くは、幼少期から培われてきた価値観や信念であり、いわば「マイルール」のように自分に染みついています。


 

世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」

山口 周 著。「どのあたりが?」と言われると答えに詰まるのだけれど、梅田 望夫さんの『ウェブ進化論』と楠木 健さんの『ストーリーとしての競争戦略』を読んでいて思い出しました。

■ 論理思考の普及による「正解のコモディティ化」や「差別化の消失」、あるいは「全地球規模の自己実現欲求市場の誕生」や「システムの変化にルールの整備が追いつかない社会」といった、現在の世界で進行しつつある大きな変化により、これまでの世界で有効に機能してきた「客観的な外部のモノサシ」が、むしろ経営のパフォーマンスを阻害する要因になってきています。

■ デザイン思考が目指すのは基本的に「問題の解決」です(…)「デザイン思考」というのは問題の解決手法であって、創造の手法ではありません。従って、ゴールは「問題が解決されること」であって、そこに感動があるかどうかは問われない。


 

来年もたくさんの良い本との出会いと対話がありますように!

Happy Collaboration!