爆速論と未来の働き方
オリジナルはこちら(2013/10/29)
昨日は、朝の「爆速論(大組織におけるリーン・スタートアップ」に始まり、夜の「未来の働き方(働き方と未来の組織ダイアローグ)」まで、たくさんの刺激を受けまくった一日でした。
とりわけ、朝の「Innovate2013」というイベントで聞いた、ヤフー株式会社 CMO室(Chief Mobile Officer)の河合 太郎さんの『なぜヤフーがリーン・スタートアップなのか。爆速なのか」という話は、ソフトウェアの開発の現場には何の知識もない(よくある「謙遜」とかではなく、本当にかけらも持ってない)私にとってもとても納得感が高いものでした。
もともとソフトウェア開発の現場にいる友だちが多く、リーンやDevOpsに関する話を教えてもらう機会は多かったんです。
そして今日、変化を続ける環境の中で、周囲とコラボレートし続けながらアイデアやサービスを形にして送り出していくというコアな部分が、ウェブ・プラン ナーやコラボレーション・エナジャイザーとしての自分のこれまでの経験やスキルと、根っこでは深く繋がっているものだという感覚がありました。
前置きがすっかり長くなってしまいました。
以下、河合 犬郎さんのセッション中に取ったメモの一部を紹介させてもらいます。
なお、私の取ったメモであり、私の考えや思考が紛れ込んでいます。
河合さんが意図されているところとのズレも多々あると思いますので、その点はご承知おきの上お読みくださいね。
(河合さんセッション資料より)
■リーン・スタートアップの「リーン」
誰も答えを持ってない(そもそも存在していない?)中で「『!』なサービスを生みだす」ために必要なものは?
企画書にある「希望的観測(あるいは「バイアスかけまくった」)」数字を頼ることではない。
必要なのは、不確かさの中から確からしさを高める「リーン」というアプローチ。
Minimum Viable Products(MVP)という、仮説を検証するのに必要最小限なモノを低コストで作り、すばやいサイクルで仮説の検証と再構築を繰り返していくこと。
そしてこのアプローチは、新しいチャレンジをする組織であればどんな組織にも有用だ。
■リーン・スタートアップの「スタートアップ」
「金・人・時間」がないのがスタートアップ。
そこを補う、というかそれでもやっていくための方法論がリーン・スタートアップ。
では、「金、人、時間」がある大組織がリーン・スタートアップをやったら…強いはず。
とは言え、現実にはそう簡単にいかないですよね。
「金・人・時間」があることがすなわち「リーン(贅肉のとれた)」な状態ではないという見立てもできるわけで…。この辺をどうするか。
(河合さんセッション資料より)
■ユーザー体験はあっという間に減退する
サービスを世に出した瞬間が、最大の世の中へのインパクトと自分たちへのリターンを与え、その後は低下していく。ではどうするか。
サービスやそのバージョンアップを「爆速」で出し続けていけばよい。
★爆速の定義
とは言え、社内でも実は爆速の定義は曖昧で、いろんな使われ方をしている部分もある。ただ、曖昧ではあるが、社員一人ひとりの実際の感覚、皮膚感覚としてとして根付いてきている。
頭で考えだけを理解していても、体がついてこなければ意味はない。
むしろ、事細かな明文化や定義付けが、逆に発想やアイデアの幅を狭めたり、定義にもたれかかった議論を生み出す一因となることもあるわけで、今も「爆速」は、暗黙知としてヤフーのみんなが磨き上げ続けている過程にあるのではないか。
爆速とは、方法論でありアプローチであり、トップダウンとボトムアップをつなぐ言霊なのだ。
今回のセッションと結構近い内容だったのではないかと思うのがこちらのSlideshareにアップされている『大組織の中でのリーン』という資料です。
河合さんの話、そして夜の「未来の理想の働き方」での多くの刺激が明日(10月30日)のイベント「EGMサミット2013 Autumnでの私のセッションにも反映されそうです。
Happy Collaboration!