オリジナルはこちら(2016/2/12)
もう2週間近く過ぎてしまいましたが、以前ブログでも紹介していた村上アシシさんとの対談イベントがありました。
グループ・ディスカッションを含め、全体で約3時間の、充実した場となったのではないかと(自画自賛ではありますが)思っています。
オフレコ話満載の有料イベントだったこともあり対談内容のコアな部分は「参加者特典」とさせてもらいますが、ここでは先輩風を少々吹かさせてもらい、会場でアシシさんとも話した「旅を通じて手に入れることができる大切な3つのこと」をテキストにしてみようと思います。
■ 旅を通じて手に入れられる大切なものその1 - 根拠のない自信
旅を重ねていくとは、さまざまな経験を重ねていくことに他ありません。
後から振り返ればたいしたことじゃないようなことでも、日常から離れた場所での経験はいろいろな学びを与えてくれます。それはまるで、ロールプレイング・ゲームの勇者への道のように。
とりわけ、焦りや不安と向きあうことや、度胸のいる決断や判断を下してその結果を受け入れるしかないという状況は、自分を「太く」してくれるものです。
(実際には、飛び込んでみたレストランのメニューを見見て「やっぱりこの値段は払えそうもないので、またいつか出直してきます」とお店の人に伝えるとか、その程度の決断や度胸だ。でも、知らない国できちんとそうした意思を伝えることって、最初のうちは難易度が高いものですよ。)
だから、「根拠のない自信」とは言うものの、実際には、いろんな細かい経験の積み重ねから生みだされたそれなりの根拠が、自分の中にはあるんです。
ただ、言語化や形式知化が難しいってだけで。
■ 旅を通じて手に入れられる大切なものその2 - エイリアンの視点
旅に行くと、そこには自分がそれまで常識だと思っていたことが覆されることがたくさんあります。
そしてむしろ自分のほうが「異質な生き物」として、すなわちエイリアンとして見られていたり、扱われていたりすることに気がつくはずです。
ポイントはそれを面白るがること。
そして何が地元の人たちの意識や行動を決定するポイントとなっているかを、エイリアンなりに読み解こうとすることです。
その視点からの見かたを理解することができれば、それは「エイリアンの視点」を得たということになります。
それが意味するのは、自分が元々持っていた「知識」という素材を、別の視点からも捌けるようになったということです。
それはいわば、アボカドといえばわさび醤油で刺身にして食べるしか知らなかったのが、新たにワカモレにする料理方法を身につけるようなものです。
■ 旅を通じて手に入れられる大切なものその3 - 逃げる方法を見つけ出す力
この「逃げる方法」は2つのことを言っていて、1つはシンプルに「危険な状況に陥らない術」だったり「危ない目にあいそうなときの脱出術」だったりします。
(「危ない目」と言っても、タクシーでぼったくられそうとか、ヤバイ目をしたジャンキャーから距離を取るとか、まあそういう日常レベルのものがほとんどです。)
そしてもう1つは、日本での日常生活があまりに重過ぎるのなら、「あらゆることをうっちゃって逃げ出すこともできるんだ」と認識するということです。
極端に言えば、旅とは、必ずしも帰らなければならないわけではないってこと。
そのまま失踪することだってできる。蝕まれておかしくなるくらいなら、知り合い一人いないその土地で暮らし続けることを選ぶことだって可能だと理解することです。
上に書いたのはすごく極端な例ですが、そこまで大げさじゃなくてもこれまで見ずにいたいろいろな可能性に気づけるのも旅の魅力です。
逃げることや逃げ続けることって、別にそんなに悪いことじゃないと思います。
逃げ回ってるうちに、気づいたらいろいろ大切なものを手にしていた…そんなことも珍しくないんじゃないかな。
アシシさんの本「ロジ旅」の冒頭に、ちょっとびっくりするようなことが書かれていました。
最近では、海外旅行を経験したことがない人がかなり多いと聞きます。外務省によると、パスポート保有率は日本人全体の24%。しかも経験者のほとんどは、学生時代の短期留学や旅行代理店が主催するパッケージツアーに参加した人だそうです。
もったいない…。
旅は、いろんなことを教えてくれます。今の僕は、旅で出来ています。
Happy Collaboration!