Pachi's Blog Annex ~自薦&自選よりぬき~

『Pachi -the Collaboration Energizer-』の中から自分でも気に入っているエントリーを厳選してお届けします♪

CIO 特別フォーラムとループス 斉藤さん

オリジナルはこちら(2011/7/10)

 

昨日は、CIO Magazine主催のイベント「CIO 特別フォーラム 2011 SUMMER」に参加してきました。(今週は参加したいイベントが目白押しだったなぁ!)

 
このイベントはIBM協賛で、ソーシャルウェア エバンジェリストの行木さんなども登壇されたのですが、IBMのセッションの感想を私が書いてもちょっとね、ということで、最後のトークセッション(パネル・ディスカッション)「今、実行すべきソーシャル・メディア、ビジネス活用の戦略 ソーシャルを用いて何がどう変わるのか?」の感想を書こうと思います
 
<パネリスト>
株式会社トヨタマーケティングジャパン 喜馬 克治 さん
株式会社ループス・コミュニケーションズ 斉藤 徹 さん
日本アイ・ビー・エム株式会社 行木 陽子 さん
<モデレータ>
CIO Magazine 編集長 福田 悦朋 さん
 
主に、マーケティングの観点でソーシャル・メディアをどう使っていくかという話と、社内でソーシャルをどう活用していくかという話だったのですが、マーケティング観点の話も、社内ソーシャルにガッツリ活かせるのでは? という点がありましたので、そのあたりを中心に。
 


 
「場を作れば人は来てくれる。コミュニケーションしてくれる」--それは幻想でしかない。場を作るというのはそうとう難しいことで、かなり上級。一般的には、活性化している場に入っていくという感覚が重要で、みんなが参加している場に企業が入らせていただくということ。
これは、マーケティング観点の話だったのですが、社内ソーシャルにも非常に参考になることだと思います(「場を作りさえすれば活性化する」と思ってる人はさすがにいないと思うけど)。
ポイントは「活性化している場に入っていく」という点ではないでしょうか。社内ソーシャルのスタートを考えるとき、オフラインですでに社内で活性化しているコミュニティーを巻き込んでいくことを考えるといいのではないか? と思っています。
どうやって? たいていの場合、盛り上がっているコミュニティーの中心には、盛り上げている人なり中心チームがいるもの。
その人たちのニーズなどをヒアリングして、社内ソーシャルに取り込んでいくことを考えてはいかがかな、なんて思います。
 
社内SNSが活性化しないのにはしないわけがある。そこをきちんと考えていかないといけない。ノウハウを持ってる人ほど"自分のノウハウを出してしまったら、その後自分はどうなるのか"と考えてしまう。そこを本人にとってもプラスになるような仕組みなりを作っていく必要がある。
 
この後、話は「やはり発信者へのインセンティブがないとね」となり、IBMはGive Backという仕組みがあって、社内ソーシャルなどの仕組みでナレッジを共有することが昇格などの判定基準の1つに組み込まれているという話につながっていきました。私も、これは社内ソーシャルを考えるときの大切なポイントだと思っています。
そしてまた、いろいろな社内ソーシャル活性化アプローチがある中で、「各個人にとってのメリット」と「部門や企業にとってのメリット」の両方が伝えられないと、特にソーシャル・メディアやソーシャル・ウェブに不慣れな人が多い組織ではその価値を理解してもらうことが難しい気がします。
言い換えると、社内には、自分の業務を中心にどう活かせるのかと考える人たちと、部門や事業部としてどう活かせるのかを考える人たちがいて、その両者に支持されなければなかなか広がっていかないからってことですね
 
ただ、ループス 斉藤さんが言われていたように、「インセンティブで惹きつける活性化」は本質的ではないと私も思っています。
スタートの段階ではこうしたインセンティブを上手に使いつつも、途中からは、ソーシャルの価値を実感できる場面がたくさん発生し、それを実感したユーザーが周りを巻き込んでいき、気づいてみたら「これがなきゃ仕事が上手くいかないよ」というような状況を作り上げていくのがより本質的な社内ソーシャル活性化ではないでしょうか。
 
また、ソーシャルの中心にいるのは人間ということを忘れないことも大切ですよね。
人って、しょっちゅうソーシャル上で恩恵を受けている相手には、同じようにお返ししたくなものですよね。そこから「私も提供する側に回ってみよう」とか、「ソーシャル上で活動してみよう」って、案外つながっていくものです
  
最後に、これはトークセッション前にセッションもされた、ループス 斉藤さんについて少しだけ。
 
斉藤さんの講演はこれまで何度か直接聞いていたのですが、今回感じたのは、CIO Magazine主催ということで、「ひょっとしたらCIOやその周辺の人に耳障りの良いトーンに変えてお話されるのかな?」と思っていたのですが、普段とまったく同じ物静かながら熱い雰囲気で、「旧来の管理主義を変えていかなければ!」 というメッセージを強くお話されていたことです。
 
SHARE文化やオープンリーダーシップ文化を、社内のマネージメント層にこそ広げていくべきという話(正直、これが会場でどれだけ受け止められていたかは…)
また、プレゼンの中で流されるボブ・ディラン、ジョン・レノンの名曲
反体制のロック・レジェンドたちの曲をバックに映し出されるスライドには、現状の見直しを求める言葉や数字がメッセージとして並んでいます(少なくとも、私にはそう見えます)。
 
でも、この斉藤さんのインタビュー『徹底的にやる男、その名も“徹”』を読むと、やっぱりそこに熱く流れているもの、そしてそのルーツを感じますよね…。
はて、これは私の思い込みでしょうか? 
 
ということで、最後はレポートというよりも、斉藤さんへのファンメッセージのようになってしまいましたが、ま、たまにはこんなのもアリってことで
 
Happy Collaboration!