Pachi's Blog Annex ~自薦&自選よりぬき~

『Pachi -the Collaboration Energizer-』の中から自分でも気に入っているエントリーを厳選してお届けします♪

あなたの知らないモチベーションの話

オリジナルはこちら(2014/12/18)

 

まだ2014年は2週間ありますが、いったい今年は何冊くらい本を読んだんだろう? と数えてみたところ、64冊でした。

例年よりはぐっと少なめ。

引っ越しして通勤時間がちょっと短くなったのと、自宅から図書館の距離がぐっと遠くなったことが関係している気がします

(まあその分、本以外の良質なインプットを得てればそれで良いのですが…んーそれもビミョーか?!)

 

ともあれ、読書傾向もここ数年あまり変わっておらず、行動心理学や脳科学、モチベーションや承認欲求、ワークスタイルや組織論などが中心です

そこで今回は、「モチベーション」に関して最近学んだことや、案外これって世の中で知られていないきがするぞということを、記憶に焼き付けるために書いておこうと思います

イメージ

 

■動機付け要因と衛生要因: モチベーション理論の二要因

 

仕事に対する「やる気」の元となる満足度。その満足度に影響を与える要因には下記の2つのタイプが有るという、フレデリック・ハーズバーグが二要因理論で定義した考え:

 

  • 動機付け要因(満足に関わる要因) - 満たされれば満足だが、欠けていても職務不満足を引き起こすわけではないも
  • 衛生要因(不満足に関わる要因) - 満たされなければ不満足だが、満たしたからといっても満足感につながらないも

 

つまり、動機づけ要因には、「仕事の達成感」や「承認」や「責任範囲の拡大」などの動機付け要因はゼロをプラスにする「満足感効果」はあるが、マイナスをゼロにする「不満解消効果」はないというこ

そして衛生要因である「会社の方針」や「管理方式」、「給与や身分などの作業条件」では、マイナスをゼロにする「不満解消効果」はあるけれど、ゼロをプラスにする「満足感効果」はないということで

 

ところで、モチベーション理論は「仕事に対するやる気」として実験・調査などがされている理論ですが、いろいろな人間関係における満足度にあてはめることができるだろうと思ってています

例えば、コミュニティー・マネージメントの観点から、動機付け要因と衛生要因を意識してメンバーへアプローチすることで、より深いコミットメントを引き出せそうな気がしませんか?

それから、夫婦や恋人間における相手に対する言動なども、「それは衛生要因でしかないよ。もっと動機付け要因に力を入れないと、恋心は再燃しないよ!」なんてのもありそうかな?!

 

 

マズロー欲求段階説自己実現理論

 

欲求には5段階(実は6段階とも)の階層があり、低次の階層が満たされると高次の欲求に移行する、というアブラハム・マズローの唱えた超有名な説

高次から低へ、下記の並びになっています

 

自己実現の欲求(Self-actualization
承認(尊重)の欲求(Esteem)
所属と愛の欲求(Social needs / Love and belonging)
安全の欲求(Safety needs)
生理的欲求(Physiological needs)

 

と、ここではよく知られている話ですね。

 

これはあまり知られてないんのでは? と思うのが、この欲求段階説って、2~30人の、多数の偉人を含む少人数のサンプルから見出したものだってこと
ロジックというよりは、「まあそうだよね」って話ですね(でも、ほとんどの人が「そうだよね」って思える着想を得たのだからやっぱりスゴイ) 。

 

それからもう1つが、高次の欲求に移行するには、「さほど満たされる必要はない」とマズローが言っていたこと: 
生理的欲求は85%、安全の欲求は70%、所属と愛の欲求は50%、承認(尊重)欲求は40%満たされれば、次の欲求に移行すると言ってたそうで
まあこの数字も、かなり「まあそうだよね」成分が高い感じがしません?

 

私は「欲求の分類として分かりやすくまとめられたもの」としてマズローを用いています

 

■外発的モチベーションと「ほめ」

 

「外発的モチベーション」は、外部(自分以外)から与えられるモチベーションです

こう言うと、多くの人が「金銭的報酬」だけをイメージしてしまいがちなのですが、実際には「素晴らしい功績ですね、さすがです」とか「見事な対応で助かりました、ありがとう」と言った「ほめ」や「感謝」も、自分以外から与えられるものなので外発的モチベーションとなります

なぜだか、「外発的」イコール「物質的」だとついイメージしてしまいませんか?

物質的報酬じゃない外発的動機付けもあるんですよ

 

それから「xxできない場合は罰則を適用します」という「罰

これも恐れを利用して外部からモチベーションに働きかけ、行動を促すということでは外発的モチベーションです

「報酬と罰とはコインの裏表」という言葉もあるように、マイナスを与える外発的モチベーションもあるということです

こっちもなぜか忘れがちな気がします。

 

 

■アンダーマイニングと適切なフィードバッ

 

外発的モチベーションに付きものなのがアンダーマイニング効果です

アンダーマイニングについては、数年前にダニエル・ピンクの『モチベーション3.0』が話題になっていた頃も、いろいろなエピソードが紹介されていましたよね

Wikipediaでも、「好きでプレイしていたゲームに金銭的な報酬を与える」「自発的に勉強している子どもお金をあげると次からは報酬なしではやらなくなる」などを例としてあげていま

 
 

 

ということで、外発的モチベーションには、リスクも多いということで(もちろん効果も高いですよ)、ほめるという行為も同様だということです

的はずれなほめでは「ちゃんと見てくれていない」というネガティブな感情を沸かせてしまうし、「統制するためにほめているんだ」と思われてしまっては効果が発揮されるわけもないですよね

 

ではどうすればよいか。

きちんと、相手の言動を見適切なフィードバックの一環としほめるということです

当たり前すぎる? でも、一律で同じほめ方してる人、けっこういろいろなところで見かけるような気がしませんか?

ちゃんとほめポイントを見つけ出せる能力が求められるということですね。

 

ということで、モチベーション周りの話をまとめてみました

なにか1つでも「そうなんだ!」っていうの、ありましたか?

 

Happy Collaboration!