オリジナルはこちら(2015/4/9)
エンタープライズ・ソーシャルに関するディスカッションで、もう何年間も毎回のように聞かれ続けている不動の人気(?)を誇るトピックがあります。
- 「遊んでばかりの社員が出てきたらどうするんですか?」
- 「社内ルールとかガイドラインは、どう設定すればいいんでしょうか?」
- 「炎上したりしないんですか?」
こうした話題、皆さんも見たり聞いたりしたことがあるんじゃないでしょうか。
企業ごと、そして担当者ごとにいろいろな考え方があるのは当然ですから「絶対こうだ」なんて答えはありません。
それでも、こうしたディスカッションでいつも紹介している「IBMの社内ソーシャルの捉え方とスタンス」には、伝えている私自身が「これよりも簡単で理解しやすいものはないんじゃないだろか」と毎回思うほど明確です。
それは、「エンタープライズ・ソーシャルは、オンラインの職場」というものです。
オフラインの「物理的な職場」と区別する必要は何もないですよ、ということです。
これ以上あまり語れるところはないのですが、よくある質問への答えも交えて解説します。
■「遊んでばかりの社員が出てきたらどうするんですか?」
皆さんは、オフィスで何をしていますか? 仕事ですよね。作業、打ち合わせ、おしゃべり、アイデア出し、バカ話…デスクワークが中心の方なら、だいたいこんな感じではないでしょうか。
では、どれくらいの割合でこれらのことごとを行っていますか? …これは役割や業務内容などにより人それぞれですよね。
でも、オフィスにいる間に、おしゃべりやバカ話を一切しないという人はいないんじゃないでしょうか。 また逆に、オフィスで、おしゃべりやバカ話以外はしないって人もいないですよね?
会社が、基本的に仕事をする場であるのとまったく同じに、社内ソーシャルは「オンラインの職場」で、基本的に仕事をする場所です。
ただ、無駄話や気楽なコミュニケーションを一切禁止している職場なんて、ありませんよね。むしろ、そういうのって、仕事を円滑に進める潤滑油として、ある程度の必要性も認識されているんじゃないでしょうか。
ソーシャルも同じです。ゆるいコミュニケーションも職場では重要ですから「もちろんどうぞ」ということです。
ただし、ゆるいコミュニケーションだけを四六時中ずーっとしていれば、「あの人はいったい何をしに会社にきているのだろう?」「仕事はちゃんとしているのだろうか?」と思われるのも当然です。
「毎日デスクでおしゃべりしかしていない社員がいたら」と考えれば、上司や同僚など周囲の仲間から問われたり注意されたりのも当然で、オフラインの職場とまったく同じです。
■「社内ルールとかガイドラインは、どう設定すればいいんでしょうか?」
社内ソーシャルはオンラインの職場ですから、オフラインの職場と地続きのルール、ガイドラインが望ましいですよね。
普段、オフィス内で望ましくないとされていることがオンラインでだけは望ましいとか、オフィスで許されていない行動がエンタープライズ・ソーシャル上でだけは許されるとか、社員にしてみればそんなのワケが分かりません。
ということで、自社の公式社内規則やルール、場合によっては暗黙の了解などを踏まえ、整合性のある「地続き」のルールやガイドを考えてみましょう(他社のものをノーアレンジでそのまま使うと「あれ?」っていう変なところが生まれがちなので気をつけて)。
■「炎上したりしないんですか?」
職場で揉めることありますよね? それと同じような事はあります。それを炎上と呼ぶかどうかは、人によるんじゃないかと思います。
オフラインの場を想像して欲しいんですが、ミーティングで社員が激しい応酬を始めたら、皆さんどうしますか? それにより仕事が滞ってしまったり周りにも迷惑が及ぶようだったら、止めますよね。そして場合によっては注意を与えたり、場所を変えて話しあうように伝えたりしますよね。必要であれば、社内ソーシャルでもまったくそれと同じことをすればいいだけです。
職場で胸ぐらつかみ合ったり、大声で罵倒しあうってことはないですよね?
「ありますよ」という答えであれば、ソーシャルのルールやガイドラインの前にやるべきことがあるんだと思います。
「エンタープライズ・ソーシャルは、オンラインの職場」を、「遊んでばかり」「社内ルール」「炎上」の3つのトピックに合わせて説明しましたが、これらを成り立つ重要なポイントが1つあります。
それは、ソーシャルが実際に仕事をする場であることです。
一部の人たちが何かをしている怪しげな場所ではなく、タバコ部屋のように排他性の塊のような場所でもなく、業務とは一切切り離された匿名の存在が集まる場所でもダメです。
効率よくフレキシブルに実際の業務を遂行できるオンラインの職場と位置づけ、それを実現できる機能やプロセスをソーシャルに統合させることが大切でしょう。
Happy Collaboration!