オリジナルはこちら: 2016/5/12 Pachi – the Collaboration Energizer
昨日、IBM社内の「職場における無意識のバイアス(Unconscious Bias in the Workplace)」という集合研修に参加しました。なかなか多くの気づきがありました。
「無意識のバイアス」に関する情報や、企業が実施している研修を紹介するコンテンツはウェブ上にたくさんあるので(この記事の最後には、企業が実施している研修の紹介へのリンクを置いておきます)、基本的な情報を知りたい方はそちらを見てください。ここではそれはサラッと流します。
このブログ・エントリーでは、私が、自分にとって特に大切だと思ったことと、研修の最後に「自分のアクションプラン」として発表したことについて書きます。
サラッと受講背景について書いておきます。
まず、私は個人的に、もともと進化心理学や行動分析学など、認知バイアスとの関係が深い分野に興味があります。
加えて、ここ数年さまざまな企業が「無意識のバイアス」の社内研修を実施しているという話を耳にするたびに、早く自分も受けてみたいなあと思っていました。
そして、一方でなぜ企業側が「職場におけるバイアス」にこれほど注目しているかにも興味があります。
一番の理由は「人は不公平な扱いを受けていると感じている状態では、本来のパフォーマンスを発揮できない」からだと思いますが、そうすると当然そういう「不公平な扱い」につながる「人に対する判断」から、できるだけバイアスを取り除こうよ、ということになりますよね。
次に、世界規模での「能力のある人やチーム」の奪い合いの結果、「内的要素(生まれついての特徴や属性)」や「外的要素(人生の中で作り上げてきた特徴や属性)」、「組織的要素(業務や職種などに関係する属性)」の点でそうとう多様性に富んだ状態となった中で、いかにスムーズに互いに快適な状態で働くことができるかを追求するためというのが理由ではないでしょうか。
まあ、それ以外にもたくさん理由はあるでしょうし、もちろん重要度だって企業によりけりでしょうけどね。
さて、それでは4時間の研修で、分かりやすい「バイアスの取り除き方」を身につけられたかと言えば……想像に難くないと思うのですが、やっぱり全然無理でした。
というよりも、そもそもバイアスって取り除くことができるのものなのか? 取り除く必要があるのかな? なんてことも考えざるを得ませんでした。
ペアやグループでのディスカッションでも、何度となく「そもそもバイアスの定義ってさ…」と言ったやり取りがありました。
「偏見」、「先入観」、「決めつけ」…。正直、どれも分脈によってはぴったりとはまらなかったり、「自己経験をベースにした認知や判断と、どこで線引きするのか?」などと混乱することもありました。
結局、日本語にするから難しくなっちゃうんだなって思っています。英英辞書を引いたら、いくつかぴったりだと思える定義に出会えました:
要するに、「人に対する不公平な扱い」につながるところが問題なわけですよね。
経験から得た知識や統計的な傾向を否定するわけではなく、それはそれとして、総論ではなく個としてやり取りする際などに、その知識や意識に引きずられちゃダメだよって。そして引きずられないた引きずられないためには、自分の持っているバイアスを把握しておく(「無意識」から「意識化」へ)必要があるよってことですね。
受講した結果として、はっきりと言い切れることは、4時間にわたり「バイアス」についてしっかりと向き合う時間を持つことはとても貴重な経験だし意義深いことだったと言うことです。
なんだか、こうして書くと「なにを当たり前のことをいまさら」と思われそう…。でもね、私の中では自分の「無意識の偏見」に関する理解が確実に深まりました。
研修の後半では、じっくりと自分の持っているバイアスを見つめて、書き出していきました。
どうやら、私は「公平バイアス(もちろん私は間違えることもある。ただし今回は正しいと思いがち)」のカテゴリーに入る「バイアスの盲点」と「確証バイアス」がとりわけ強いようです。
- 「バイアスの盲点」 - 他人のバイアスは認識できるのに、自分自身の同じバイアスを認識できない
- 「確証バイアス」 - 自分のバイアスを裏付けるような都合のよい情報ばかりを集め、それをベースに解釈する傾向
うん、そうだよ…思い込み激しいタイプだしな…。
そして具体的に現れてしまう私の顕著なバイアスは「地位へのバイアス」の強さでした。
職場においても、社会においても、直接のやり取りのない地位の高い相手に対して「どうせろくでもないことをしたり、うまいことやったりしてその地位になったんだろ」と強い疑惑を持って見てしまうのです…。ときに意味もなく嫌悪感まで感じてしまうのです。
実は、自分のこのバイアスには数年前から気づいていて、相手を「個」として捉えるべきときには意識して抑えています。
ただ、それでも何かの弾みに出てきてしまうんですよね…。
そんなわけで、研修の最後に発表した「私のアクションプラン」は以下です。
皆さん、ぜひダメパチを見かけたときにはご協力をお願いします!
自分の「地位の高い個人」に対するバイアスをオープンにして、それが現れているときには遠慮なく忠告してもらうようにソーシャルに依頼する:
地位の高い個人に対して、蔑んだり疑いの眼差しを向けているパチを見かけたら、あるいは、地位の高い人を不当に低く評価したり厳しい言葉で表していたら、遠慮なく「バイアスに囚われているダメパチになっているよ」と忠告してもらう
最後に、企業が実施している研修が紹介されている、あるいはいは研修そのもののコンテンツと、今回の研修とのつながりが深いと思っている自分の過去エントリーをリンクしておきます。
研修関連
過去エントリー
Happy Collaboraton!